12 / 77
5 ふしぎな間借り人
①
しおりを挟む
それはなんの変哲もない、普通の古い一軒家だった。
ドアではなく、引き戸の玄関の鍵を開け、がらがらっと開くと、靴箱があって三和土がある。
壁に電灯のスイッチを見つけたので、試しに押してみると、外灯も玄関灯も点いた。
「電気、通ってるんだ……」
ほっとしながら靴を脱ぎ、廊下を進む。
廊下を中心に左右に二つずつ部屋があり、突き当たりがトイレとお風呂と洗面所。右奥が台所。
どこも綺麗に掃除されており、窓にはカーテンもかかっていて、今すぐにでも住めそうだった。
点けれるだけの電灯を点けると、とても明るく、山の上にいることを忘れてしまいそうになる。
真新しい畳と漆喰の壁のリラックス効果なのか、どこかほっとする。
「今夜はここに泊ろうかな……夜が明けてからのほうが運転も危なくないだろうし、道も探しやすいし……」
決心しかけて、だったら玄関の扉をしっかり閉めておかなければと、玄関へ向かった。
三和土に下りて、鍵をかけようと扉に手を伸ばした瞬間、それががらがらっと勢いよく開く。
「ひええええええっ!」
悲鳴を上げてうしろにとびすざった私の前に、見たことのある人物が現われた。
ドアではなく、引き戸の玄関の鍵を開け、がらがらっと開くと、靴箱があって三和土がある。
壁に電灯のスイッチを見つけたので、試しに押してみると、外灯も玄関灯も点いた。
「電気、通ってるんだ……」
ほっとしながら靴を脱ぎ、廊下を進む。
廊下を中心に左右に二つずつ部屋があり、突き当たりがトイレとお風呂と洗面所。右奥が台所。
どこも綺麗に掃除されており、窓にはカーテンもかかっていて、今すぐにでも住めそうだった。
点けれるだけの電灯を点けると、とても明るく、山の上にいることを忘れてしまいそうになる。
真新しい畳と漆喰の壁のリラックス効果なのか、どこかほっとする。
「今夜はここに泊ろうかな……夜が明けてからのほうが運転も危なくないだろうし、道も探しやすいし……」
決心しかけて、だったら玄関の扉をしっかり閉めておかなければと、玄関へ向かった。
三和土に下りて、鍵をかけようと扉に手を伸ばした瞬間、それががらがらっと勢いよく開く。
「ひええええええっ!」
悲鳴を上げてうしろにとびすざった私の前に、見たことのある人物が現われた。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
見合い相手は殺し屋でした⁉ 幸せを掴むスリリングなメソッド。
八波琴音
キャラ文芸
殺し屋のレオンは訪れた喫茶店で華族の令嬢・西園寺百合亜のピアノに聞き惚れる。
彼女は没落華族の令嬢であり、借金まみれのボロ屋敷に住んでいるということだった。
レオンは友人で情報屋のジョセフの計らいで偽名を使い、身分を偽って見合いにこぎつけるが――?
敏腕殺し屋青年と没落華族令嬢のドタバタラブ(?)コメディ。
学園戦隊! 風林火山
貴様二太郎
キャラ文芸
山田 玲(やまだ れい)、15歳、女子。
家庭の事情で私立なんて選択肢になかったんだけど、ある日、三年間学費無料という学校を見つけてしまって。ただこの学費無料、ちょっと変な条件があったんだよね。
一、特殊奉仕活動同好会入部
二、寮生活
三、姓に山の字が入っていること
ただより高いものはなし。でも、やっぱり学費無料は捨てがたかった! というわけで不肖山田、四月から武田学園の生徒になりました。
でもまさかこの条件のせいで、平穏な高校生活を捨てなきゃならなくなるなんて……
ちょっと突っ込み気質な真面目女子山田(貧)と愉快な仲間たちの繰り広げる青春コメディ(下品)。
山田の常識はこれからの3年間、一般的なままでいられるのか!?
書き上げてから章ごとに投稿します。
風の章 → 完結
林の章 → 完結
火の章 → 完結
山の章 → 完結
※表紙は安藤ゆいさまよりいただきました。
※サブタイトルの後に★があるページには挿絵が入っています。
※小説家になろうにも掲載しています。
※小説家になろう版とはお話の順番等少し変えてあります。
お江戸陰陽師あやし草紙─これはあやかしのしわざですか?─
石田空
キャラ文芸
時は江戸。日々暦をつくって生活している下っ端陰陽師の土御門史郎の元に、押しかけ弟子の椿がやってくる。女だてらに陰陽道を極めたいという椿に振り回されている史郎の元には、日々「もののけのしわざじゃないか」「あやかしのしわざじゃないか」という悩み事が持ち込まれる。
お人よしで直情型な椿にせかされながら、史郎は日々お悩み相談に精を出す。
君を愛さず、君に恋する
clover
キャラ文芸
人と話そうとしてこなかった利子倉りりは、唯一無二の友達、古川とよりの秘密を知ってしまう。その秘密とは、古川とよりが恋をした事で、それが百合であることだった。
元々、想像力豊かだったりりにとってとよりの話は世界で一番美しく、なによりも純粋に見えていた。いつしかりりは、その恋を自分のノートに書き記すことを始める。
その習慣は長く、それでいて儚く一時の感情として起伏する。
りりは自分の書き記してきたノートを見て、幸福感をもっと欲するようになり、とよりの恋に、自分の書き記した物語に堕ちていく……。
とよりの恋に悶々としていく中で、色々な感情が交錯していくラブストーリー。
【完結】非モテアラサーですが、あやかしには溺愛されるようです
*
キャラ文芸
『イケメン村で、癒しの時間!』
あやしさ満開の煽り文句にそそのかされて行ってみた秘境は、ほんとに物凄い美形ばっかりの村でした!
おひめさま扱いに、わーわーきゃーきゃーしていたら、何かおかしい?
疲れ果てた非モテアラサーが、あやかしたちに癒されて、甘やかされて、溺愛されるお話です。
【完結】現代もふもふあやかしは、意外にもブラックコーヒーがお好き
櫛田こころ
キャラ文芸
駅前の雑居ビルの半地下一階。
カウンターのみの店内には、大きめのエスプレッソマシーンが一台。店員は基本的に店主ひとりだがその時々オーナーが来ることもある。
オープンして少し経つが、立地的に条件が悪いのか決まって常連客かテイクアウトを希望する客仕込みをしか来ない。
それでも、ふたりは利益よりも客を優先していたのでおおむね満足はしていた。
あの日が来るまでは。
ひょんなことから、店に居着いたケサランパサランも加わり、店をやっていくことに……!?
ほんわか、癒しになるお話をお届けします。
ブラコンな兄の日記を漁ってみた
下菊みこと
キャラ文芸
ブラコンな兄の思い出と内心を知るお話。
ただのブラコン同士のほのぼのしたお話。
ご都合主義のSS。
もちろんハッピーエンド、ざまぁなし。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる