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ハロンズ編
96 6倍掛け再び
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1時間半ほど時間を割いて聞き込みし、教授たちと合流して湖港に向かう。湖岸には何艘もの船があったが、人はまばらだった。漁にも支障が出ていると聞いたし、漁を取りやめている漁師もいるのだろう。
「冒険者ギルドからの依頼でヒュドラ討伐に来ました! 船を貸してくれる方はいませんか?」
サーシャが大きめの声を投げかけると、船の手入れをしていた数人が「おお!」と集まってきてくれた。
「ギルドがやっと動いてくれたか! 急にヒュドラが増えてなあ。魚が食われてるから漁獲量が減ってるんだよ。俺たちではどうにもならないし、参ってたんだ」
「船なら出してやるよ! 俺の船に乗りな!」
漁師たちは本当に困っていたらしい。魚が食われるだけではなくて、猛毒の竜だから襲われたら人間もひとたまりもないし、岸辺の街であるナビッチ全体が危険だ。
「助かります! あ、あと、船だけでいいのでもう一艘お借りできないでしょうか。もし壊れたら弁償しますので。お金はギルドから出ます!」
俺は八艘飛びのようにサーシャが船と船の間をジャンプして移動すればヒュドラに接近できると作戦を立てていた。そのためにはもう一艘の船がいる。
俺が空間魔法使いであることを説明すると、ひとりの漁師が船を貸してくれることになった。念のためにと保証金として1万マギルを渡し、船を収納させてもらった。
頼んだぞという言葉に背中を押され、俺たちはボートのような大きさの船に乗って小島を目指す。
その途中で、ネッシーのような頭がぷかりと水面に浮いているのが少し遠くで見えた。
「あれってヒュドラですか?」
遠くに見えるアザラシの後頭部みたいなものを指して俺は漁師さんに尋ねた。
いや、アザラシじゃないけど、俺の記憶の中で「水面からにょーんと出てる後頭部」ってアザラシくらいなんだよな。実物はもっとゴツゴツしてそうなんだけど。
「ああ、あれがヒュドラだな。ああやって息をしてるんだ。その内に引っ込むよ」
「へええええ」
「こちらから刺激しない限りは襲ってきたりはしないんだが、過去に漁師が突然襲われたって話も伝わっててな。完全に安全とは言えないんだ。ギルドが冒険者を寄越してくれて本当に助かったよ。ヒュドラ討伐を受けるなんて、凄い冒険者なんだろう?」
「ここの4人が星5で」
「僕は上位聖魔法と4属性魔法が使える星2」
「おまけの星1だ。俺は戦闘要員じゃないから気にするな」
「お、おう? 星5って凄いんだろう? ヒュドラもな、泳ぐスピードが馬鹿速い訳じゃないんだが、こっちで見たと思ったらあっちにもいるなんてことがあってな……。どうも、今ロキャット湖には5頭くらいいるんじゃねえかって噂になってるんだ」
船は帆を張って風を受けて進む。漁師さんは舵を取りながらそんなことを教えてくれた。
微妙にギルドからの情報と食い違いがあるのが怖いな。
「5頭? ギルドでは4頭って言ってたわよ?」
「ソニア、『ギルドが確認してる最大目撃数が4頭』だ。それより多いことはあっても少ないことはない」
漁師さんに聞き返したソニアに、レヴィさんが答える。
そうか……「最低4頭」ってことなのか。うっかり素直に4頭なのだと思い込んでいた。
でもこれだけ広い湖だから、縄張りの関係もあるだろうし密集はしていないだろうな。
ソニアは「うえええええ」って物凄く嫌そうな顔をしている……。
「小島に着いたら、《水中探知》で調べてみよう。大きな生き物がいるならだいたいの場所は把握できるはずだ」
教授が真面目な顔をしている。いつもは笑顔だったから怖いな。興味で、ではなくて真面目に依頼に対応してくれているんだろうけども。
船が小島に着いたところで、移動魔法で岸にドアを繋げて漁師さんには一度退避してもらう。移動魔法に漁師さんは凄く驚いていたけども、ここが危ないということを理解してくれているからかすぐに岸に戻ってくれた。
俺たちはヒュドラが潜っていった辺りを見ながら、これからの作戦を立てた。
