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ハロンズ編
91 オールマン食堂経営再建計画・マヨネーズ禁断症状
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マヨ食べたい。
一度思ってしまったらもう駄目だった。
味噌とか他にも欲しい物はあるけども、パーグにある可能性が高い。
マヨだって、歴史の流れの中でいつか誰かが発明するだろう。
でもそれじゃ駄目だ!
俺は今マヨネーズが食べたい! 一生マヨネーズを我慢して生きていけるのか!? 答えは否だ!!
タルタルソースをアジのフライに掛けて思いっきり食べたい!!
――という発作を起こしたのが、新生オールマン食堂初日の夜だった。思わず眠れなくなった。
「おはようございます……」
翌朝目の下に寝不足で隈を作ってオールマン食堂へ行ったら、みんなにぎょっとした顔をされた。
「ジョーはん、どないしたん!? そんなに昨日疲れたんか!?」
店長のショーンさんが俺の顔を見てビビっている。いえ、と答えながら俺は思わずため息をついていた。
「俺が以前いた世界にマヨネーズという調味料がありまして、それが食べたくて食べたくて仕方なくなって眠れなくなったんです」
「ほな、作ろか」
「俺にも作り方がはっきりわからなくてですねえ! 作れたらこんなに思い悩んでないですよ……」
「材料とか手掛かりはないんか?」
「基本は卵と酢と油ってところまではわかるんですが、全卵なのか卵黄だけなのかとか、どういう順番で入れるかとか、そういうところがわからなくて」
「ほな、作ろか」
「だから軽く言わないでくださ……え?」
ショーンさんは厨房の空いている場所に卵と酢と油を並べていた。
この人、やる気だ!
「ちょっと待っててください、泡立て器とハンドミキサー取ってきます!」
絶対にあれは必要だ。俺はさっき出てきたハロンズの家に戻り、厨房に置いてあった泡立て器とハンドミキサーを掴んで慌ててオールマン食堂にとんぼ返りした。
「さらっとしてるんか? それとももったりしてるんか?」
「クリームみたいにもったりしてます」
「よっしゃ、順番にやってみよか。まず全卵で卵に油から混ぜた奴と……」
トライアンドエラー!!
そうか、この人自力で蕎麦打ちを不完全ながらやってた人だ!
根性だけは認められる!!
現状店長の仕事はそれほど忙しくはないので、俺の方は時々注文された品物を取り出したりするけども、泡立て器とハンドミキサーのおかげで何回かやっているうちにそれっぽいものができてきた!
卵黄と酢を混ぜ、味を調えるために塩を入れて、油を少しずつ入れる。これで作り方は間違いないみたいだ。一気に混ぜたらサラサラになってしまって、どうも分離してしまったらしい。だから、クリーム状にするには油が最後で少しずつ。
その後は味の試行錯誤で、最初作った物は酸っぱすぎたから酢を減らしたり、俺の記憶の中のマヨネーズを再現するために何度も味見を繰り返した。
そしてなんと、夜にはマヨネーズが出来上がったのだ!
ショーンさん凄い!!
「ショーンさん凄いです! 見直しました!」
「見直されたんか……これでも料理人の端くれやねん」
「味音痴やけどな」
横からアンナさんがツッコんでくる。
俺は外に行かなかったからはっきりわからなかったけど、今日のオールマン食堂は開店前に外に行列ができていたらしい。
昨日閉店後に来て食べられなかった人が、「今日こそは!」と待機していた。それは昨日の試食と営業で、評判が広まったということ。そして行列を見た人が「そんなに食べたいんか!? 入ってみよ!」と更に並ぶ。オーサカの人は流行に敏感らしい。
そして今日も昼過ぎには閉店させたから、間に合わなかった人たちが店の前まで来てがっかりしていたそうだ。
店頭試食も行列ができたそうで、掴みは上々らしい。なめろうもどきも評判がよかった。
明日の朝の行列がどうなっているかで今後が占えそうだ。
この店頭試食、オーサカだから通用した手であって、ハロンズではどうかわからない。オーサカは「タダほど高い物はない」と「タダほど安い物はない」の思想が両立している街だから。
俺は出来上がったばかりのマヨネーズを千切りキャベツの横にスプーンで盛って、その場にいた人たちに「食べてみてください!!」と勧めた。
みんなが食べている間に、アジを竜田揚げにして、揚げたてのアジタツタを切り分けたものも別の皿に載せて、マヨを添えて出す。
「なんやこれ! めっちゃうまいわ!」
「今までおとんが作った中で史上最高にうまいで!」
「自分は手ぇ動かしただけや。味はジョーはんが決めたんやから」
「うまーい!」
「ショーンさんを一生崇めます!」
「いやー照れるわー」
ものはついでと、俺はゆで卵を作ってピクルスを刻み、タルタルソースも作った。
これをさっきのアジタツタと一緒に出すとみんながどよめく。
「マヨネーズだけでも凄いのにそこからもう一段階あるん!?」
「魚のフライに本当に合うんですよ! ちょっとレベッカさん連れてきます」
もう時間が遅いから、レベッカさんは家にいるだろう。そう思って家に戻るとやはりレベッカさんが帰ってきていた。
「レベッカさん! 新しい調味料ができました!」
「オールマン食堂で!? 連れてって、今すぐ!」
「レベッカさんを呼びに来たんですよ、首絞めないで……」
レベッカさんに首を絞められたままなんとかドアを開き、オールマン食堂に戻る。
アンナさんが「レベッカはーん!」とレベッカさんに抱きついていた。
「新しい調味料ができたんですって!?」
「そうなんよ! うちのおとんとジョーはんが頑張ってなあ! えらいうまいで! レベッカはんも食べてみぃ!」
レベッカさんとアンナさん、いつの間にか仲良くなってるんだなあ。同類だからかな。
レベッカさんはアジタツタにタルタルを掛けたものを食べて、崩れ落ちていた。
リアクションが濃いな……。
「ジョー、結婚して」
「はっ!? 何言ってるんですか!?」
「一生付いてくわ、嫌と言われても付いてくわ」
「俺にはサーシャがいますので! というか、夫じゃなくても息子じゃなくても教えますから! 俺のわかる限りのことは!」
「これ、オールマン食堂独占? どうなの、アンナさん」
「食堂と商会でも売りたいと思いますけど、蜜蜂亭ならええで」
「蜜蜂亭で瓶ごと売るのも大丈夫?」
「そこ詰めましょか、そっちの席で」
なんか、俺を置き去りにして話がどんどん進んでいく……。
マヨに関しては、レシピ公開してもいいと思うんだよなあ。
今でも蜜蜂亭とオールマン食堂には十分な武器があるんだし。
「あのー、俺のお願いなんですが、例えば何年かは蜜蜂亭とオールマン食堂で独占にしても、その後は作り方を公開してもらえないでしょうか。美味しいものは広めたいんで」
「いいわよ」
「ええで。例え3年でも独占できたらえらい儲けになるわ」
「これ卵黄だけでしょ? 卵白が余るわよね。その卵白でメレンゲを作ったらいいと思うのよ。クッキーは卵黄だけだけど、シフォンケーキで卵黄が余るからそれを使えるし。メレンゲをガンガン作って、お土産用に売りましょ」
「ええですなあ。メレンゲってこないだのあれやろ? 茶菓子のカリカリした」
「そうそう、あれ美味しいのよねえ」
本当に俺を置き去りにして話が進んでいく。
ぽん、と肩を叩かれて振り向くと、悟りの境地に至ったようなショーンさんがいた。
「ああなったらおかんは止まらんで……いい嫁さんもろたわ」
「は、はぁ……」
