殴り聖女の彼女と、異世界転移の俺

加藤伊織

文字の大きさ
上 下
82 / 122
ハロンズ編

78 天才にしかわからない天才は変人と変わらない

しおりを挟む
 一連の儀式を終えて、俺たちはサーシャに宛がわれた控え室で休んでいた。
 サーシャは口を薄く開いてソファに沈んだまま虚空を見つめていた。凄くシュールな絵面だ。

「死にそうでした……まさか女神像の横に立たされるなんて」
「サーシャ、お疲れ様」
「打ち合わせでは総大主教猊下の横に立つはずだったのに」
「サーシャ、お疲れ様」
「あんな高い場所から人を見下ろして……人も凄くたくさんいて、あり得ないです……あり得ない……」
「サーシャ、お疲れ様」

 俺とソニアとレヴィさんは、魂が抜けているサーシャの延々と繰り返される愚痴に交互にお疲れ様と返していた。

「はぁぁぁぁ……」

 肺の底からの深い深いため息。本当にサーシャはかなり参ったみたいだ。

「はちみつレモン水、飲む?」
「飲みます」
「炭酸割の方がいい?」
「いえ、普通のお水でお願いします」

 心が疲れたときには肉か甘いものだよな。この場で肉と言うのはサーシャ的には酷だろうから、俺はレベッカさんの作ったはちみつレモンと水とジョッキを出して、がぶ飲みできる位の濃度ではちみつレモン水を作った。

 それをサーシャが飲んでいる間に、俺たちはぼそぼそとさっきの儀式を振り返っていた。

「思ったよりも人が多かったですね」
「招待客というのかしら、プリーストと、おそらく今回の『聖女のお披露目』に立ち会える程度の貴族がいたみたいよね。プリーストという立場であの場にいたならそんなに派手な服は着ないでしょうっていう人が割といたわ」
「扉の外も人がみっしりといたしな……」

 俺たちは「聖女万歳」を受け止める側だから、「サーシャ歓迎されてる、嬉しい!」なんて気楽にはなれなかった。むしろ聖女という肩書きの、その重さを感じている。
 レベッカさんの言った通りだ。サーシャは迂闊な扱いができる存在ではなく、そのパーティーメンバーである俺たちも品位ある行動が求められるだろう。貴族のタウンハウスの中に住んでいても、文句を言われることはないはず。
 神殿の人も、最初にここでサーシャがお化粧をされている間に住所について話したら「なかなか良いところに住まいを選ばれましたね」って笑顔でいたし、分不相応ってことはないみたいだ。

 その時、ドアがノックされて、サーシャは慌ててジョッキをテーブルに置いてびしりと座り直した。

「テイオです。入ってもよろしいかな?」
「総大主教猊下! は、はい、どうぞ!」

 まさかのまさかで、総大主教猊下がやってきた。
 レヴィさんがドアを開けに行くと、白い服に身を包んだ初老の男性がゆっくりと部屋に入ってきた。その後ろには背の高い男性と、少年がいる。

「聖女に労いの言葉をと思いましてな。それと、紹介したい人物がいるのでお連れしました」
「ご足労いただきありがとうございます。つつがなくご挨拶を終え、寛がせていただいたところです」

 サーシャは流れるような動作で立ち上がると、テイオ猊下に深くお辞儀をした。
 うん、優雅で可憐だ。さすがサーシャ。
 さっきの口が半開きになってたのはたまの愛嬌ということで。

「実に立派な立ち居振る舞いでしたぞ。ネージュで聖女が誕生したという話はもちろん届いていましたが、これでハロンズの民、いや、ヤフォーネ王国全ての民に聖女の存在を知らしめられたでしょう」
  
