殴り聖女の彼女と、異世界転移の俺

加藤伊織

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ネージュ編

12 散策はデートだ 

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 僅か数分で師匠を失った俺は、全てを見ていたアーノルドさんに慰められながら宿屋に戻った。
 この人、確かに面倒見はいいんだよな。コディさんも新人冒険者だし、ある意味懐は深い。性癖も深いけど。

「サーシャ、テトゥーコ様の神殿に行きたいんだけど」
「お帰りなさい、早かったですね。神殿でしたら私も行こうと思っていたところです」
「実は、無詠唱で空間魔法を使える相手に教えられることは何もないって言われちゃって……。空間魔法に関する本が神殿に付属してる図書館にあるからそれを読むといいって言われて」
「あら……。そういうことだったんですか。でもちょうどいいです。寄進もしようと思っていたので、一緒に行きましょう。図書館も案内しますね」

 心なしかサーシャがウキウキしているように見える。
 今日は都市の中で過ごすためか、武器も防具も持っていない。それに白いブラウスのような服の上に鮮やかな緑色をした袖なしのワンピースのようなものを着ていて、胸のすぐ下でリボンが結ばれている。いわゆるハイウエストというデザインだろうか。
 街の外にいるときには常に動きやすさを優先した丈長のチュニックにズボン、それに革鎧という姿だったから、とても新鮮だしはっきりいって眩しい。

「いつもと服が違うね」
「はい、神殿に行きますから。せめて身綺麗にして行こうと思って着替えたんです。そうだ、ジョーさんも新しい服を買っておきましょうか。空間魔法だったら邪魔にならないですし」
 
 ぽん、と手を打ってサーシャが提案してきた。
 空間魔法、本当に便利なんだよな……。
 俺たちの手元には450万マギル以上の金があるが、大半は金貨でかさばるので防犯のために魔法収納空間に入れてしまっていた。俺がいればすぐ出せるので、持ち歩くのはそれぞれ1000マギル程度だ。
 
 古代竜エンシェントドラゴンを売却して入った大金だが、俺の鎧のオーダーも含めてハワードさんの武器屋でかなりの金額を使ったらしい。但し皮の売却金も入ってきたのでプラマイほぼゼロという話だった。
 あの時サーシャが盾をふたつ持って帰ってきたのもかなり驚いたけど、ミスリル製でひとつ30万マギルだと聞いて顎が落ちるかと思うほど驚かされた。
 持ってみたら軽かったから、値段がお高い分凄くいい物だということは納得できたけども。

 ……古代竜のブレス防ぐ盾だもんな。高くて当然か。

 お金は俺が持ってるけど、買い物をするのはサーシャ。
 俺たちの間では既にこの構図が出来上がっていた。
 これが尻に敷かれるってやつか……。夫婦じゃないけど。
 
 そして、サーシャは時々びっくりするほど押しが強いので、結局俺はハワードさんの店の隣にある服屋で綺麗めの服を見繕われて、それに着替えてから神殿へ向かうことになった。


 久しぶりにゴワゴワしない服を着て、見知らぬ街並みを好きな女の子と歩く。
 これはもう、デートじゃないのだろうか。
 サーシャがいろんな店を説明してくれて、それが楽しい。

 但し、デートっぽい買い物も買い食いも、何もないけれど……。
 サーシャの財布の紐は、武器防具以外には固いのだと俺は改めて思い知っていた。


 女神テトゥーコの神殿は隣の図書館の方が大きくて、図書館のおまけのように見えた。
 あの女神の部屋みたいな場所を想像してたけど、大分違って簡素な造りだ。むしろ途中で見た教会の方が立派なくらいだ。

 サーシャ曰く、神殿は神を祀る場所、教会は信徒が活動をする場所らしい。うーん、よくわからない。
 とりあえず、神様毎に関係する施設は神殿の方に付属しているそうだ。そして修行は教会。それだけわかってれば充分らしい。

