136 / 154
136 魔法の毒
しおりを挟む
カモミールは自室のよく見える場所に押し花を飾っていた。
これは自分への戒めだ。ヴァージルの感情を理解しようともせずに、一方的に糾弾し、彼を立ち去らせてしまったことに対しての。
あの夜の会話は、驚くほど鮮明に脳裏に焼き付いていて、ふとしたときに蘇る。
そして、振り返る度思うのは、結局ヴァージルはゼルストラの間諜であることを幼い頃から強いられていて当然のことだと思っていたが、それでも「いっそ知らせてくれればいい」「裏ギルドなんて潰れてしまえと思ってる」と言うくらいにはそれを厭っていたのだ。
カモミールに出会ったばかりの頃のヴァージルは、カモミールから向けられる心配に涙を流すほど愛情に飢えた寂しい少年だった。
エドマンド男爵家での日々がなければ、彼は愛情を知ることもなかっただろう。知ってしまったからこそ、寂しさを感じるようになったのだ。
彼の優しさは、寂しさの裏返しだった。人当たりのいい笑顔は、嫌われないための鎧だった。
人の愛を求めるからこそ、尽くす。それはヴァージルにとって無意識の行動だったかもしれないが、カモミールはそんなヴァージルだからこそ恋をし、エノラは孫に抱くような愛情を向けた。
彼はこの家で過ごした間、幸せだっただろう。けれど、偽りの上に築いた幸せには終わりが来ることを知っていた。エドマンド男爵家での幸せな幼年期の終わりが、まさにそうだったのだから。
幸せになるのが怖いと言っていたヴァージルは、その先に何が待っているかをよくわかっていた。過去2回失敗してきた侯爵家と近付く計画の鍵であるカモミールは、今回は侯爵家と良い関係を築いていて、「もしかするとこのままミリーと一緒に居続けることができるかもしれない」と彼は一縷の望みに賭けたのかもしれない。
それはたくさんの可能性の中で、ごくごく少ない確率でしか辿り着けない未来であったはずだ。カモミールが頭痛を頻繁に起こすようになったことで、彼女を愛しているヴァージルは魔法を使うことをやめてしまったのだから。
「あなた、馬鹿だわ。自分が大事なら、自分の幸せが大事なら、私が苦しんでても魔法を使い続ければよかったのに。……でも、それができない人だったから……」
バラの花を胸にカモミールは涙を流す。確かに自分の身を守りたいだけなら、カモミールの記憶が蘇らないよう封じ続けるのが「間諜であるヴァージル」にとっての上策だったはずだ。
でも、彼はカモミールの苦しむ姿に心を痛めてしまった。孤独に凍えていた頃に出会い、明るい笑顔で友人として彼を照らし続けてきたカモミールという名の太陽を、何より大事に思ってしまった。
「向いてないのよ、間諜なんて。魔法使いなのは間違いないとしても、向き不向きってものがあるじゃない。向いてないことを無理にし続けるから、自分も周りも不幸にして」
ヴァージルは1日でも長くこの生活を続けたかっただろう。いつか酷い終わりが来ると予期していたから、ヴァージルという名で過ごす今を大事にしていた。
カモミールの言葉は彼が去った直接的な原因ではあるが、遅かれ早かれその時は来るはずだったのだ。
考えれば考えるほど、彼の計画は無理があった。万全を期すなら、カモミールの友人として実家へ付いていき、家族の記憶も書き換えておくべきだった。
それをしなかったのは、ヴァージル自身が「こんな計画なんて失敗してしまえと」思っていたからではないか――カモミールはそう気づいてしまった。
それでも、幼い頃から刷り込まれた間諜としての意識は、彼に任務を放棄させることはなかった。――カモミールの言葉さえなければ。
私の前から消えてとヴァージルに告げた自分の声が、カモミールを苛んでいた。それはひび割れた堤防を決壊させる最後の一押しでしかなかったが、彼女はずっと悔やみ続けている。
「会いたいよ……」
間諜なんかやめて、ここで平穏に暮らせばいい。そう心の底から願いながらも、間諜の寝返りなど許されるわけがないともカモミールは理解していた。
ゼルストラに戻ったヴァージルがどうなるのか、その先を考える度に冷たい手で心臓を握りつぶされるような感覚を味わう。
いつもヴァージルとふたりで食べていた夕食は、買ってきた最低限の簡単なもので済ませるようになっていた。元々華奢な体格だったが、頬の丸みも削げて手首の辺りははっきりと骨が浮き出るようになってしまった。腰回りもすっかり細くなってしまい、そんなカモミールを見てタマラが心を痛めている。
ヴァージルの事情を知らなかったとはいえ、彼の背中を押したのはタマラなのだ。彼女の悔悟もカモミールの自責の念を強くした。全てが悪循環だ。
