殴り聖女の彼女と、異世界転移の俺

加藤伊織

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ハロンズ編

98 一方的な攻撃は気分がいい

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 ヒュドラを魔法収納空間へ入れることができたので、船を収納して移動魔法で岸辺に戻る。漁師さんたちは無事に戻ってきた俺たちを見て喜んでくれた。
 船を貸してくれた人には保証金をそのままお礼として支払い、俺たちを乗せて運んでくれた漁師さんには危険を冒してくれた例も含めて2万マギルを渡す。
 酷く恐縮されたけど、船を出してもらえなかったらこちらも身動き取れなかったのだから、それは危険手当として受け取ってもらいたい、みたいな説明をした。

「とりあえず危険は無いのはわかってるけど、落ち着かないわね……」
「同感です」

 ソニアとサーシャは若干そわそわしている。まあそれも仕方ないな。戦闘が完全に終わったわけじゃないから。

「とりあえず、また家を出してくんねえか? 教授がぶっ倒れそうだ」

 教授がおとなしいと思ったらそういうことか! ルイの言葉に俺は慌てて街外れまで移動魔法を使って、そこに家を出した。
 小部屋の方にサーシャとソニアのためにベッドを2つ、大部屋の方にベッドを1つとテーブルセットも出す。
 ソニアと教授の魔力が回復するまで一度休憩だ。

 毒ブレスを食らったサーシャのために、たらいにお湯も用意する。サーシャはいそいそと浴室に向かい、しばらくして革鎧を脱いですっきりした顔で出てきた。

「なんだかほっとしました。お湯はいいですね」
「お茶も飲む?」
「はい、いただきます」

 ソニアと教授はベッド直行だったけど、サーシャは魔力切れではないのでお茶を飲む余裕があるらしい。
 魔力を盛大に消費した魔法使いを寝かせて、あまり消耗していない俺とレヴィさんとルイ、それにサーシャでテーブルを囲む。
 持って来ていたメレンゲとお茶を出してしばらく無言でそれを口にしていると、段々緊張がほぐれてきた。

「……一時はどうなることかと思いました」
「サーシャが攻撃を受けるのを見るのは心臓に悪いよ……」

 甘いものを食べて落ち着いたらしいサーシャが、椅子に深く座り直す。

「サーシャとルイは寝なくて平気?」
「ルイも魔力をかなり使ったんじゃないのか?」
「俺は平気だよ。《水中探知ウォータープローブ》は俺でも4回くらいは使える。むしろ、魔力出した後の反応捕らえるのに神経使うな」
「お疲れ様。ほら、もっとお菓子食べなよ。他にも何か出す?」
「やった! 食う!」

 レベッカさんが俺のレシピで焼いたクッキーも出すと、ルイが両手にクッキーを持って食べ始めた。教授がいるとしかめっ面になりがちだけど今は笑顔だ。

「ところで、どこで戦いますか?」
「俺的にはいっそ穴も掘って、そこにヒュドラを落として身動きできなくしてから戦ったらどうかと思うんだ。周囲に被害が出ないところ……って考えたら、マーテナ山かなって」
「そうだな。ヒュドラが叫んでいたら他のドラゴンは基本的には寄ってこないだろうし」
「それもありますし、俺ちょっと気になったことがあって……」

 どうした? という視線が俺に集まる。
 ヒュドラを収納して戦いの流れを完全に変えた俺だけど、それ以上のことはできない。俺には攻撃力がない、とつくづく思ったのだ。
 重さで押しつぶすのに使ってた古屋も全部使ってしまったし、何か武器が欲しい。

「マーテナ山って火山ですよね?」
「ああ、そうだな」
「山頂まで登れますか?」
「ああ、一度登ったことがある。道がないしドラゴンが出るから恐ろしく大変だが……」
「…………溶岩、欲しいなって」

 何故か場を沈黙が支配する。これでも頭使った結果なのになにゆえ!
 溶岩、収納しておいて敵にぶっかけたら無敵だと思うんだ。
 戦闘する場所は選ぶけど……森とかだと火事になっちゃうし。

「教授に毒されてきたんじゃねえか?」

 ルイが「何言ってんのこいつ」って様子でビビりながら俺を見ている。確かに教授っぽい発想だなとは、自分でも思った。
 巨岩とかでもいいんだ。そっちの方が場所は選ばないし。攻撃力は落ちるけど。

「溶岩……溶岩を収納しておいて敵に掛けるのか……確かに攻撃力という点では凄いが」
「素材が確実に駄目になりますね……」
「いや、でも、素材がどうのとか言ってられない時もあるよね? こっちが生きるか死ぬかみたいな」
「ジョーの言うことには一理ある。だが、溶岩が欲しいならマーテナ山よりもっと火口まで行きやすい山があるからそっちにしたらどうだ? ドラゴンがいつ襲ってくるかわからない中マーテナ山を登るのはかなり正気の沙汰じゃないぞ」
「えええ……なんでレヴィさんはやっちゃったんですか」
「若気の至りって奴だ。それにその時はアーノルドの崇敬が一番高かった頃で」

 なるほど、戦力に不足がなかったということか。
 うーん、俺の要望にサーシャを付き合わせまくるのも悪いし、レヴィさんの言う通りもっと火口に行きやすい山で溶岩をゲットしよう。

「そうですね……溶岩はまた今度にします。マーテナ山なら大岩も割とゴロゴロしてるから、それで我慢します」
「いや、それも大概凶悪だろ……」

 引き攣った顔でルイが呟いた。


 魔法使いたちの回復を待っていたら午後の遅い時間になってしまったので、ヒュドラを倒すのは明日にして一度ハロンズに戻ることにした。
 明日は移動魔法だけで行けるので馬は要らないとルイに伝えて、教授によく休んでくださいと頼んで別れる。

 魔法収納空間にヒュドラを3頭入れたままというちょっとドキドキする状況ではあるけど、収納されていたら何もできないというのは今まででわかっている。極力それを気にしないようにしつつ、その日の晩は「明日の戦闘に備えてしっかり休むように」とレヴィさんに釘を刺され、しっかり夕飯を食べ、風呂で汗を流し、自分のベッドでのびのびと横になった。
 移動魔法便利すぎるな……。依頼の最中でも自分の家に戻ってこられるって最高だ。空間魔法を選んだ過去の自分に「グッジョブ」って言いたい。


 翌日、教授とルイを拾ってからマーテナ山5合目へ。出たところにいきなりドラゴンがいたらどうしようかとドキドキしたけど、ドアを繋いで見てみた限り近くにはいなかった。

「教授の攻撃魔法は何か通りそうなのがありますか?」
「うーん、僕の魔力だったら直接攻撃をするよりは、《拘束スネア》などの魔法でヒュドラの動きを阻害した方が有効に思えるね」
「それはいいですね! できれば首の辺りを拘束できれば、すぐ倒せると思います」

 教授の提案にサーシャが言葉を添えた。確かに、あれだけの数の首が動き回ると厄介だ。それは昨日身に染みている。

 俺は適当な場所の土をがっぽりと収納して、それなりの深さがある穴を作った。大きさはヒュドラより少し大きいくらい。この中に入ってしまえば、体の方は自由には動けないし逃げようがない。
 サーシャと教授が補助魔法を掛け始める。そして、ヒュドラ討伐の本番が始まった。

「ギャアアー!!」

 穴の真上、20メートルくらいの高さからヒュドラを落とす。その時の悲鳴が凄かった。ドラゴンでもギャーって言うんだな……。
 ヒュドラが穴の中に落ちると、物凄く重い音と悲鳴が響いた。そこにすかさず教授が《拘束スネア》を掛ける。落下で衝撃を受けた上に首をがっつりと押さえられたヒュドラは、動きも見るからに力ない。サーシャがメイスを振るって頭を潰し、ソニアは《旋風斬ウインドカツター》で首を切り落とす。
 いつものふたりの本領が発揮されて、さほど時間も掛からず全ての頭を失い、ヒュドラは力尽きた。

「や、やったー!」
「ジョー、収納、早く! 切れてる首も!」
「あっ、そうだ」

 ソニアに言われて慌ててヒュドラの死骸を収納する。後に残ったのは大きい穴と、血が飛び散った地面だけだ。

「サーシャ、ソニア、続けて行けそうか?」

 レヴィさんの確認にふたりが頷いたので、2匹目と3匹目のヒュドラも次々と討伐されていった。
 一時はどうなることかと思ったけども、俺たちは無事にヒュドラ3頭を倒すことができたのだった。   

 
 そのままギルドに移動すると、ギルドにいた人たちが突然現れた俺たちに驚いている。でももう「移動魔法です」なんて説明はいちいちしないのだ。「聖女のパーティーには移動魔法を習得した空間魔法使いがいる」って話が広まってるってティモシーから聞いたし。
 レヴィさんが依頼完了と想定よりヒュドラが多かったという報告を窓口にすると、奥からアンギルド長が現れた。この人いつもギルドにいるのかな? 一度も見かけなかったネージュのギルド長と違って、仕事熱心なギルド長だ。

「リンゼイとルイがいるならちょうどいい。ヒュドラの買い取りもあるのだろう? 切断面から血が噴き出さないように傷口を焼いて欲しい」
「猛毒の血を浴びないようにですか。わかりました」
「この場に火魔法使いがいたら手伝ってくれないか。エールが飲める程度の手間賃は払おう」

 ギルド長がいつかのように「エールが飲める程度の手間賃」で人手を集めようとする。運良くその場には星2の火魔法使いがいたから、3人がかりでヒュドラの首の切断面を焼くことになった。といっても、ソニアが切り落とした首だけ処理すればいいから、3人がかりならすぐ終わるだろう。

 初めてここに来た時のように、大倉庫に移動して俺はヒュドラを隅に出した。血を浴びないように離れた場所から、魔法使いたちが《火球ファイアーボール》で切断面を焼いていく。生き物の肉が焦げるなんとも言えない匂いが辺りに立ちこめた。あまり……いい匂いではない。
 切断した首の方は樽の中に直接入れる。そちらも血が流れているけど、それは樽の中に溜まるから問題ない。

 そして、腹側は傷だらけだったものの、背中側はほとんど傷がないヒュドラの買取査定が始まり、俺たちはとんでもない金額を手に入れることになった。


「ソニアさん、ソニアさん! しっかりしてください!」
「駄目だ、気絶してる」
「このままにしておいてやれ……」

 査定額を聞いて卒倒したソニアをレヴィさんが支えている。この反応、相変わらずだなあ……。
 ヒュドラ3頭の買取額は、1800万マギルになった……1頭あたり600万マギルとまさかの古代竜越えだ。元々ヒュドラ討伐はその生態から困難を極め、討伐をしても死体が水中に沈んで回収できないことばかりだというから納得できる金額なんだけど。
 ……それにしても、2日で1億8000万円を稼いでしまったというのは俺にとっても衝撃だ。お金ってこんなにホイホイ稼げていいものだっけ?
 
 そこに、本来の報酬である150万マギルを足して1950万マギル。それが今回の収入で、あまりに高額なので、即金ではなくてギルドに口座を作ってそこに預けるという形に収まった。

「ひとり当たり325万マギルだね」
「いや、待てよ。俺ほとんど何もしてねえからそんな金額もらえねえぞ」
 
 ちょっと予想していたことだけど、ルイが大きすぎる報酬金額に困惑して受け取りを拒んだ。ほとんど何もしていないといっても、ルイが《水中探知ウォータープローブ》をしてくれたから教授が全力で《水操作マニピユレートウォーター》を使えて、そのおかげでヒュドラを収納することができたのだから、このふたりがいなかったら今回の依頼は達成できなかった。
 俺とサーシャとレヴィさんは顔を見合わせて、いつも通りにニコニコしている教授に向かって頷いた。

「それを言ったら俺はそれ以上に何もしていないんだがな……まあ、わかった」

 レヴィさんがルイに頷いて見せると、ルイはあからさまにほっとした顔で胸を撫で下ろす。そして、ルイが気付いていないのをいいことに、レヴィさんは教授の口座に650万マギルを入金するようにとの指示を買取確認の書類に書き込んで職員さんへ渡した。教授はそれに気付いても何事もなかったかのようにニコニコとしている。
 まあ教授なら、全部自分の口座に入っていようともルイのために使ってくれることは間違いないと思う。

「いやー、ハラハラして楽しかったよ! ソニアくんのとんでもない威力の魔法も面白かったし、聖女の一撃も凄かった。そして、何より空間魔法が興味深かったね! 生活に困ることがないような報酬も入ったし、僕としては大満足だ!」
「俺としては、教授が暴走しなくてほっとしてるぜ……」
「むむっ、さすがに僕だって場をわきまえるさ。ヒュドラ討伐なんて一歩間違えたら死ぬかもしれないんだしね」
「じゃあいつもわきまえてくれよ! そうしてくれたら俺がどんなに気が楽になるか!」

 いつものようにやいやいと言い合う教授とルイを家に送り、過去最高難易度を極めたヒュドラ討伐は幕を閉じたのだった。
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