 神殿に行って偉い人にざっと挨拶をして、ふたり合わせて50万マギルをポンと寄付してとても喜ばれた。
 隣の図書館は女神テトゥーコの信徒じゃなくても出入りできるそうなので、そこで1冊だけあった空間魔法の本を借り、宿へ戻ってからじっくり読むことにした。

 うーん、素っ気ないなぁ……。
 せっかく可愛い服を着たサーシャがいるのに。

「そういえば、サーシャは甘いものとか好きじゃないの?」

 どこか寄り道したくてそんなことを聞いてしまったけど、考えてみたら今までニジマスとかドラゴンステーキを美味しそうにモリモリ食べていたサーシャの姿ばかりが思い浮かぶ。
 
「甘いものですか? 好き……ですけど、ちょっと贅沢だなーって」
「30万マギルの盾を買ってそんなこと言う?」
「だ、だって、盾は命に関わるじゃないですか!」

 やっぱり感覚がずれている……。
 食べたい気持ちはあるようで、サーシャはスカートを握ってもじもじとしていた。

「そんなに高価なの?」
「ええと、宿屋で食べるお昼ご飯よりちょっと高いくらいでしょうか」

 それは……安いと思う。
 宿屋の昼食は50マギルくらい。そう考えると100マギルもしないだろう。

「わかった。俺が奢るから食べていこう」
「えええ、でも」
「食べたら幸せな気持ちになるし、次の仕事ももっと頑張れる気がしない?」
「そ、そう言われるとそんな気も……」
「それでまたたくさんの人を助けられるように活躍して、テトゥーコ様に寄進すればいい」
「はっ!? そうですね!」

 目から鱗が落ちた、と言わんばかりの顔で、サーシャは両手を口に当てて俺を見つめていた。
 俺の言いくるめがうまく効いたらしい。よしよし。

「よし、決まり。俺もたまには甘いものを食べたいと思ってたんだ。ちょっと前までは当たり前に食べてたからさ」
「そうなんですね、いいなあ。あ、あの、じゃあ、入りたいお店があるのでそこに行ってもいいでしょうか」
「うん、いいよ。この際ちょっと贅沢したっていいから、英気を養おうよ」
「はい、そうしましょう! こっちです!」

 サーシャが俺の肘に腕を絡めて、凄い勢いで歩き出した。
 俺は引っ張られている状態で――あれ、今、腕を組んで歩いてる!?

 デートだ! 急にデートっぽくなった!


 サーシャに連れられて、俺は一軒の店の前にやってきていた。
 ドアが……宿屋のドアと高級感が違うぞ……。
 ガラスも入ってるし、これ絶対お高い店だ。

 おかしいな、店内は日本の喫茶店とあまり変わらないように見えるのに、世界が違うだけでビビりちらしてしまう。

 テーブルクロスの掛かった丸いテーブルに、宿屋のものよりも小綺麗な椅子。
 案内されて俺はビクビクとしながらそこに座った。
 だけど顔には出ない。多分傍から見ると堂々として見えるんだろう。
 ああ、こういう時は得だな! この表情筋!

「食べたいものをなんでも頼んで。さっきも言ったけど俺が奢るから」
「でも、ここ、あの、夕食代くらいお高いですよ」
「ささやかすぎる……」

 俺は思わず両手で顔を覆って震えた。
 多分、いくら大金を持ってもサーシャの金銭感覚って変わらないんだろうな。
 いや、だからこそ、俺が時にはたがを外してやらないと!
 経済を回すには金を使う必要があるんだから、というのは言い訳のひとつで。

「古代竜倒したときはサーシャがひとりで倒したのに、運んだだけで俺まで大金が入ってきたんだから、これくらいお礼だよ。だから――格好付けさせて」
「……ひゃ、ひゃい」