休まないで仕事を続けるカモミールのやつれように、キャリーがとうとう苦言を呈するようになった。けれどやはり遅くまで制作を続けて、疲労感にようやく帰宅を決めたカモミールは近くで聞こえた草を踏みしめるような音に足を止めた。
「ミリー」
ずっと聞きたいと願っていた声は幻聴としか思えなかった。体が強ばって、動くことができない。
後ろから聞こえた声に、振り向くことも躊躇われる。振り向いて誰もいなかったら、今度こそ頑張って立っている力がなくなってしまうから。
「ミリー、お願いがあるんだ、こっちを向いて」
「ヴァージル!?」
弱々しいが、間違いなく本物のヴァージルの声だった。弾かれたようにカモミールは振り返り、工房の庭に身を潜めるように屈んでいるヴァージルを目にした。
「ヴァージル! ああ、本物だわ……」
工房の窓から漏れる光でしかその姿は見えなかったけれども、柔らかそうな金髪も、男性としては細い姿も、紛れもなくヴァージルのものだった。
駆け寄って地面に膝をつき彼に抱きついたカモミールの肩に、ヴァージルはくたりと頭をもたれさせた。
「本物のミリーだ……よかった」
噛みしめるような声は力がない。触れる手は夏にも関わらず冷たくて、再会の喜びよりも不安が頭を持ち上げる。
「ごめんなさい、あなたの気持ちを何も考えてなくて酷いことを言って……私、ずっとヴァージルに会いたかった」
ヴァージルの背に細い腕を回して、カモミールは青ざめた。彼の体もはっきりとわかるほどに細くなっていたのだ。
「へましちゃった……ゼルストラの魔法使いに毒を入れられて。これはもう死ぬなって思ったら、最期に君の顔が見たくて。僕のわがままに巻き込んでごめん」
カモミールの顔を見ようと、ヴァージルが辛そうに頭を動かす。久しぶりに見た恋人は、いつものように優しい笑顔で、けれど悲しそうな色をその瞳に湛えていた。
「……こんなときにもへらへらしてるのね」
「それと、謝りたかった」
「許してない。……許してないよ。でも、幼馴染みだった記憶は偽物でも、ヴァージルが側にいた4年間は嘘じゃないの! 私の気持ちも、操られてあなたを愛したんじゃない! ……だから、余計辛かった。離れてる間もずっと辛かった。だって、今でもあなたを愛してるから」
涙を流すカモミールを見て、ヴァージルが幸せそうにふわりと笑う。それがあまりに見慣れた笑顔だったので、彼が自分の前で偽っていたのは、本当に少しの事柄だけだったのだとカモミールは理解出来た。
「ああ……最期にそんな言葉が聞けて、それだけで僕は幸せだったと思えるよ。……ありがとう、ミリー……」
ゼルストラからフォールズ辺境伯領を越えて、ここまで辿り着くのは彼にとっては大変なことだったのだろう。ヴァージルが弱っていることはカモミールにもはっきりとわかったし、そういう人間が気が抜けたときにどうなるかもよく知っている。
安堵のためか声の最後はか細く消えていき、力尽きたようにヴァージルが瞼を閉じる。
カモミールは震えながらも彼の首に手を添え、脈を確かめた。弱々しいけれども、彼はまだ生きている。
それに気づいた瞬間、カモミールは泣き叫ぶようにテオを呼んだ。長い脚をもつれさせるようにしながら工房からテオが飛び出してきて、ヴァージルに気づいて目を見開いている。
「テオ、お願い、ヴァージルを部屋に運んであげて。毒を入れられたって。でもまだ生きてるの!」
「部屋に運べばいいんだな? わかった」
テオが軽々とヴァージルを抱き上げて、すぐ隣にあるエノラの家へと向かう。
そしてカモミールは走り出していた。最も信頼する医師――ガストンの元へと。
これは自分への戒めだ。ヴァージルの感情を理解しようともせずに、一方的に糾弾し、彼を立ち去らせてしまったことに対しての。
あの夜の会話は、驚くほど鮮明に脳裏に焼き付いていて、ふとしたときに蘇る。
そして、振り返る度思うのは、結局ヴァージルはゼルストラの間諜であることを幼い頃から強いられていて当然のことだと思っていたが、それでも「いっそ知らせてくれればいい」「裏ギルドなんて潰れてしまえと思ってる」と言うくらいにはそれを厭っていたのだ。
カモミールに出会ったばかりの頃のヴァージルは、カモミールから向けられる心配に涙を流すほど愛情に飢えた寂しい少年だった。
エドマンド男爵家での日々がなければ、彼は愛情を知ることもなかっただろう。知ってしまったからこそ、寂しさを感じるようになったのだ。
彼の優しさは、寂しさの裏返しだった。人当たりのいい笑顔は、嫌われないための鎧だった。
人の愛を求めるからこそ、尽くす。それはヴァージルにとって無意識の行動だったかもしれないが、カモミールはそんなヴァージルだからこそ恋をし、エノラは孫に抱くような愛情を向けた。