「こちらの戦力としては、サーシャの直接攻撃、ソニアの魔法がメインだな。ヒュドラは古代竜よりは首が細いから、俺の弓やルイの剣もダメージが通るかもしれないがあまり期待はできない」
「ヒュドラが姿を現したら、俺が古屋を落としてもいいですが」
「それも有効かもしれないな。首を何本へし折れるかだが……」
「まずジョーくん以外に補助魔法を掛けよう。ジョーくんはいいんだね?」
「はい、俺の空間魔法は魔力に関係ありませんし、攻撃を受ける場所にも行かないはずなので」
その言葉でサーシャと教授が頷き、同じ呪文を唱え始めた。
「ベネ・ディシティ・アッティンブート・イナ・オミーネ・ディアム・ロン・ネリ・テットゥーコ!」
同じ節回し、同じ早さで合唱のように呪文が唱えられる。サーシャは自分に5倍掛け、そして教授は俺以外の全員に掛けたからサーシャは大猪の大規模討伐以来2度目の6倍掛けになっている。
「これが補助魔法なのね。変な感じだわ」
魔力量が上がっているはずのソニアがぽつりと呟いた。確かに、今までソニアは補助魔法のお世話になったことがないんだよな。
「《水中探知》なら俺がやるぜ。教授は魔力を温存しといた方がいい」
「ああ、そうだね、じゃあルイくんにお願いしよう」
ルイは小島の岸辺で水に片手を浸して、杖を持って《水中探知》の魔法を唱える。そして、恐ろしく真剣な顔でしばらく彼は湖面を見つめていた。
「……俺の魔力だとこの島から港くらいまでしか探知できねえけど、それでも範囲内に2頭いるぜ。この調子じゃ全部で5頭じゃ済まないんじゃねえか? 6頭か7頭いてもおかしくねえぞ」
手を振って水を切りながらルイが渋い声で教えてくれる。それを聞いて全員が厳しい顔になった。この島は湖の中でもかなり岸辺寄りであって、決して中央に有るわけではない。その中に2頭ということは、確かにルイの言う通り湖全体ではそのくらいいてもおかしくなさそうだ。
「現場判断で3頭狩ってもいいとは思うが」
「絶滅しないように2頭は残せっていうことで、討伐依頼が2頭だったんだろう。が、3頭狩るのは相当厳しいと俺は思う」
「私も戦ったことのない場所ですし、まず1頭倒してみてから判断してもいいんじゃないでしょうか」
「ヒュドラって、再生するし大変なのよね?」
「ある意味古代竜より大変かもしれませんね……」
そうか、サーシャは一撃が大きいから、敵の数が多いと強い敵が1頭なのより面倒なんだよな。明らかに古代竜を倒した時より、タンバー神殿で幽霊相手に戦ってた時の方が大変そうだだったし。
「まあ、でも考え込んでいても仕方ないね! ジョーくん、ルイくんの指定した場所に古屋を落としてみないかい? 攻撃されたと思ってヒュドラが出てくると思うのだが」
「そうですね、考えているだけではどうにもなりませんね。わかりました。じゃあ、それをやってみましょう。ヒュドラが出てきたら船を2艘湖面に浮かべるから、サーシャはそれに飛び乗ってヒュドラに向かって欲しい。収納を繰り返して船を交互にヒュドラの方に進めていくから」
「わかりました。ソニアさんは魔法が届きそうな距離まで来たら《旋風斬》で首を切り落としてください」
「となると、今回はこれね」
ソニアが胸元からエリクさんに貰った杖を出して構える。
一応こちらの準備は整った。
ルイは一方を指し示して俺にヒュドラのいる方角を教えてくれた。
「ここから岸までの距離が1だとすると、こっちの方向に1/2くらい行った場所に1匹いる。船で来た時に見た奴だな。それと、こっちの方向にももう1頭いるけど、そっちは距離があるし戦ってる間にどう動くかわかんねえ」
「わかりやすいよ、ありがとう。じゃあ、行きます!」
見えないファスナーを開いて、今まで何度かお世話になった古屋を取り出す。そして、ルイの指示した場所に3メートルくらい上から落とした。これで古屋は回収できなくなってしまうけれど仕方がない。
ギャオオオオン! と複数の鳴き声が聞こえた。俺の視線の先、古屋を落とした少し手前の場所で水中から巨体がせり上がってくる。
バラバラに蠢く9本の首、聞いてはいたけれど、実際に見ると鳥肌が立つ。古代竜の時よりも「魔物」感が凄い!