「今日はもう遅くなったし、ジョーはんはレベッカはんと戻り。明日もまだあるし」
「そうですね。レベッカさん、もう遅いので帰りましょう」
「はい、決まり! 3年後にレシピ開示で、それまでは蜜蜂亭とオールマン食堂でマヨネーズ別々に作って売っていいって事に決まりね。オールマン商会でも販売するってことで」
「そうそう、それで、ベーコン工房と一緒にマヨ工房作って、そこでメレンゲも作ることになったわ」
「話早っ」
アンナさんとレベッカさんの話のまとめ方が凄い。まあ、俺が期限過ぎたらレシピ開示して欲しいって言ったせいもあると思うけど。
ハロンズじゃなくてオーサカに工房を作るのは、地価の問題だろうな。
そして俺はマヨを1瓶貰って、レベッカさんと一緒に帰宅した。
マヨを使った料理も教えないといけないけど、しばらくはオールマン食堂のことがあるから後回しだな。
翌朝のサラダにマヨが早速付いてきて、みんな新しい調味料に大喜びしていた。予測に過ぎないけど、コリンはマヨラーになりそうな気がする。
そして、新装オープン3日目のオールマン食堂。
行列が、凄い。
せっかちだというオーサカの人がこんなに行列を作るのは凄いことだ。
急遽試食は取りやめにして、明日から他のオールマン食堂でも同じメニューを出すことにした。
それを店頭でアナウンスしたけどあまり人は減らない。今食べたくて並んでるんだから仕方ないかな。
問題は、他のオールマン食堂で同じメニューを出しても1号店にお客さんがちゃんと来てくれるかなんだけども、数日で以前の評判を払拭したのかちゃんとそれ以降も人が入り続けた。
1週間様子を見て、これは大丈夫とショーンさんとアンナさんが確信を持てたらしいので、俺の特別ミッションは終了。
仕入れはたまに手伝うけど、元々オーサカは港だから、魚介類は入ってきやすいとサイモンさんが教えてくれた。ブリも好評だけど、アジや他の魚に徐々に入れ替えていく予定だそうだ。
1ヶ月後にはサイモンさんがハロンズに来てくれる約束になった。それまでに「オールマン商会」としてベーコン工房とマヨネーズ工房を作ることも正式決定。
蜜蜂亭で使うマヨネーズについては、蜜蜂亭で独自に作ることになった。そうするとちょっと味に違いが出るはずだから、人気の食い合いにはならないだろうというアンナさんとレベッカさんの作戦らしい。
なんだか、凄くいろいろすっきりしたな! 懸念材料のプリーストも確保できたし、サイモンさんが来てくれればサーシャが前衛として今以上にバリバリ活躍できる!
一度思ってしまったらもう駄目だった。
味噌とか他にも欲しい物はあるけども、パーグにある可能性が高い。
マヨだって、歴史の流れの中でいつか誰かが発明するだろう。
でもそれじゃ駄目だ!
俺は今マヨネーズが食べたい! 一生マヨネーズを我慢して生きていけるのか!? 答えは否だ!!
タルタルソースをアジのフライに掛けて思いっきり食べたい!!
――という発作を起こしたのが、新生オールマン食堂初日の夜だった。思わず眠れなくなった。
「おはようございます……」
翌朝目の下に寝不足で隈を作ってオールマン食堂へ行ったら、みんなにぎょっとした顔をされた。
「ジョーはん、どないしたん!? そんなに昨日疲れたんか!?」
店長のショーンさんが俺の顔を見てビビっている。いえ、と答えながら俺は思わずため息をついていた。
「俺が以前いた世界にマヨネーズという調味料がありまして、それが食べたくて食べたくて仕方なくなって眠れなくなったんです」
「ほな、作ろか」
「俺にも作り方がはっきりわからなくてですねえ! 作れたらこんなに思い悩んでないですよ……」
「材料とか手掛かりはないんか?」
「基本は卵と酢と油ってところまではわかるんですが、全卵なのか卵黄だけなのかとか、どういう順番で入れるかとか、そういうところがわからなくて」
「ほな、作ろか」
「だから軽く言わないでくださ……え?」
ショーンさんは厨房の空いている場所に卵と酢と油を並べていた。
この人、やる気だ!
「ちょっと待っててください、泡立て器とハンドミキサー取ってきます!」
絶対にあれは必要だ。俺はさっき出てきたハロンズの家に戻り、厨房に置いてあった泡立て器とハンドミキサーを掴んで慌ててオールマン食堂にとんぼ返りした。
「さらっとしてるんか? それとももったりしてるんか?」
「クリームみたいにもったりしてます」
「よっしゃ、順番にやってみよか。まず全卵で卵に油から混ぜた奴と……」
トライアンドエラー!!
そうか、この人自力で蕎麦打ちを不完全ながらやってた人だ!
根性だけは認められる!!
現状店長の仕事はそれほど忙しくはないので、俺の方は時々注文された品物を取り出したりするけども、泡立て器とハンドミキサーのおかげで何回かやっているうちにそれっぽいものができてきた!
卵黄と酢を混ぜ、味を調えるために塩を入れて、油を少しずつ入れる。これで作り方は間違いないみたいだ。一気に混ぜたらサラサラになってしまって、どうも分離してしまったらしい。だから、クリーム状にするには油が最後で少しずつ。
その後は味の試行錯誤で、最初作った物は酸っぱすぎたから酢を減らしたり、俺の記憶の中のマヨネーズを再現するために何度も味見を繰り返した。
そしてなんと、夜にはマヨネーズが出来上がったのだ!
ショーンさん凄い!!
「ショーンさん凄いです! 見直しました!」
「見直されたんか……これでも料理人の端くれやねん」
「味音痴やけどな」
横からアンナさんがツッコんでくる。
俺は外に行かなかったからはっきりわからなかったけど、今日のオールマン食堂は開店前に外に行列ができていたらしい。
昨日閉店後に来て食べられなかった人が、「今日こそは!」と待機していた。それは昨日の試食と営業で、評判が広まったということ。そして行列を見た人が「そんなに食べたいんか!? 入ってみよ!」と更に並ぶ。オーサカの人は流行に敏感らしい。
そして今日も昼過ぎには閉店させたから、間に合わなかった人たちが店の前まで来てがっかりしていたそうだ。
店頭試食も行列ができたそうで、掴みは上々らしい。なめろうもどきも評判がよかった。
明日の朝の行列がどうなっているかで今後が占えそうだ。
この店頭試食、オーサカだから通用した手であって、ハロンズではどうかわからない。オーサカは「タダほど高い物はない」と「タダほど安い物はない」の思想が両立している街だから。
俺は出来上がったばかりのマヨネーズを千切りキャベツの横にスプーンで盛って、その場にいた人たちに「食べてみてください!!」と勧めた。
みんなが食べている間に、アジを竜田揚げにして、揚げたてのアジタツタを切り分けたものも別の皿に載せて、マヨを添えて出す。
「なんやこれ! めっちゃうまいわ!」
「今までおとんが作った中で史上最高にうまいで!」
「自分は手ぇ動かしただけや。味はジョーはんが決めたんやから」
「うまーい!」
「ショーンさんを一生崇めます!」
「いやー照れるわー」
ものはついでと、俺はゆで卵を作ってピクルスを刻み、タルタルソースも作った。
これをさっきのアジタツタと一緒に出すとみんながどよめく。
「マヨネーズだけでも凄いのにそこからもう一段階あるん!?」
「魚のフライに本当に合うんですよ! ちょっとレベッカさん連れてきます」
もう時間が遅いから、レベッカさんは家にいるだろう。そう思って家に戻るとやはりレベッカさんが帰ってきていた。
「レベッカさん! 新しい調味料ができました!」
「オールマン食堂で!? 連れてって、今すぐ!」
「レベッカさんを呼びに来たんですよ、首絞めないで……」
レベッカさんに首を絞められたままなんとかドアを開き、オールマン食堂に戻る。
アンナさんが「レベッカはーん!」とレベッカさんに抱きついていた。
「新しい調味料ができたんですって!?」
「そうなんよ! うちのおとんとジョーはんが頑張ってなあ! えらいうまいで! レベッカはんも食べてみぃ!」
レベッカさんとアンナさん、いつの間にか仲良くなってるんだなあ。同類だからかな。
レベッカさんはアジタツタにタルタルを掛けたものを食べて、崩れ落ちていた。
リアクションが濃いな……。
「ジョー、結婚して」
「はっ!? 何言ってるんですか!?」
「一生付いてくわ、嫌と言われても付いてくわ」
「俺にはサーシャがいますので! というか、夫じゃなくても息子じゃなくても教えますから! 俺のわかる限りのことは!」