 何故かふたり同時に赤くなってしまい、俺たちはメニューを真ん中においてちょっと離れた場所同士でそれを眺めた。
 思っていたよりお菓子の種類がある。ちょっと驚きだ。確かに一品が150マギルくらいだから、余裕で夕食が食べられるくらいの値段がする。
 でも、空間魔法を習うために払うはずだった金も戻ってきてるし、これくらいは「たまの贅沢」で全然済む範囲だ。
 
 コンポートとか、ガレットとか、タルトとかいろいろメニューに書いてある。ガレットってクレープだっけ。そういえばイスワでも、コンポートじゃないけど干し果物を赤ワインで煮込んだものとか見かけたな。
 あとはパイとか。考えてみたらあれも小麦粉とバターがメインだから、物凄い贅沢品って訳じゃないのか。

「うーん、悩むなあ」
「ジョーさん、みっつ頼んで分けませんか?」
「え? サーシャがいいならいいけど」

 ふたつじゃなくてみっつ頼むつもりなところが恐ろしく可愛い。多分彼女的に清水の舞台から飛び降りるような覚悟なんだろうけど。
 俺が内心小躍りしつつ平坦な声で答えると、サーシャは物凄く嬉しそうにメニューを指さして悩み始めた。

 結局頼んだのは、チーズと蜂蜜のガレット、それとパンケーキとフルーツタルトだった。
 チーズと蜂蜜のガレットなんて、もう字面から美味しそうだ。ピザ屋でクワトロフォルマッジに蜂蜜を掛けて食べたのを思い出して、既に口の中に唾液が溜まってきてる。

「このお店、私がアーノルドさんのパーティーに入ったときに、メリンダさんとアーノルドさんが連れてきてくれたんです。私の育った村はとても田舎だったので、こんな素敵なお菓子なんてその時初めて見て。去年もメリンダさんと1度来ましたけど、どうしても贅沢に思ってしまってなかなか来られなかったんです」
「ああ、なるほど。やっぱり誘って良かったよ」

 既に出来上がって切り分けられているらしいフルーツタルトは早く出てきた。
 上に乗っているのはリンゴや柑橘類だ。早速半分に切り分けてから、俺とサーシャはそれぞれタルトを口に運んだ。

「美味しいっ!」
「あ、美味しい」

 甘いものってかなりの贅沢品じゃないかと思ってたけど、ちゃんとカスタードが甘い。上に乗っている果物の酸味と、とろりとして甘いカスタードが絡み合って思わず声に出してしまうくらい美味しかった。
 サーシャは頬を押さえてうっとりしている。凄く幸せそうで、それを見ているだけで俺的にはもう元が取れた。

 チーズと蜂蜜のガレットはまさしく俺の求めていた味で、チーズの塩気と蜂蜜の濃厚な甘みの組みあわせが最高だった。それだけでも充分満足していたんだけど。

「えっ!?」

 出てきたパンケーキを見て、俺は思わず声を上げてしまった。
 焼きたての薄いパンケーキの上に、目を疑うようなものが乗っていたのだ。

「アイスクリームだ!」
「はい、そうなんです! 私、これが大好きで」

 手際よくアイスクリームまでサーシャがナイフで真っぷたつにした。
 まさか、中世っぽい異世界でアイスクリーム見るなんて思ってもみなかった……。
 溶けないうちにと急いでアイスを口に運ぶと、慣れたバニラの香りはしなかったけども素朴な牛乳の風味が冷たさと共に口に広がる。

 そういえば、平安時代にも夏にかき氷食べたって話は聞いたような……。
 魔法のある世界だから、おがくずに入れて保存とかしなくてももしかしたら氷が作れるのかもしれないな。

「ジョーさん」

 不意にサーシャに名を呼ばれて、俺は皿に落としていた視線を彼女に向けた。
 何故か不安げな顔をしたサーシャが俺を見つめている。

「これ、良かったら……」

 彼女が差し出してきたハンカチで、俺は初めて自分が涙を流していることに気付いた。

 こんなところで出会うと思っていなかったアイスクリームは酷く懐かしくて。
 俺は初めて、ホームシックのような気持ちに囚われていた。
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