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5th フェーズ 決

No.113 銃と刀

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 「合体ロボ!キメラロボットだ!」
 ユキチカ達の前に現れた獣型ロボットが合体し、新たな姿をみせる。

「ライオンの頭にサイの角と装甲、あとはヘビが尻尾か」
「なんかヘビだけスゴイ無理やりくっつけた感があるね」
 尻尾になったヘビ型ロボットが3人の方に向く。

「キュケケケーッ!」
 獣型ロボットが咆哮を上げる。

「え、そんな鳴き声なの」
 突撃してきたキメラロボット、ユキチカがそれを受け止める。

「おーよしよし」
 
「おれらも行くぞ!」
「はい!」
 ユキチカに続いてシドーとジーナが攻撃を仕掛ける。

「装甲が分厚くても、関節部分はどうだ?」
 シドーは相手の装甲をこじ開け、相手の関節部分を露出させる。露出した部分に一斉射撃を叩き込む。

 彼の攻撃を止める為にヘビ型ロボが襲い掛かる。

「よいしょっ」
 ジーナがヘビ型ロボを締め上げて破壊した。

「終わった!」
「面白い見た目してたのにあっさり終わったね」
 


 一方その頃、ブルズアイとガンマ。

「たしかにお前の言う通り、私が銃で勝つことは出来なかったな。だがそれで決着がつくわけじゃない」
 剣を構えるガンマ、対するブルズアイは全身至る所に傷を負っていた。

「クソ、バケモン相手はしんどいな」
 ブルズアイは退避しはじめる。

(このアーマーの機動力にもついてくるか)

 ガンマがその後を追いかける。

「敵前逃亡!兵士の恥だぞ!」
「兵士じゃないってーの!」
 アーマーの機能を最大限活用して移動するがガンマを振り切れずに行く。 

(ダメだ、私じゃこれ以上はどうにもならない)

「どこへゆく!」
「ついてくんな!」
 振り向き様に何発を発砲するが弾かれる、また内の何発かは外れてしまう。そうとう

 徐々に距離を詰めていくガンマは、逃げるブルズアイの背中に狙いを定めた。

「生きて汚名を背負うより潔い死を!」
(間に合え!)
 ブルズアイの背中に剣を突き刺そうとするガンマ。しかしガンマ直前で剣を構え直す。

「……!」
 彼は正面から飛んで来た砲弾を剣で受け逸らした。



「テメェか」
「ん?どこかで会ったか?」
 砲弾を放ったのはシドーだった。

「ブルズアイ」
「ごめん、ちょっとヘマ打っちゃいました」
 傷だらけのブルズアイを見てシドーが状況を把握する。

「まったく、急に飛んできたから驚いたぞ」
 彼は手のひらにあるものを見せる。 

「なんだそれは?」
「訓練用の弾さ」
 シドーが持っていたのはインファマス刑務所の訓練で使っていたゴム弾だった。

「そうか、さっきの逃亡中に撃ったのか。まさか貴様らの位置を把握し、その場所に届くように跳弾させたのか?」
「そんなところ」
 ブルズアイが笑って答える。

「みんな彼女を連れて先に!この野郎はおれが叩き潰す」
「分かった!ブルズアイさん運びます!」
「おんぶするよー」
 シドーはジーナとユキチカにブルズアイを託した。


 ジーナとユキチカがブルズアイを運んで行くのを見届ける間、ガンマはシドーをじっと見ていた。そして何かを思い出す。

「ああ思い出したぞ!情報にあった枢軸国の日本兵!やはりここはあの戦場だ!まだ戦争は終わっていない!」
「"まだ戦争は"か……なるほど。そっちも時代遅れの軍人ってことか」
 ため息をつくシドー。

「この前みたいに狙撃銃を使わなくて良いのか?」
「そんなものは必要ない」
 ガンマの言葉に眉をピクリと動かすシドー。

「そんな物だと?」

「ああ、そんな物はなるべく敵から離れて一方的に殺しをしたいという怠惰の塊だ。それを使うには怠惰な自分を懺悔しなければならない」
 剣を構えるガンマ。

「そんな悠長な殺しなんて必要ない。これは良い、純粋な命のやり取りだ」

「言ってる事めちゃくちゃだな。聞いてて頭痛がしてきたぜ。お前なんかに信奉されてる神様もお気の毒にな」
 頭を抱えるシドー。

「貴様もあの日本軍人ならわかるだろ?私は君達を尊敬しているんだぞ?戦闘機ごと敵艦隊に自爆特攻する、確かカミカゼといったか。最近知ったが、あれには心が踊ったよ。ああヨーロッパじゃなくアジアで戦う部隊に志願すべきだった。そうすれば君達と殺し合いが出来たのに」

「ヴァーリの部下ってのはアイツに似て、人の神経逆撫でする奴らばっかりなのか?嫌になってくるなっ!」
 シドーは武器を構えて攻撃をしかける。

「来い!」
 ガンマは縦横無尽に壁や天井を利用し、シドーの攻撃を回避する。
 
「なんつー動きだ!」
「ははは!そんな鈍重な格好では戦いにならんぞ!日本兵!」

「うるせえ!」
 シドーは動き回る相手になんとか攻撃を当てようとする、しかしガンマはそれよりも早くシドーの懐に潜り込み斬撃を食らわせる。 

「そらそら!」

「クソ!アーマーが!」
 シドーの重厚なアーマーすらも斬り裂く。

 ガンマは機械の腕でシドーを掴む。外骨格アーマーに取り付けられたそのアームはシドーのアーマーに強力な圧力をかけていく。

「捕まえたぞ!さあどうする!」
「わりぃなダイキ!」
 シドーのアーマーが弾け、拘束していたアームを破壊する。

 分散したアーマーの一部からシドーは刀を取り出す。

「カタナか!素晴らしい!分かってるじゃないか」
「うるせえよ、本身なんてガキの頃道場で軽く触った以来だ」
 刀を抜き、刃をガンマに向けるシドー。

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