彼はこの家で過ごした間、幸せだっただろう。けれど、偽りの上に築いた幸せには終わりが来ることを知っていた。エドマンド男爵家での幸せな幼年期の終わりが、まさにそうだったのだから。
幸せになるのが怖いと言っていたヴァージルは、その先に何が待っているかをよくわかっていた。過去2回失敗してきた侯爵家と近付く計画の鍵であるカモミールは、今回は侯爵家と良い関係を築いていて、「もしかするとこのままミリーと一緒に居続けることができるかもしれない」と彼は一縷の望みに賭けたのかもしれない。
それはたくさんの可能性の中で、ごくごく少ない確率でしか辿り着けない未来であったはずだ。カモミールが頭痛を頻繁に起こすようになったことで、彼女を愛しているヴァージルは魔法を使うことをやめてしまったのだから。
「あなた、馬鹿だわ。自分が大事なら、自分の幸せが大事なら、私が苦しんでても魔法を使い続ければよかったのに。……でも、それができない人だったから……」
バラの花を胸にカモミールは涙を流す。確かに自分の身を守りたいだけなら、カモミールの記憶が蘇らないよう封じ続けるのが「間諜であるヴァージル」にとっての上策だったはずだ。
でも、彼はカモミールの苦しむ姿に心を痛めてしまった。孤独に凍えていた頃に出会い、明るい笑顔で友人として彼を照らし続けてきたカモミールという名の太陽を、何より大事に思ってしまった。
「向いてないのよ、間諜なんて。魔法使いなのは間違いないとしても、向き不向きってものがあるじゃない。向いてないことを無理にし続けるから、自分も周りも不幸にして」
ヴァージルは1日でも長くこの生活を続けたかっただろう。いつか酷い終わりが来ると予期していたから、ヴァージルという名で過ごす今を大事にしていた。
カモミールの言葉は彼が去った直接的な原因ではあるが、遅かれ早かれその時は来るはずだったのだ。
考えれば考えるほど、彼の計画は無理があった。万全を期すなら、カモミールの友人として実家へ付いていき、家族の記憶も書き換えておくべきだった。
それをしなかったのは、ヴァージル自身が「こんな計画なんて失敗してしまえと」思っていたからではないか――カモミールはそう気づいてしまった。
それでも、幼い頃から刷り込まれた間諜としての意識は、彼に任務を放棄させることはなかった。――カモミールの言葉さえなければ。
私の前から消えてとヴァージルに告げた自分の声が、カモミールを苛んでいた。それはひび割れた堤防を決壊させる最後の一押しでしかなかったが、彼女はずっと悔やみ続けている。
「会いたいよ……」
間諜なんかやめて、ここで平穏に暮らせばいい。そう心の底から願いながらも、間諜の寝返りなど許されるわけがないともカモミールは理解していた。
ゼルストラに戻ったヴァージルがどうなるのか、その先を考える度に冷たい手で心臓を握りつぶされるような感覚を味わう。
いつもヴァージルとふたりで食べていた夕食は、買ってきた最低限の簡単なもので済ませるようになっていた。元々華奢な体格だったが、頬の丸みも削げて手首の辺りははっきりと骨が浮き出るようになってしまった。腰回りもすっかり細くなってしまい、そんなカモミールを見てタマラが心を痛めている。
ヴァージルの事情を知らなかったとはいえ、彼の背中を押したのはタマラなのだ。彼女の悔悟もカモミールの自責の念を強くした。全てが悪循環だ。
休まないで仕事を続けるカモミールのやつれように、キャリーがとうとう苦言を呈するようになった。けれどやはり遅くまで制作を続けて、疲労感にようやく帰宅を決めたカモミールは近くで聞こえた草を踏みしめるような音に足を止めた。
「ミリー」
ずっと聞きたいと願っていた声は幻聴としか思えなかった。体が強ばって、動くことができない。
後ろから聞こえた声に、振り向くことも躊躇われる。振り向いて誰もいなかったら、今度こそ頑張って立っている力がなくなってしまうから。
「ミリー、お願いがあるんだ、こっちを向いて」
「ヴァージル!?」
弱々しいが、間違いなく本物のヴァージルの声だった。弾かれたようにカモミールは振り返り、工房の庭に身を潜めるように屈んでいるヴァージルを目にした。
「ヴァージル! ああ、本物だわ……」
工房の窓から漏れる光でしかその姿は見えなかったけれども、柔らかそうな金髪も、男性としては細い姿も、紛れもなくヴァージルのものだった。
駆け寄って地面に膝をつき彼に抱きついたカモミールの肩に、ヴァージルはくたりと頭をもたれさせた。
「本物のミリーだ……よかった」
噛みしめるような声は力がない。触れる手は夏にも関わらず冷たくて、再会の喜びよりも不安が頭を持ち上げる。
「ごめんなさい、あなたの気持ちを何も考えてなくて酷いことを言って……私、ずっとヴァージルに会いたかった」