「ジョーさん、船を!」
「ごめん、ちょっとビビってた!」
サーシャに促されて、俺は2艘の船を湖に浮かべる。サーシャが羽が生えているような動きで軽く船から船へと飛び移っていった。
「サーシャ! 一撃入れたらこっちに誘導して!」
「わかりました!」
ソニアの言葉に遠くでサーシャが応える。
俺が交互に出す船で、サーシャはどんどんヒュドラに近づいていった。
「冒険者ギルドからの依頼でヒュドラ討伐に来ました! 船を貸してくれる方はいませんか?」
サーシャが大きめの声を投げかけると、船の手入れをしていた数人が「おお!」と集まってきてくれた。
「ギルドがやっと動いてくれたか! 急にヒュドラが増えてなあ。魚が食われてるから漁獲量が減ってるんだよ。俺たちではどうにもならないし、参ってたんだ」
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俺は八艘飛びのようにサーシャが船と船の間をジャンプして移動すればヒュドラに接近できると作戦を立てていた。そのためにはもう一艘の船がいる。
俺が空間魔法使いであることを説明すると、ひとりの漁師が船を貸してくれることになった。念のためにと保証金として1万マギルを渡し、船を収納させてもらった。
頼んだぞという言葉に背中を押され、俺たちはボートのような大きさの船に乗って小島を目指す。
その途中で、ネッシーのような頭がぷかりと水面に浮いているのが少し遠くで見えた。
「あれってヒュドラですか?」
遠くに見えるアザラシの後頭部みたいなものを指して俺は漁師さんに尋ねた。
いや、アザラシじゃないけど、俺の記憶の中で「水面からにょーんと出てる後頭部」ってアザラシくらいなんだよな。実物はもっとゴツゴツしてそうなんだけど。
「ああ、あれがヒュドラだな。ああやって息をしてるんだ。その内に引っ込むよ」
「へええええ」
「こちらから刺激しない限りは襲ってきたりはしないんだが、過去に漁師が突然襲われたって話も伝わっててな。完全に安全とは言えないんだ。ギルドが冒険者を寄越してくれて本当に助かったよ。ヒュドラ討伐を受けるなんて、凄い冒険者なんだろう?」
「ここの4人が星5で」
「僕は上位聖魔法と4属性魔法が使える星2」
「おまけの星1だ。俺は戦闘要員じゃないから気にするな」
「お、おう? 星5って凄いんだろう? ヒュドラもな、泳ぐスピードが馬鹿速い訳じゃないんだが、こっちで見たと思ったらあっちにもいるなんてことがあってな……。どうも、今ロキャット湖には5頭くらいいるんじゃねえかって噂になってるんだ」
船は帆を張って風を受けて進む。漁師さんは舵を取りながらそんなことを教えてくれた。
微妙にギルドからの情報と食い違いがあるのが怖いな。
「5頭? ギルドでは4頭って言ってたわよ?」
「ソニア、『ギルドが確認してる最大目撃数が4頭』だ。それより多いことはあっても少ないことはない」
漁師さんに聞き返したソニアに、レヴィさんが答える。
そうか……「最低4頭」ってことなのか。うっかり素直に4頭なのだと思い込んでいた。
でもこれだけ広い湖だから、縄張りの関係もあるだろうし密集はしていないだろうな。
ソニアは「うえええええ」って物凄く嫌そうな顔をしている……。
「小島に着いたら、《水中探知》で調べてみよう。大きな生き物がいるならだいたいの場所は把握できるはずだ」
教授が真面目な顔をしている。いつもは笑顔だったから怖いな。興味で、ではなくて真面目に依頼に対応してくれているんだろうけども。
