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クリスマスパーティー
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撮影を再開したのは2時間後だ。いつもよりも長い時間をしゃべり通しだった夏生は、麦茶で喉を潤しつつおとなしくしていた。
その間に悠はまな板と包丁を片付け、オーブンを予熱して、揚げ物用の鉄鍋に油を入れて用意した。この辺は打ち合わせ済みだし既に手慣れたことで、困ることはない。
「はい、それじゃあ再開するね。下味が染み込んだ丸鶏をオーブンで焼き始めるよ。今回は小さい鶏を用意したから、オーブンペーパーでそれぞれ仕切りを作ってふたつ同時に焼いてしまおう。お肉の下にさっき切った野菜を置くことを忘れないで。肉から出た油とタレの味が、野菜に染み込んで美味しく焼き上がるよ。あと、お肉の下側が焦げない。結構大事だね。じゃあ、こっちのローストはオーブンに任せて、フライドチキンとソースに取りかかろう。
今度はこの鶏肉に、フライドチキンにするための粉をまぶします。オレガノ、マジョラム、セージ、タラゴン、バジル、ローズマリー、ガーリックチップ、それに胡椒と塩をミルで粉末にして、小麦粉と混ぜる。その小麦粉をこうして肉にまぶして、溶き卵を付けてから、もう一度粉を付けます。こうすると衣がカリッと仕上がるんだ。
衣を付けてから油の加熱を始めると、衣が程良くお肉に馴染むよ」
「……こうして見てると四本さん、いや、梅崎さん……ああ、面倒くさい。夏生さんは器用ですね」
同時に3つの料理を作っている夏生を見て、高見沢が感心したように呟いた。それを聞いた理彩が隣で鼻を鳴らす。
「今更何を言ってるの。あの人頭の中が合理的な思考でできてるからね。このタスクに必要な時間はこのくらい、その間にこれができる、という並行タスク管理が優秀なのよ。料理人になってなかったらプログラマーになることを勧めてたところね」
「そういう貴女の今の時間は何のタスクに割り振られてるんです?」
「動画にチラチラ映って、クレインマジック公式動画の視聴者を減らさないという重大タスク」
「ああ、それ、確かに重要ですね。私たちにも固定ファンがいるって、おかしな感じがしますが現実ですからね」
耳に飛び込んでくる理彩と高見沢の会話に、悠はひっそりと笑った。自分と夏生が予想以上に話題になったときも驚いたが、理彩と高見沢、そして桑鶴と剣持にも固定ファンがいることには更に驚いた。確かに時折動画には登場するが、そもそもレア度が高いのだから。しかし彼らのファンは、「推し」の登場頻度が低い分の反動なのか、出てきた時の反応が凄い。
「さてと、油の温度はどうかな? うん、オーケー。揚げ方は基本的な唐揚げと同じように、まず160度で揚げてから一度取り出して、余熱で火を通してから二度揚げをします。じゃあ、余熱で火を通してる間に、今度はソースを作るよ。あっ、料理に慣れていない人は真似しなくていいからね。一個一個、確実に作っていって」
カメラに向かって夏生が手のひらを向け、「ストップ」という動作をした。これでおそらく画面の向こうで何人かが死ぬんだろうなと悠は考えてしまう。最近、そういうことが段々とわかるようになってきた。
「クランベリーソースとオレンジソースは、ジャムを流用して作るよ。クランベリーはジャムや冷凍なら比較的手に入るからね。赤ワインとレモン汁を足してジャムを煮込んで、アルコールが飛んだらバルサミコを入れて酸味を出す。オレンジソースにバルサミコでもいいんだけど、色が濁っちゃうんだよね。
だから今日は色が濃いクランベリーの方にバルサミコを入れます。こっちは、甘みがあるけどさっぱり系。そしてオレンジソースの方は、溶かしたバターと生クリームをマーマレードに足して作ろう。ブレンダーで混ぜると簡単に滑らかに作れるよ。安いものだと3000円くらいだから、一個持ってるといろいろ便利だと思う。興味があったら買ってみてね。オレンジソースだけど、オレンジの風味が鶏肉には良く合うんだ。こっちの方は、香りのあるこってり系。どちらも、切り分けたお肉を皿に取り分けてからお好みで掛けて」
手早く2種類のソースを作ると、夏生は余熱の通ったフライドチキンを油の温度を上げた鉄鍋に戻す。じゅわっという音がして、見守っている面々も思わずごくりと喉を鳴らした。
「オーブンからもいい匂いがするね」
「お肉の焼ける匂いっていいですよね」
今日は理彩と高見沢は殴り合いにならないらしい。珍しく一致した意見を穏やかに話している。クレインマジックの面々に慣れきってタイミングをわかっていたのか、剣持の持つカメラは並んで立つふたりのうっとりとした表情を捉えていた。このふたりを映すと、その後ろで腕を組んでニコニコとしている桑鶴も映るのだ。まさに今日は「クレインマジッククリスマススペシャル」というタイトルにふさわしい。
「ローストチキンはあと20分くらいだね。フライドチキンがちょっと早くできあがるかな。それじゃあ、ハルくんはお皿の準備をしてくれるかい?」
「わかった」
夏生の指示で、ローストチキンが乗る大きい皿を2枚と、フライドチキン用の皿を出した。更に人数分のとりわけ用の皿に、ソースを入れる深い器も用意する。てきぱきと悠が動く様子も、剣持がばっちりと撮影していた。
研究熱心な彼は、動画の反応からどういったシーンが喜ばれるのか把握しているそうだ。悠としては、自分が皿を並べているシーンで何が嬉しいのかさっぱりわからないのだが。
綺麗なキツネ色に揚がったフライドチキンの油を切ってから、夏生が丁寧に皿の上にそれを並べる。
「冷めないうちに食べちゃおう。そのうちローストチキンも焼き上がるからね。テーブルに全部並んだところはこの前撮影した写真があるからそれで許して。それじゃ、桑さんどうぞ」
「ナツキチの言葉に甘えて、先に食べるとしようか。いただきまーす!」
満面の笑みで桑鶴が真っ先にフライドチキンに手を伸ばす。揚げたてのチキンを掴んでから、「うあっ!」と叫んで手を離したのは熱かったからだろう。慌てて悠はアルミホイルを切って桑鶴に渡した。
「ありがとうな、ハルキチ。やれやれ、俺としたことが、恥ずかしいところを見せちまった」
「うっかりが過ぎますよ。悠さん、私にもアルミホイルをください」
「待て、今全員分用意する」
その間に悠はまな板と包丁を片付け、オーブンを予熱して、揚げ物用の鉄鍋に油を入れて用意した。この辺は打ち合わせ済みだし既に手慣れたことで、困ることはない。
「はい、それじゃあ再開するね。下味が染み込んだ丸鶏をオーブンで焼き始めるよ。今回は小さい鶏を用意したから、オーブンペーパーでそれぞれ仕切りを作ってふたつ同時に焼いてしまおう。お肉の下にさっき切った野菜を置くことを忘れないで。肉から出た油とタレの味が、野菜に染み込んで美味しく焼き上がるよ。あと、お肉の下側が焦げない。結構大事だね。じゃあ、こっちのローストはオーブンに任せて、フライドチキンとソースに取りかかろう。
今度はこの鶏肉に、フライドチキンにするための粉をまぶします。オレガノ、マジョラム、セージ、タラゴン、バジル、ローズマリー、ガーリックチップ、それに胡椒と塩をミルで粉末にして、小麦粉と混ぜる。その小麦粉をこうして肉にまぶして、溶き卵を付けてから、もう一度粉を付けます。こうすると衣がカリッと仕上がるんだ。
衣を付けてから油の加熱を始めると、衣が程良くお肉に馴染むよ」
「……こうして見てると四本さん、いや、梅崎さん……ああ、面倒くさい。夏生さんは器用ですね」
同時に3つの料理を作っている夏生を見て、高見沢が感心したように呟いた。それを聞いた理彩が隣で鼻を鳴らす。
「今更何を言ってるの。あの人頭の中が合理的な思考でできてるからね。このタスクに必要な時間はこのくらい、その間にこれができる、という並行タスク管理が優秀なのよ。料理人になってなかったらプログラマーになることを勧めてたところね」
「そういう貴女の今の時間は何のタスクに割り振られてるんです?」
「動画にチラチラ映って、クレインマジック公式動画の視聴者を減らさないという重大タスク」
「ああ、それ、確かに重要ですね。私たちにも固定ファンがいるって、おかしな感じがしますが現実ですからね」
耳に飛び込んでくる理彩と高見沢の会話に、悠はひっそりと笑った。自分と夏生が予想以上に話題になったときも驚いたが、理彩と高見沢、そして桑鶴と剣持にも固定ファンがいることには更に驚いた。確かに時折動画には登場するが、そもそもレア度が高いのだから。しかし彼らのファンは、「推し」の登場頻度が低い分の反動なのか、出てきた時の反応が凄い。
「さてと、油の温度はどうかな? うん、オーケー。揚げ方は基本的な唐揚げと同じように、まず160度で揚げてから一度取り出して、余熱で火を通してから二度揚げをします。じゃあ、余熱で火を通してる間に、今度はソースを作るよ。あっ、料理に慣れていない人は真似しなくていいからね。一個一個、確実に作っていって」
カメラに向かって夏生が手のひらを向け、「ストップ」という動作をした。これでおそらく画面の向こうで何人かが死ぬんだろうなと悠は考えてしまう。最近、そういうことが段々とわかるようになってきた。
「クランベリーソースとオレンジソースは、ジャムを流用して作るよ。クランベリーはジャムや冷凍なら比較的手に入るからね。赤ワインとレモン汁を足してジャムを煮込んで、アルコールが飛んだらバルサミコを入れて酸味を出す。オレンジソースにバルサミコでもいいんだけど、色が濁っちゃうんだよね。
だから今日は色が濃いクランベリーの方にバルサミコを入れます。こっちは、甘みがあるけどさっぱり系。そしてオレンジソースの方は、溶かしたバターと生クリームをマーマレードに足して作ろう。ブレンダーで混ぜると簡単に滑らかに作れるよ。安いものだと3000円くらいだから、一個持ってるといろいろ便利だと思う。興味があったら買ってみてね。オレンジソースだけど、オレンジの風味が鶏肉には良く合うんだ。こっちの方は、香りのあるこってり系。どちらも、切り分けたお肉を皿に取り分けてからお好みで掛けて」
手早く2種類のソースを作ると、夏生は余熱の通ったフライドチキンを油の温度を上げた鉄鍋に戻す。じゅわっという音がして、見守っている面々も思わずごくりと喉を鳴らした。
「オーブンからもいい匂いがするね」
「お肉の焼ける匂いっていいですよね」
今日は理彩と高見沢は殴り合いにならないらしい。珍しく一致した意見を穏やかに話している。クレインマジックの面々に慣れきってタイミングをわかっていたのか、剣持の持つカメラは並んで立つふたりのうっとりとした表情を捉えていた。このふたりを映すと、その後ろで腕を組んでニコニコとしている桑鶴も映るのだ。まさに今日は「クレインマジッククリスマススペシャル」というタイトルにふさわしい。
「ローストチキンはあと20分くらいだね。フライドチキンがちょっと早くできあがるかな。それじゃあ、ハルくんはお皿の準備をしてくれるかい?」
「わかった」
夏生の指示で、ローストチキンが乗る大きい皿を2枚と、フライドチキン用の皿を出した。更に人数分のとりわけ用の皿に、ソースを入れる深い器も用意する。てきぱきと悠が動く様子も、剣持がばっちりと撮影していた。
研究熱心な彼は、動画の反応からどういったシーンが喜ばれるのか把握しているそうだ。悠としては、自分が皿を並べているシーンで何が嬉しいのかさっぱりわからないのだが。
綺麗なキツネ色に揚がったフライドチキンの油を切ってから、夏生が丁寧に皿の上にそれを並べる。
「冷めないうちに食べちゃおう。そのうちローストチキンも焼き上がるからね。テーブルに全部並んだところはこの前撮影した写真があるからそれで許して。それじゃ、桑さんどうぞ」
「ナツキチの言葉に甘えて、先に食べるとしようか。いただきまーす!」
満面の笑みで桑鶴が真っ先にフライドチキンに手を伸ばす。揚げたてのチキンを掴んでから、「うあっ!」と叫んで手を離したのは熱かったからだろう。慌てて悠はアルミホイルを切って桑鶴に渡した。
「ありがとうな、ハルキチ。やれやれ、俺としたことが、恥ずかしいところを見せちまった」
「うっかりが過ぎますよ。悠さん、私にもアルミホイルをください」
「待て、今全員分用意する」
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