「これ、オールマン食堂独占? どうなの、アンナさん」
「食堂と商会でも売りたいと思いますけど、蜜蜂亭ならええで」
「蜜蜂亭で瓶ごと売るのも大丈夫?」
「そこ詰めましょか、そっちの席で」
なんか、俺を置き去りにして話がどんどん進んでいく……。
マヨに関しては、レシピ公開してもいいと思うんだよなあ。
今でも蜜蜂亭とオールマン食堂には十分な武器があるんだし。
「あのー、俺のお願いなんですが、例えば何年かは蜜蜂亭とオールマン食堂で独占にしても、その後は作り方を公開してもらえないでしょうか。美味しいものは広めたいんで」
「いいわよ」
「ええで。例え3年でも独占できたらえらい儲けになるわ」
「これ卵黄だけでしょ? 卵白が余るわよね。その卵白でメレンゲを作ったらいいと思うのよ。クッキーは卵黄だけだけど、シフォンケーキで卵黄が余るからそれを使えるし。メレンゲをガンガン作って、お土産用に売りましょ」
「ええですなあ。メレンゲってこないだのあれやろ? 茶菓子のカリカリした」
「そうそう、あれ美味しいのよねえ」
本当に俺を置き去りにして話が進んでいく。
ぽん、と肩を叩かれて振り向くと、悟りの境地に至ったようなショーンさんがいた。
「ああなったらおかんは止まらんで……いい嫁さんもろたわ」
「は、はぁ……」
「今日はもう遅くなったし、ジョーはんはレベッカはんと戻り。明日もまだあるし」
「そうですね。レベッカさん、もう遅いので帰りましょう」
「はい、決まり! 3年後にレシピ開示で、それまでは蜜蜂亭とオールマン食堂でマヨネーズ別々に作って売っていいって事に決まりね。オールマン商会でも販売するってことで」
「そうそう、それで、ベーコン工房と一緒にマヨ工房作って、そこでメレンゲも作ることになったわ」
「話早っ」
アンナさんとレベッカさんの話のまとめ方が凄い。まあ、俺が期限過ぎたらレシピ開示して欲しいって言ったせいもあると思うけど。
ハロンズじゃなくてオーサカに工房を作るのは、地価の問題だろうな。
そして俺はマヨを1瓶貰って、レベッカさんと一緒に帰宅した。
マヨを使った料理も教えないといけないけど、しばらくはオールマン食堂のことがあるから後回しだな。
翌朝のサラダにマヨが早速付いてきて、みんな新しい調味料に大喜びしていた。予測に過ぎないけど、コリンはマヨラーになりそうな気がする。
そして、新装オープン3日目のオールマン食堂。
行列が、凄い。
せっかちだというオーサカの人がこんなに行列を作るのは凄いことだ。
急遽試食は取りやめにして、明日から他のオールマン食堂でも同じメニューを出すことにした。
それを店頭でアナウンスしたけどあまり人は減らない。今食べたくて並んでるんだから仕方ないかな。
問題は、他のオールマン食堂で同じメニューを出しても1号店にお客さんがちゃんと来てくれるかなんだけども、数日で以前の評判を払拭したのかちゃんとそれ以降も人が入り続けた。
1週間様子を見て、これは大丈夫とショーンさんとアンナさんが確信を持てたらしいので、俺の特別ミッションは終了。
仕入れはたまに手伝うけど、元々オーサカは港だから、魚介類は入ってきやすいとサイモンさんが教えてくれた。ブリも好評だけど、アジや他の魚に徐々に入れ替えていく予定だそうだ。
1ヶ月後にはサイモンさんがハロンズに来てくれる約束になった。それまでに「オールマン商会」としてベーコン工房とマヨネーズ工房を作ることも正式決定。
蜜蜂亭で使うマヨネーズについては、蜜蜂亭で独自に作ることになった。そうするとちょっと味に違いが出るはずだから、人気の食い合いにはならないだろうというアンナさんとレベッカさんの作戦らしい。
なんだか、凄くいろいろすっきりしたな! 懸念材料のプリーストも確保できたし、サイモンさんが来てくれればサーシャが前衛として今以上にバリバリ活躍できる!
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