殴り聖女の彼女と、異世界転移の俺

加藤伊織

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ネージュ編

56 旅立ちへのはなむけ

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 1週間後に控えた出立に向けて、俺たちはネージュの郊外にある牧場にやってきていた。
 乗馬の練習には練習用のおとなしい馬を使うらしい。
 馬は敏い動物だ。人間の気持ちを敏感に感じ取る。
 乗り手が恐れれば馬鹿にされる。俺も子供の頃、何度牧場で馬に馬鹿にされたことか……。

 怖がっていないし友好的であるという態度を一切崩さずに馬に接すれば、余程気性の荒い馬でない限りは問題ない。
 だからこそ、最初の練習は乗り手が馬を恐れることがないようにおとなしい馬を使うのだ。

 俺とソニアはそれぞれ乗馬の練習をし、初日は自分で手綱を持って速歩はやあしで走る馬の鞍上で立ったり座ったりするところまで進むことができた。
 一週間で、駈足かけあしの乗り方までを学んで、自分の馬で実際にできるようにするらしい。

 進み方が早いのかどうなのかよくわからん……。とりあえず、足腰を鍛えてる自信はあったのに、使ってる筋肉が違うらしくて内股がブルブルする。
 ソニアなんかは完全に生まれたての子鹿みたいになっていて、サーシャに回復魔法を掛けられていた。

「駈足の時に、無理に座り続けようとしないで自然と体を上下させるといいですよ」
「う、うん、わかった」

 サーシャの助言は心に刻んでおこう。
 明日筋肉痛になってそうだ……。

 そういえば、ここで気付いたことがあった。
 俺もかなり動物好きで好かれる自信があったんだけど、サーシャは桁違いに動物に好かれる。癒やしオーラが出てるんだろう。
 あと、レヴィさんも好かれる。さすが山男。
 ソニアは普通。アーノルドさんは実は動物に凄く嫌われやすい。初対面で全身モフられて以来クロは近づこうとはしないし、テンテンからも無視されている。……あの人、絡みがウザいからな……。
 

 そして、ここのところ夕食は決まって蜜蜂亭で食事となっていた。
 理由は、俺が知っているレシピをレベッカさんに伝えるためだ。

 今日はペシャメルソース――いわゆるホワイトソース。
 聞いてみたらレベッカさんが知らなかったので、教えることになった。
 これがあると、一気にいろんな料理が増えるよな。

「肉や野菜に掛けてオーブンで焼くのもいいですし、シチューに入れてとろみを付けることもできます。俺の住んでいたところでは、このソースを入れたシチューをクリームシチューと言いましたよ」

 そう、こっちに来て驚いたのは、シチューがただのスープだったことだ。肉と野菜の入った具材の大きいスープ。とろみがほとんどないやつ。
 そんなことを暢気に思い出していたら、隣のレベッカさんがとんでもなく低い声で俺の名を呼んだ。
    
「……ジョー」
「な、なんでしょう」

 ビリビリとした圧をレベッカさんから感じる。
 何か怒らせるようなこと言っちゃったかな?

「私もハロンズに行くわ。あなた絶対もっと知識を隠してるもの。いつも『そういえばこんなものもありました』って出してくるじゃない!」
「え、レベッカさんが、ハロンズに……?」
「蜜蜂亭でハロンズに殴り込みよ! あっちに着いたら移動魔法で迎えに来てちょうだい。副店長のアニーにこっちは任せられるから、ドーイ神殿に連絡して連携をとって先に従業員を増やして教育を始めて……」

 ――あ、駄目だこれ。
 俺は唐突に悟った。
 知識の鬼と化したレベッカさんは、俺が彼女にとって目新しい料理のヒントを出せる間は解放するつもりがないんだ……。

 ……まあ、いいか。頼りになる大人は周りにいた方がいいしな。
 レベッカさんならアウェイな土地でもその豪腕で切り拓いていくだろう。
  
 軽く焼いた鶏肉とマッシュポテトを金属製の器に入れてペシャメルソースを掛け、上にチーズを削ってから薪オーブンへ。
 ソースの表面が薄いキツネ色に焼け、焼けてできた皮の下がぐつぐつと煮立っているのを見て、レベッカさんも「はわ……」とか言っている。
 
 ひとつの皿は俺たちのテーブルへ。そしてもうひとつの皿は、レベッカさんたち蜜蜂亭の人のため。
 見たことのない料理を前にして、みんながキラキラした目を皿に向けていた。

「ジョーさん、これはなんというお料理なんですか?」

 フォークを既に握って待ちきれないという顔をしながらも、サーシャが尋ねてくる。
 これの名前……名前?
 グラタン? でもマカロニ入ってないしな……。いや、「マカロニグラタン」ってわざわざ言うくらいだから、マカロニが入っていないグラタンも存在するのか?
 ご飯を使ったらドリアだし……。

 哲学に浸りかけた俺を、サーシャの熱い視線が引き戻す。

「えっと……多分、グラタン」
「グラタン……!」
「熱いうちに食べようか。せっかくだし」

 待ち遠しそうな顔をしているサーシャが可愛くて、つい俺の顔も緩む。
 次々にフォークが鉄皿に伸び、そこで微妙に全員が戸惑った。
 
「これ、凄く熱くない?」

 ハッとしたように言うソニア。いや、見ただけで熱いのはわかるだろう……。

「熱いよ。だから小皿使って取り分けて、吹き冷まして食べた方がいい。あと、中はとろとろだけど表面の焦げたところも違う感じで美味しいよ」
「ジョーは天才だな」

 レヴィさんも褒める天才だと思う!

 俺たちはそれぞれの小皿にグラタンを取り分けて、ペシャメルソースを絡ませた鶏肉をフーフー言いながら吹き冷まして食べた。
 鉄板の上でカリッと焼けた鶏肉の食感に、とろりとしたペシャメルソースが絡む。バターと牛乳の濃厚な風味が口の中で広がった。ああ、懐かしい味だな……。
 
「まろやかで、とっても優しい味ですね」

 一部がいい具合に焦げたマッシュポテトをペシャメルソースと混ぜて、サーシャが嬉しそうに口に運ぶ。
 うん、この笑顔だよな。
 俺はもしかしたらサーシャに出会わなかったら、冒険者じゃなくて料理人をやってたかもしれない。
 でもそうしたら、この笑顔を見ることはできなかったんだろう。

 美味しいものを食べると、和やかな気持ちになれる。
 ネージュでの残り少ない日々を、俺たちはたくさんの笑顔と共に送っていた。

 
 エリクさんにはニジマスのムニエルを振る舞ったときにネージュを去ることは伝えたけども、明日出発という日に俺たちは改めて冒険者ギルドを訪れていた。
 レヴィさんの移籍は既に済んでいて、今日は本当に挨拶だけ。
 エリクさんは複雑な表情で俺たちを迎え、ぐちぐちと文句を言い始めた。

「ヘイズがあんなことをしでかした上に今度はジョーがハロンズへ行くとか……。困るぞ、うちの支部的には。これだけ大規模なのに空間魔法使いが誰もいなくなるなんて」
「連絡をくれれば戻ってきます! 移動魔法を習得してますし」
「週に一度は戻ってきてくれ。次回大規模討伐とかがあったら、本気で困る!
 ――それと、これは俺からソニアに餞別だ」
「また剣ですか?」

 以前、「風魔法使いなのにシミターを渡された」経験があるソニアは警戒気味だった。
 でも聞いた話では、あれがサブカハのタンバー神殿以外でも役に立ったらしいんだよな。
 エリクさんが差し出したのは、年季の入っているように見える、見覚えのある杖だった。
 
「いや、俺の杖だ」
「中古品をくれる神経……」
「意味があるんだよ! 俺は土と風の2属性だろう? 本来火と水、そして風と土は反対属性で反発しあう。2属性魔法使いの中でも、反対属性同士の魔法を持つ者は極めて稀だ。ここまでは知ってるな?」
「いえ、初めて聞きました」

 基本の復習のつもりで問いかけたエリクさんに、残念な答えをきっぱりと返すソニア。
 
「お前、本当に魔法について何も勉強してこなかったんだな……」 

 がくりと項垂れるエリクさんがかなり不憫だ。
 ソニアは幼い頃から魔法を感覚的に使えていたらしいから、特に勉強しようと思わなかったのかもしれない。
 典型的な天才型だな。才能だけは凄いんだよな、本当に……。

「いろいろ説明を端折るが、つまり俺はお互いに反発し、抑圧しあう2つの属性を使い続けてきた。そして、この杖には風魔法と土魔法が染みついている」
「染みついて……えっ、いらな……」
「人の話は最後まで聞けよお前ー! つまりだ! 魔法制御が史上最悪なお前でも、この杖を使えば土魔法の助けを借りて多少風魔法を制御しやすくなるということなんだよ! わかったか!」
「待って!? 凄い杖じゃないですか! どうして最初にくれなかったんです!?」
「馬鹿かお前! そう簡単に手放せるもんか!」
「じゃあ何故今更!」
「俺はもう現役冒険者じゃないし、針に糸を通すレベルの緻密な魔法制御は身につけている。だが! お前の魔法はただの危険物! ここにいるうちは良かったが、余所で迷惑を起こして『エリクの弟子』って俺の悪評が立ったら困るんだよ! 特にハロンズだろ!? あそこは面倒なところなんだ! すぐネージュ支部のことをつついてくる!」

 ソニアに杖を押しつけ、エリクさんは頭を掻きむしった……。
 なんて、切実なんだ。

「聞いてるだけで俺まで涙が出そうになってきた……」
「エリクさん、心労で倒れないといいですね」

 俺とサーシャは並んで虚ろな目をしながら師匠と弟子のやりとりを見ていた。

「訓練場で試し打ちをしていけ。多分、少しコツがいるからな」
「えええ、面倒ー」
「お前の悪い方の武勇伝、既に轟いてるからな!? ファーブ鉱山で竜巻暴走させて危うく鉱夫を巻き込むところだったって?」
「わかりました! やってきます!」

 半ばやけくそのようにソニアが訓練場に向かう。エリクさんは別の杖を取り出し、土魔法で以前のように的を作った。但し、今回はソニアからかなりの距離がある。

「《旋風斬ウインドカツター》で当ててみろ」
「わかりました。《旋風斬ウインドカツター》! ……あら? 出ない……な、なにこれ、凄く魔力を押さえつけられてるみたい!」
「……なんでだ?」
「制御云々の前に、魔法使えません!」

 師匠と弟子が揃って首を傾げている。
 こ、これはかなりの大惨事の予感!

「もう一度、《旋風斬ウインドカツター》!」

 2発目の《旋風斬ウインドカツター》はなんとか出たが、空気の歪みはヘロヘロと進み、的に当たる前にぷすりと消えた。

「ソニアに土属性がないからか?」
「そんなこと最初から知ってましたよね!?」
「いや、ここまで強力に縛りが入るとは思ってなくてな……的に全ての神経を集中して、全力で打ってみろ」
「師匠の馬鹿ー! 《旋風斬ウインドカツター》!!」

 気合いが効いたのか3回目でようやく《旋風斬ウインドカツター》はまともに飛び、的をすっぱりと両断した。

「ソニアさん、凄いですよ!? あんなに離れた的に当てるなんて!」
「本当だよ! これで魔法制御のことは安心だね」
「た、確かに狙ったところに飛ぶんだけど、凄く魔力持って行かれるわ。なんていうのかしら、泥の中で無理矢理腕を動かしてるみたいな重さよ……」
「大丈夫大丈夫。お前の魔力はその泥の中で100回素振りしたって底を突いたりしないからな!」

 エリクさん、ソニアのことをなんだかんだ言って買ってるだよな。
 ソニアはいまいち腑に落ちないようだったけど、お礼を言っていつもの杖と一緒にエリクさんの杖を胸元に収めた。


 そして翌日。
 ネージュの城門には、アーノルドさんのパーティーの人たちや、コリン、レベッカさん、エリクさん、クエリーさん兄弟など、お世話になった人たちが見送りに来てくれた。
 俺たちがハロンズに着いてから、コリンとレベッカさんのことを迎えに来るという約束になっている。

 クロは大型化して上にテンテンを乗せ、レヴィさんが手綱を持った栗毛の馬には手前にソニアが乗っている。
 そして、俺は――残念なことにサーシャが手綱を持つ青毛の馬の、サーシャの前に乗っていた……。俺の方が背が高いから後ろの方がいいのでは? と思ったけれども、後ろの方が揺れるので慣れない人は前に乗せるものらしい。
 しかも、サーシャの視界を遮ってしまうので、「ジョーさんは伏せてて下さいね」と言われる残念加減。
 
「気を付けて行くんだぞー!」

 真っ先に大声を張り上げて手を振るアーノルドさん。
 俺たちは苦笑しながら手を振り返す。

「行ってきます!」
「でも夜には戻ってきます!」

 俺とサーシャ、それにソニアとレヴィさん、おまけにクロとテンテンという少し前には思いもしなかった組み合わせのパーティー。

 俺は空間魔法を使ってイスワに繋がる扉を作り、4人と2匹はそれをくぐってネージュから旅立った。

「サーシャ、まずは街道へ……」
「いえ、せっかくですから古代竜エンシェントドラゴンを狩りに行きましょう!」
「え、古代竜!?」

 サーシャの爆弾発言にソニアが驚いている。俺もさすがに驚いていた。

「ソニアさんの革鎧ですけど、間に合わせ程度のそこそこの品質しかないんですよ。属性防御とかが付いていなくて。ハワードさんにも確認したんですが、前にジョーさんと狩った古代竜はもう全部売り切れてしまっていたんです。
 ですから! 腕試しを兼ねて、ソニアさんの革鎧の素材を調達しに古代竜を狩りに行きましょう!」
「サーシャ! 古代竜は腕試しで挑む相手じゃない!」

 レヴィさんの珍しいツッコミが響く。
 

 初夏の爽やかな風の中にいきなり波乱の予感を感じつつ、俺たちの新天地を目指す旅は始まった。 
    
【ネージュ編 完】
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