ヴァージルの背に細い腕を回して、カモミールは青ざめた。彼の体もはっきりとわかるほどに細くなっていたのだ。
「へましちゃった……ゼルストラの魔法使いに毒を入れられて。これはもう死ぬなって思ったら、最期に君の顔が見たくて。僕のわがままに巻き込んでごめん」
カモミールの顔を見ようと、ヴァージルが辛そうに頭を動かす。久しぶりに見た恋人は、いつものように優しい笑顔で、けれど悲しそうな色をその瞳に湛えていた。
「……こんなときにもへらへらしてるのね」
「それと、謝りたかった」
「許してない。……許してないよ。でも、幼馴染みだった記憶は偽物でも、ヴァージルが側にいた4年間は嘘じゃないの! 私の気持ちも、操られてあなたを愛したんじゃない! ……だから、余計辛かった。離れてる間もずっと辛かった。だって、今でもあなたを愛してるから」
涙を流すカモミールを見て、ヴァージルが幸せそうにふわりと笑う。それがあまりに見慣れた笑顔だったので、彼が自分の前で偽っていたのは、本当に少しの事柄だけだったのだとカモミールは理解出来た。
「ああ……最期にそんな言葉が聞けて、それだけで僕は幸せだったと思えるよ。……ありがとう、ミリー……」
ゼルストラからフォールズ辺境伯領を越えて、ここまで辿り着くのは彼にとっては大変なことだったのだろう。ヴァージルが弱っていることはカモミールにもはっきりとわかったし、そういう人間が気が抜けたときにどうなるかもよく知っている。
安堵のためか声の最後はか細く消えていき、力尽きたようにヴァージルが瞼を閉じる。
カモミールは震えながらも彼の首に手を添え、脈を確かめた。弱々しいけれども、彼はまだ生きている。
それに気づいた瞬間、カモミールは泣き叫ぶようにテオを呼んだ。長い脚をもつれさせるようにしながら工房からテオが飛び出してきて、ヴァージルに気づいて目を見開いている。
「テオ、お願い、ヴァージルを部屋に運んであげて。毒を入れられたって。でもまだ生きてるの!」
「部屋に運べばいいんだな? わかった」
テオが軽々とヴァージルを抱き上げて、すぐ隣にあるエノラの家へと向かう。
そしてカモミールは走り出していた。最も信頼する医師――ガストンの元へと。
10
お気に入りに追加
671
あなたにおすすめの小説
転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!
nineyu
ファンタジー
男は絶望していた。
使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。
しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!
リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、
そんな不幸な男の転機はそこから20年。
累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。

【完結】契約結婚は円満に終了しました ~勘違い令嬢はお花屋さんを始めたい~
九條葉月
ファンタジー
【ファンタジー1位獲得!】
【HOTランキング1位獲得!】
とある公爵との契約結婚を無事に終えたシャーロットは、夢だったお花屋さんを始めるための準備に取りかかる。
花を包むビニールがなければ似たような素材を求めてダンジョンに潜り、吸水スポンジ代わりにスライムを捕まえたり……。そうして準備を進めているのに、なぜか店の実態はお花屋さんからかけ離れていって――?
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
ループn回目の妹は兄に成りすまし、貴族だらけの学園へ通うことになりました
gari@七柚カリン
ファンタジー
────すべては未来を変えるため。
転生者である平民のルミエラは、一家離散→巻き戻りを繰り返していた。
心が折れかけのn回目の今回、新たな展開を迎える。それは、双子の兄ルミエールに成りすまして学園に通うことだった。
開き直って、これまでと違い学園生活を楽しもうと学園の研究会『奉仕活動研究会』への入会を決めたルミエラだが、この件がきっかけで次々と貴族たちの面倒ごとに巻き込まれていくことになる。
子爵家令嬢の友人との再会。初めて出会う、苦労人な侯爵家子息や気さくな伯爵家子息との交流。間接的に一家離散エンドに絡む第二王子殿下からの寵愛?など。
次々と襲いかかるフラグをなぎ倒し、平穏とはかけ離れた三か月間の学園生活を無事に乗り切り、今度こそバッドエンドを回避できるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる