殴り聖女の彼女と、異世界転移の俺

加藤伊織

文字の大きさ
上 下
91 / 122
ハロンズ編

87 通りすがりのお節介

しおりを挟む
 ケルボにいた一週間の間、俺は周辺の村などを回って海産物を仕入れまくっておいた。
 もっと北にも行ってみたいけど、また今度だな。移動魔法でここまでは来られるんだし。
 ブリやハマチ以外にもアジやイワシなど、青魚も仕入れておく。
 
 そしてハロンズへと戻る日に、エレノアさんを宿場町まで送った後、サーシャの希望もあってレナのいる村へと行ってみた。
 村の入り口に移動したんだけど、村は以前来た時よりも活気づいていた。……というか、前回がちょっと異常事態過ぎただけだよな。

 子供の声がキャーキャーと楽しげに聞こえていたのでそちらに向かったら、大きな木の枝から白いハンモックのようなものが吊り下がっていて、子供たちがそれで遊んでいた。
 ハンモックというか、これは形はハンモックだけど使い方はブランコだな。
 色が白いのでもしやと思ったら、案の定それを揺らしているのはレナだ。

「レナさん!」
「あっ、聖女様!! と、お兄ちゃん」

 俺とサーシャの好感度の間に越えられない壁を感じたけど、それは構わない。レナが平穏に暮らせてればそれでいいんだ。
 レナはハンモックを揺らす手を止めてサーシャに駆け寄り、嬉しくてたまらないといった様子で抱きついた。

「元気そうで安心しました」
「子守をしてたの?」
「うん! 糸を出してハンモックを作ってね、みんなで遊んでたの」
「偉いね。ちょうどよかったよ、飴を作ってきたからみんなで食べて」

 俺はケルボで安めの砂糖を使って、干し果物を入れた飴を作っていた。べっこう飴の要領で砂糖を煮詰めて飴を作り、爪楊枝のように削った棒に刺した干し果物に飴を掛けて固めるだけ。サーシャの髪の毛の色のような金色の飴はキラキラしていて綺麗だ。

「飴? わあ、嬉しい!」

 子供のような笑顔でレナが飴を受け取り、大事そうに舐める。
 ハンモックで遊んでいた子供たちも次々に集まってきて、俺から飴を受け取って喜んでいた。

「干し果物が入ってる!」
「甘ーい!」

 子供たちは夢中になって、不格好な形の飴を舐めていた。ここまで喜んでもらえると作った甲斐がある。

「聖女様かい?」

 子供の歓声で気付いたのだろう、村人が俺たちに向かって手を振ってきた。

「この前はありがとう! レナが来てくれてからいろいろと助かってるよ。アニタさんにも会いに行ってやってくれないか?」
「はい、そちらも伺います!」

 俺は「飴に棒が刺さっているから、食べながら走ったりしないこと」と子供たちとレナに注意して、サーシャと一緒にアニタさんの家に向かった。

「こんにちは、アニタさん。サーシャです」
「聖女様!? こんな散らかってるところで申し訳ないけど入っておくれ」

 村長の大きな家の中では、大きなテーブルでアニタさんが事務仕事のようなことをしていた。広げた書類をまとめて場所を作り、俺とサーシャに座るように勧めてくれる。

「この村の出納帳だよ。村長代理から正式に村長になったんで、過去のこういう書類の中から不正を探しててね」

 うわ、何年遡らないといけないんだ? 聞くだけで大変そうだな……。

「前の村長さんは?」
「ああ、離婚して今は別の小さい家でひとりで暮らしてるよ。ひとりで何もかもやるから毎日ひーひー言ってるさ。いい薬だね」
「そ、それは……お話を聞いてた限りでは自業自得ですね……」
「急に生活が変わったりすると病気とかが心配ですね。お薬とかは足りてますか?」

 俺の言ったことに比べて、サーシャは気配りが違う!
 アニタさんは顔を綻ばせてサーシャを見つめた。

「薬は今のところ足りてるよ。この村のことを気に掛けてくれてありがとう」
「俺は移動魔法が使える空間魔法使いなんで、もし心許ない物とかがあったらすぐ買ってこられますよ。この辺りだと行商が来るのも大変でしょうし」
「へえ、移動魔法が! それじゃあ、お言葉に甘えて塩を買ってきて欲しいんだが、いいかね? これから猟が始まると保存肉を作るために塩がたくさん必要なんでね」
「塩ならフォーレで買い付けてきたのがたくさんありますよ。どのくらい必要ですか?」

 どん、と俺は塩の詰まった樽を出してみせる。アニタさんは驚いていたけれど、さっきのレナのような笑顔を浮かべた。ちょっと面影があって、やはり血縁なんだなあとそういうところで実感する。

「そうだ、アニタさんも飴いかがですか? さっきレナや子供たちに配ってきたんです。頭を使っている時にはいいんですよ」
「へえ、干しあんずの入った飴かい! 懐かしいね、ひとついただくよ。……レナが来てから子守とかをよくやってくれててね、本当に助かってるんだ。あの子は子供の扱いがうまいよ。寝泊まりはこの家でしていてね、あたしのことをおばあちゃんと呼んでくれるんだ」

 アニタさんの言葉に、俺は自然と笑みを浮かべていた。離婚した夫を追い出してここでレナと暮らすアニタさんの姿を想像すると微笑ましい。

「塩は……そうだねえ、10樽くらいあれば安心できるね。それと、酢も5樽くらいあれば」
「塩10樽に酢が5樽ですね。ちょっと手持ちでは足りないので買ってきます」
「えっ、わざわざそんな!」
「移動魔法があるので」
「そうだったね! 本当に便利で羨ましいよ。金なら今年は歴代ジジイのちょろまかしてた分があるから余ってるんだよ。ついでに砂糖も1樽お願いしていいかい」
「わかりました、行ってきます」

 サーシャとアニタさんをその場に残して、俺はフォーレに戻り市場で塩を買い込んだ。塩は海の近くのこの街が今までで一番安かったから。そこからネージュのクエリー商会に移動して砂糖と酢を多めに仕入れる。理由はよくわからないけど、ハロンズよりこっちの方が若干安い。量を買うと差額が意外に響いてくるし。
 その時に俺の顔を覚えていた店員さんから聞いたところによると、ルゴシ・クエリーさんのベーコン工房が本格的に稼働し始めてベーコンが出回り始めているらしい。
 おっふ……そっちも行っておかないとな。

 ベーコン工房の土地と建物は俺の名義だ。それをクエリーさんに貸し出してベーコン工房を運営してもらってる。
 そっちにも転移すると、ちょうどその場にいたクエリーさんが突然現れた俺に驚いて転びかけていた。

「ジョーくんじゃないか! いいところに来てくれたよ!」
「ベーコン工房の完成と運営開始おめでとうございます! ベーコンください!」
「あいよ、出荷は完全にこっちの都合でやってるから、好きなだけ持って行くといいよ。それと、まだ大猪ビツグワイルドボアの肉が余ってたら欲しいんだが」
「大量にありますよ。足りなくなったらハロンズ近くでも狩り場があるらしいですし。中の作業場で出しますね」
「半月に一度くらい来てもらえるとありがたいんだが。肉の補充に」
「わかりました。肉はタダで渡すので、できたベーコンは1/3くらいください。ハロンズでもレベッカさんが使いたがっていますし」
「肉の仕入れがタダなのは助かるよ。今のところ、出せばすぐ完売という状態だし、従業員の給料などの経費を差し引いても凄く儲かってるからね。カンガ辺りにふたつ目の工房を作ろうと思ってるんだ」
「それはいいですね! 大街道からも近いですし、大猪とはまた違う豚のハムとかが作れるようになりそうです」

 お互いに凄い勢いで喋りつつ、俺は中の巨大な作業台に大猪の肉をドンと出した。従業員さんたちは驚いていたけど、クエリーさんから俺のことは聞いているのだろう。騒いだりせずにすぐさま肉の切り分けをして塩漬けと流れるように作業が進んでいく。

「じゃあ、また来ます! 今お使いの途中なので、今度ゆっくりお話を聞かせてください」
「変わりなさそうでよかったよ。じゃあ、また」

 俺は30個ほどのベーコンを魔法収納空間に入れ、今度こそアニタさんのところへ戻った。
 家の隣に倉庫があるというので、そこに買ってきた塩と砂糖と酢の樽を置く。
 かかった金額を正直に言ったら、いつも買っている物より安かったらしくて驚かれた。これは近隣で買うと輸送費が値段に上乗せされてるんだろうなあ。こういう調味料は重いし、作ってる街で買うより高くなるのは当たり前だろう。

 多めの金額を渡そうとするアニタさんに、それは違いますと俺は馬鹿正直に答えた。

「前回のサーシャの行動が『通りすがりのお節介』だったように、今回俺がしたこともただのお節介です。お金が浮いたのは俺も驚きましたけど、考えてみれば輸送にかかるお金が浮いてるから当たり前ですね。そのお金は次回の仕入れに回してください。……あ、もし本当に結構お金に余裕があるなら、砂糖をもう1樽買いませんか? さっきレナたちが飴を凄く喜んでたので」
「ああ、そうだね! すっかり節約に慣れきってたけど、子供も大人も飴をひとつ口に放り込んでやればおとなしくなるもんさ。砂糖をもう1樽買おうか」
「はい、これは余分に仕入れてた分なので値段は同じです」

 倉庫に砂糖の樽をもうひとつ出す。それでちょうど最初の想定していた予算に近くなったらしく、アニタさんは晴れ晴れとした笑顔を浮かべた。

「それと、これは個人的にお土産です。ネージュの工房で作ってもらってるベーコンです」

 母屋に戻ってからテーブルの上に布でくるんだベーコンを出すと、アニタさんが肉の塊にとても驚いていた。それをフォローするようにサーシャが説明してくれる。
 
「大猪の肉を使った燻製で、ジョーさんがうんと美味しく作ってくれたんですよ。それをもっとたくさん作りたいので工房を作ったりして。ふふふ」
「もっと食べたいのはサーシャもだよね」
「だって、美味しいじゃないですか! そのまま食べても美味しいし、薄く切ってカリカリに焼いても美味しいし、細かく切って麦粥に入れても美味しくて!」
「へええ、大猪の肉の燻製ねえ! うちの村でも作れたらいい収入になるんだろうねえ」
「それは……そうですね。でも結構香辛料を使うので最初にお金が掛かりますし、ここからだと周りの街に売るのがちょっと大変かもしれません」

 ベーコンがハロンズで馬鹿売れしてるのは、まず蜜蜂亭で料理として出したからだ。肉屋の店頭にいきなりこれがあっても爆発的には売れないだろう。
 ここに工房を作って俺が輸送を担う手もあるけど、「俺がいないと立ちゆかない」ものはできればやりたくない。その後の影響が厳しいから。ベーコン工房に関しては軌道に乗るまでは俺の責任だとは思っている。

「この村の収入源はどういうものですか?」

 爽やかな香りのお茶を飲みながらさりげなくサーシャが尋ねる。

「山で取れる山菜や動物の肉を売ったり、織物を売ったりだねえ。この辺りに生えている草の茎を加工して糸にして布に織ると、手間はちょっと掛かるが安くて丈夫な布になるんだよ。ほら、あたしが今着てるのもその布さ。夏は特に涼しくていいね」
「へええ、これが!」

 材料から名前をとってスティレア織りというその布は、麻に近い感じに見える。
 でも夏は特に涼しくていいって事は冬向きじゃないんだろうなあ。織物としても高級そうには見えないし。

「これってお金になるんですか?」

 ド直球に聞いてみたら、アニタさんは苦笑いをした。

「うちの村の主な収入源ではあるよ。なにせ、原材料のスティレアは育てる手間いらずで勝手にボコボコ生えるからね。山に入って好きなだけ取ってくりゃいいから後は手間賃だけでいいのさ。この辺りの地域では案外広まってるもんだよ。ただ、なまじ丈夫なもんでそうそう入れ替わりがないのが問題かねえ。かといって不良品を出すわけにはいかないし」
「なかなか大変ですね……。俺に何ができるって事はないんですけど、ハロンズに布に詳しい友達がいるので少し買わせてください」

 ソニアが喜ぶかなと思って、俺は布を1巻き売ってもらった。
 それをお土産にして、アニタさんの家を辞す。飴は全部「子供たちに」とアニタさんのところに置いてきた。

 レナとキールにも別れの挨拶をして、移動魔法のドアを出す。
 それはハロンズの家に繋がっている。
 これをくぐると、一月近く掛けた旅もとうとうお終いだ。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!

暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい! 政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

二度目の召喚なんて、聞いてません!

みん
恋愛
私─神咲志乃は4年前の夏、たまたま学校の図書室に居た3人と共に異世界へと召喚されてしまった。 その異世界で淡い恋をした。それでも、志乃は義務を果たすと居残ると言う他の3人とは別れ、1人日本へと還った。 それから4年が経ったある日。何故かまた、異世界へと召喚されてしまう。「何で!?」 ❋相変わらずのゆるふわ設定と、メンタルは豆腐並みなので、軽い気持ちで読んでいただけると助かります。 ❋気を付けてはいますが、誤字が多いかもしれません。 ❋他視点の話があります。

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~

紅月シン
ファンタジー
 聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。  いや嘘だ。  本当は不満でいっぱいだった。  食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。  だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。  しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。  そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。  二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。  だが彼女は知らなかった。  三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。  知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。 ※完結しました。 ※小説家になろう様にも投稿しています

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-

ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。 断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。 彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。 通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。 お惣菜お安いですよ?いかがです? 物語はまったり、のんびりと進みます。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...