 テトゥーコ神殿の実質的トップ、テイオ総大主教猊下は常ににこやかだ。多分内側まで真っ白って訳じゃないと思う。さっきも打ち合わせにないことでサーシャを慌てさせたし。

「未だ修行途中の未熟な身でございます。これからも総大主教猊下にはお導きを賜りますよう」
「ははは、聖女が未熟とは何を仰る。貴女は僅か15歳で上位聖魔法を習得した逸材と、フォーレ教会からも以前に報告が上がっていたのですよ」
「そ、そうなんですか」

 裏返り気味の声のサーシャは相当動揺しているようだ。その時、テイオ猊下の後ろにいる黒い礼服を着た男性が、猊下の服をくいくいと引っ張ったのが見えた。
 レヴィさんよりも少し背が高いだろうか。少し癖のある金髪を束ねた眼鏡の男性だ。

「猊下、僕を早く紹介してもらえませんか」
「教授、こういう時は少しくらい待てよ」

 その男性を、連れらしき少年がなんとか抑えようとしている。
 あれ、このやりとりはなんだか既視感があるぞ。

「ああ、申し訳ない。聖女サーシャ、こちらはリンゼイ・レッドモンド男爵とルイ・ウォルトン伯爵令息です。レッドモンド男爵は我が国最高の頭脳と称され、国立大学院で魔法学を研究していらっしゃいます。我が神殿の上位聖魔法を扱うプリーストにして、4属性魔法をも操るまさに国内最高の魔法使いですよ」
「よっ……!?」

 俺たち4人はテイオ猊下の紹介に、同時に息を飲んだ。
 4属性魔法に上位聖魔法!? そんなのありなのか!?
 上位聖魔法は修行さえすれば誰でもってサーシャが前に言ってた気がするけど、確か魔法の素質って先天的なものだよな。4属性魔法を持っていてさらに上位聖魔法を習得したなんて、本当に天才かただの魔法オタクかのどっちかだ。

「4属性魔法って、空間魔法よりも使い手は少ないと聞きましたが」

 俺は驚きに目を見開いて、笑顔を浮かべているレッドモンド男爵を見つめた。

「僕は後天的な4属性魔法使いなんだ。元は水と風の2属性だったんだよ」
「後天的!? そんなことありなの!?」

 ソニアが驚きのあまり大きい声を出し、「しまった」という顔で口を覆っている。

「うん。それはね、話すと長くなるんだけど、僕はまず自分の扱う水魔法と風魔法の魔法式というものを割り出したんだよ。それを解析し属性を反転させることで逆属性の魔法式を編み出しそれを使って火魔法と土魔法を発動することに成功した。その魔法式というものなんだけど……」
「待て、待てってば教授。誰も追いついてないだろ、見ろよ周囲を!」

 息継ぎなしのマシンガントークを始めた「教授」を、伯爵令息と紹介された少年が止めている。
 間違いない、聖女万歳の中で聞こえた「興味深い」と「黙ってろ」の声の主だ。

「あの、さっき俺の後ろにいませんでしたか?」

 尋ねてみると、艶やかな黒髪の少年がああ、と頷く。

「そういえばあんた、変わった生き物抱えて立ってたな」
「そうだよ! あの生き物はなんだい? いまもこの部屋にいるのかな? どれどれ? おおおおお! いたよ、ルイくん! 面白い、僕が今まで図鑑の中でも見たことがない生き物だ! 小熊のような体型に白と黒の体毛……もしやこれは、女神テトゥーコの聖獣パンダでは!?」

 ルイという少年の一言で、教授が暴走した。少年の制止の手も振り切って部屋を歩き回り、サーシャが座っていたソファの影でパンダ団子をもぐもぐしていたテンテンを見つけてはしゃぎ回っている。テンテンの方は驚いてビクリとしていた。
  
「おいぃ! そういうとこだぞ、教授! 少しはおとなしくできねえのかよ!」
「そういうルイくんだって言葉を直していないじゃないか」
「ああ言えばこうかよ! 悪かったな、育ちが悪いもんでよ!」
「……まあ、我が国最高の頭脳……ですよ。彼のたっての頼みで紹介したのだが」

 すっかり状況に置いて行かれたテイオ猊下が苦笑いを浮かべている。
 
 凄い。
 レッドモンド教授という人の圧が凄い。
 ひとつの神殿のトップを前にして全く気にしない肝の据わり方というか、なんというか。ルイという少年の言う通り周囲が見えていないだけなんだろうけど。

「はい、パンダです。よくご存じでいらっしゃいますね」

 サーシャがやや引き気味に返事を返すと、その一言に教授の顔がパァァァ! と輝いた。

「そうか! やはりパンダか! 今食べているのはなんだい? 人間にも食べられる物なのかな? 僕も食べてみていいだろうか?」
「待て、待て、待て!」

 テンテンの側に座り込んだ教授の襟首をルイが掴んだ。教授はジタバタともがいている。
 うーん、男爵と伯爵令息って紹介されたけど、どういう関係性なんだろう。傍から見ていると、暴走科学者とそのストッパーにしか見えない。

「猊下、申し訳ありません。この調子ですので……」

 ルイの年齢は俺より少し下だろうか。でも俺の100倍くらい苦労した顔をして、テイオ猊下に頭を下げている。それに対して猊下は鷹揚に手を振ってなんでもないと応えた。

「なあに、いつもの教授でしょう。それでは私は戻らせていただきます。我が姉妹サーシャ、今後は今日のように格式張った形ではなく、気軽に足を運ばれよ。私も時間のあるときには顔を出させていただこう」
「ご厚意ありがとうございます。テトゥーコ様のお姿を拝見しにまた伺います」
「教授、俺たちも帰るぞ!」
「ええっ!? まだ聖女から何も話を聞いてないよ!」
「その聖女様が今は疲れてるだろうが! 周りを見ろって言ってんだろ!! 今日は紹介だけって無理矢理猊下に頼んだんだ。また後日ってのもあるだろ!」

 物凄い剣幕でルイが叱っているけども、教授はちょっと不満そうに唇を尖らせただけだった。きっとこれ、叱られ慣れてるんだ……。

 なんだろう、凄くヤバい人物に遭遇した気がする。
 そして、ほんの少ししか見ていないけど、ルイは本当にお疲れ様だと思う。周囲も見えてるし、サーシャが疲れているのも見抜いていた。その上で暴走しっぱなしの教授を必死に制御している。

「仕方ないなあ……じゃあ今日のところはこれでお暇しよう。次に会ったときにはどうやって聖女になったかとか、必ず聞かせて欲しい! よろしく!!」
「ひゃっ!?」
「ほら、帰るぞ! 邪魔したな、悪い!」

 ルイにずるずると引きずられて教授が退室していった。
 嵐が過ぎ去った部屋で、俺たちは彼らが消えたドアを呆然と見遣ることしかできない。

「どうやって聖女になったか……ううう……それは言いたくない……言いたくないです」

 今日最大の精神的負荷を掛けられたらしいサーシャが、バタリとソファーに倒れ込んだ。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!

暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい! 政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

異世界に来たからといってヒロインとは限らない

あろまりん
ファンタジー
※ようやく修正終わりました!加筆&纏めたため、26~50までは欠番とします(笑)これ以降の番号振り直すなんて無理! ごめんなさい、変な番号降ってますが、内容は繋がってますから許してください!!!※ ファンタジー小説大賞結果発表!!! \9位/ ٩( 'ω' )و \奨励賞/ (嬉しかったので自慢します) 書籍化は考えていま…いな…してみたく…したいな…(ゲフンゲフン) 変わらず応援して頂ければと思います。よろしくお願いします! (誰かイラスト化してくれる人いませんか?)←他力本願 ※誤字脱字報告につきましては、返信等一切しませんのでご了承ください。しかるべき時期に手直しいたします。      * * * やってきました、異世界。 学生の頃は楽しく読みました、ラノベ。 いえ、今でも懐かしく読んでます。 好きですよ?異世界転移&転生モノ。 だからといって自分もそうなるなんて考えませんよね? 『ラッキー』と思うか『アンラッキー』と思うか。 実際来てみれば、乙女ゲームもかくやと思う世界。 でもね、誰もがヒロインになる訳じゃないんですよ、ホント。 モブキャラの方が楽しみは多いかもしれないよ? 帰る方法を探して四苦八苦? はてさて帰る事ができるかな… アラフォー女のドタバタ劇…?かな…? *********************** 基本、ノリと勢いで書いてます。 どこかで見たような展開かも知れません。 暇つぶしに書いている作品なので、多くは望まないでくださると嬉しいです。

二度目の召喚なんて、聞いてません!

みん
恋愛
私─神咲志乃は4年前の夏、たまたま学校の図書室に居た3人と共に異世界へと召喚されてしまった。 その異世界で淡い恋をした。それでも、志乃は義務を果たすと居残ると言う他の3人とは別れ、1人日本へと還った。 それから4年が経ったある日。何故かまた、異世界へと召喚されてしまう。「何で!?」 ❋相変わらずのゆるふわ設定と、メンタルは豆腐並みなので、軽い気持ちで読んでいただけると助かります。 ❋気を付けてはいますが、誤字が多いかもしれません。 ❋他視点の話があります。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-

ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。 断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。 彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。 通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。 お惣菜お安いですよ?いかがです? 物語はまったり、のんびりと進みます。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

群青の軌跡

花影
ファンタジー
ルークとオリガを主人公とした「群青の空の下で」の外伝。2人の過去や本編のその後……基本ほのぼのとした日常プラスちょっとした事件を描いていきます。 『第1章ルークの物語』後にタランテラの悪夢と呼ばれる内乱が終結し、ルークは恋人のオリガを伴い故郷のアジュガで10日間の休暇を過ごすことになった。家族や幼馴染に歓迎されるも、町長のクラインにはあからさまな敵意を向けられる。軋轢の発端となったルークの過去の物語。 『第2章オリガの物語』即位式を半月後に控え、忙しくも充実した毎日を送っていたオリガは2カ月ぶりに恋人のルークと再会する。小さな恋を育みだしたコリンシアとティムに複雑な思いを抱いていたが、ルークの一言で見守っていこうと決意する。 『第3章2人の物語』内乱終結から2年。平和を謳歌する中、カルネイロ商会の残党による陰謀が発覚する。狙われたゲオルグの身代わりで敵地に乗り込んだルークはそこで思わぬ再会をする。 『第4章夫婦の物語』ルークとオリガが結婚して1年。忙しいながらも公私共に充実した生活を送っていた2人がアジュガに帰郷すると驚きの事実が判明する。一方、ルークの領主就任で発展していくアジュガとミステル。それを羨む者により、喜びに沸くビレア家に思いがけない不幸が降りかかる。 『第5章家族の物語』皇子誕生の祝賀に沸く皇都で開催された夏至祭でティムが華々しく活躍した一方で、そんな彼に嫉妬したレオナルトが事件を起こしてミムラス家から勘当さる。そんな彼を雷光隊で預かることになったが、激化したミムラス家でのお家騒動にルーク達も否応なしに巻き込まれていく。「小さな恋の行方」のネタバレを含みますので、未読の方はご注意下さい。 『第6章親子の物語』エルニアの内乱鎮圧に助力して無事に帰国したルークは、穏やかな生活を取り戻していた。しかし、ミムラス家からあらぬ疑いで訴えられてしまう。 小説家になろう、カクヨムでも掲載

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~

紅月シン
ファンタジー
 聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。  いや嘘だ。  本当は不満でいっぱいだった。  食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。  だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。  しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。  そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。  二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。  だが彼女は知らなかった。  三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。  知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。 ※完結しました。 ※小説家になろう様にも投稿しています

処理中です...