船が小島に着いたところで、移動魔法で岸にドアを繋げて漁師さんには一度退避してもらう。移動魔法に漁師さんは凄く驚いていたけども、ここが危ないということを理解してくれているからかすぐに岸に戻ってくれた。
俺たちはヒュドラが潜っていった辺りを見ながら、これからの作戦を立てた。
「こちらの戦力としては、サーシャの直接攻撃、ソニアの魔法がメインだな。ヒュドラは古代竜よりは首が細いから、俺の弓やルイの剣もダメージが通るかもしれないがあまり期待はできない」
「ヒュドラが姿を現したら、俺が古屋を落としてもいいですが」
「それも有効かもしれないな。首を何本へし折れるかだが……」
「まずジョーくん以外に補助魔法を掛けよう。ジョーくんはいいんだね?」
「はい、俺の空間魔法は魔力に関係ありませんし、攻撃を受ける場所にも行かないはずなので」
その言葉でサーシャと教授が頷き、同じ呪文を唱え始めた。
「ベネ・ディシティ・アッティンブート・イナ・オミーネ・ディアム・ロン・ネリ・テットゥーコ!」
同じ節回し、同じ早さで合唱のように呪文が唱えられる。サーシャは自分に5倍掛け、そして教授は俺以外の全員に掛けたからサーシャは大猪の大規模討伐以来2度目の6倍掛けになっている。
「これが補助魔法なのね。変な感じだわ」
魔力量が上がっているはずのソニアがぽつりと呟いた。確かに、今までソニアは補助魔法のお世話になったことがないんだよな。
「《水中探知》なら俺がやるぜ。教授は魔力を温存しといた方がいい」
「ああ、そうだね、じゃあルイくんにお願いしよう」
ルイは小島の岸辺で水に片手を浸して、杖を持って《水中探知》の魔法を唱える。そして、恐ろしく真剣な顔でしばらく彼は湖面を見つめていた。
「……俺の魔力だとこの島から港くらいまでしか探知できねえけど、それでも範囲内に2頭いるぜ。この調子じゃ全部で5頭じゃ済まないんじゃねえか? 6頭か7頭いてもおかしくねえぞ」
手を振って水を切りながらルイが渋い声で教えてくれる。それを聞いて全員が厳しい顔になった。この島は湖の中でもかなり岸辺寄りであって、決して中央に有るわけではない。その中に2頭ということは、確かにルイの言う通り湖全体ではそのくらいいてもおかしくなさそうだ。
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「わかりました。ソニアさんは魔法が届きそうな距離まで来たら《旋風斬》で首を切り落としてください」
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「わかりやすいよ、ありがとう。じゃあ、行きます!」
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ギャオオオオン! と複数の鳴き声が聞こえた。俺の視線の先、古屋を落とした少し手前の場所で水中から巨体がせり上がってくる。
バラバラに蠢く9本の首、聞いてはいたけれど、実際に見ると鳥肌が立つ。古代竜の時よりも「魔物」感が凄い!
「ジョーさん、船を!」
「ごめん、ちょっとビビってた!」
サーシャに促されて、俺は2艘の船を湖に浮かべる。サーシャが羽が生えているような動きで軽く船から船へと飛び移っていった。
「サーシャ! 一撃入れたらこっちに誘導して!」
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