強制ハーレムな世界で元囚人の彼は今日もマイペースです。

きゅりおす

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5th フェーズ 決

No.110 迎撃開始

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 ウルティメイトが保有する秘密の島、そこに乗り込んだユキチカ達、彼らはこの最終決戦に相応しい装備を用意していた。

「今度の敵はどちらでしょうか、ホログラム、それとも……」
「構うな、砲撃しろ。そうやって混乱させせ、次の一手を遅らせるのも相手の狙いだろう。これ以上連中の好きにさせるな」
 ヴァ―リは部下にそう伝える。

「砲撃開始」
 浜辺に砲弾が放たれた。

「おっと!」
 シドーが巨大な盾を展開して砲撃を防ぐ。

「すごいな、本当に大砲でも余裕だ」
「えっへん!」
 ユキチカが最後に潜水艇から出て来た。

「ぼくも盾だすよ!」
 彼も盾を構える。

「これだけあるって事は、出て来たぞ!」
 シドーが要塞を指さす。

「対空砲に対空ミサイルか」
 空から見ているマチェットも同じものを見ていた。

「小うるさいハエ共も叩き落してしまえ!」
 対空砲が戦闘機を狙う。 

「おっと、流石に金持ってるな。お前ら!はたき落とされるなよ!」
 対空砲からの攻撃を避けるマチェット達。

「おいビーチでバカンスしてる地上部隊!見えてるか?対空砲が邪魔だ」
 マチェットがユキチカにそう伝える。

「りょーかい!」
「おれもついてくぞ!」
 砲撃を防ぎながらユキチカとシドーが返事をする。

「それじゃあネットワークを奪う方はウルルちゃん、シャーロットちゃん、チザキさん、それと私が向う」
 キビが目的を整理し、メンバーを分けた。

「ユキチカ、シドーさん、あと私が砲台だね!」
 ジーナは自分達がやる事を理解し、返事した。

「それじゃあとりあえずこっから見える砲台は潰しとくか!」
「おっけー!」
 シドーとユキチカは重火器で砲台を破壊する。

「よし、行くぞ!」
 キビ達は二手に別れ要塞に向って走り出す。


「砲台が破損、敵が二手に分かれました!」
「想定内だ、そちらには別の部隊を送るんだ」
「別?今浜辺にいる部隊はどうされますか?」
 ヴァーリがモニターに指差す。

「ほら来たぞ、連中に使う」
 彼が指差すモニターに浜辺に乗り上げた別の潜水艇が映っていた。

「第二部隊!俺に続け!うちの愛息子、愛娘にちょっかいかけて来やがった連中へのお礼参りだ!」
 中からヤスシ達が出てきた。
 
「おう!」
 潜水艇は先程よりも多く、大勢のアーマーを着用した囚人、看守達が現れる。

「シールド展開!」
 ヤスシの後ろにいる者たちが背中から杭を取り出し投げる。

 地面に刺さった杭は大きく伸び、周囲に糸を張り巡らし杭を固定させる。そして近くにある杭との間に壁を形成した。

 壁は反対側が見通せるがしっかりと相手の銃撃を防いでいる。

「特殊繊維により瞬時に形成されるユキチカ特製の壁、すげえな」
「このアーマーも着てるとは思えないぐらい動けるし、銃もバッチリ連中に効く」
 皆はユキチカが作った装備に感心していた。

「アイツらがいつでも帰ってくれるようにここの制圧は絶対だ!いいな!」
 ヤスシがそう言うと要塞から増援が現れる。

「おかわりか、いくらでも来い!」
 ヤスシが構える、すると彼の横を通り過ぎ、ストレングスが前に立った。

「ユキチカは砲台の制圧か、面白そうな仕事を取られちまったね」
「おい!前に立つなよ見えないだろ!」
 ヤスシが後ろから文句を言う。

「新しいおもちゃの性能テストさしてもらうよ」

 ストレングスの腕にはいかついガントレットが装着されていた。

 ストレングスが拳を握るとガントレットは機械音を上げる。

「ふん!」
 ストレングスが拳を振るうとガントレットから衝撃波が放たれ、迫りくる敵援軍を粉砕した。

「このガントレット、ちと威力が高すぎるんじゃないかい?これじゃあすぐに終わっちまうよ」

「良いじゃないの、楽な仕事でさ。私達はあくまで脇役、花形のあの子達をサポートするのが大事なんだから」
 ブルズアイが他の敵を撃ち倒しながら話す。彼女のアーマーはシャーロット同様の機動力特化型だ。

「うわぁぁ!」

「なんだ?」
「なんかでっかいのが来ます!」 
 要塞の方から退避してくる味方、その後ろから大型の猛獣のようなフォルムの機械が迫ってきた。

「いるじゃないか、骨のありそうなのが!」
 ストレングスは嬉しそうに笑い、その大型に激突、相手の進行を止めた。

「なんと、あの大型を止めるとはな。良い実戦データが取れそうだ」
 その様子を上から見ているバベッジ。


「ブルズアイ!お前は先に言ってアイツらを援護してやれ」
「はーい」
 ブルズアイは即座にその場を離れ要塞の防壁に乗る。

「一気にここまで来れるとは、中々いいねこのアーマー。さて、みんなはどこかな?」

 腕の端末を操作しようとするブルズアイ。すると彼女は半歩後ろに下がる。

 彼女の頭部があった場所に弾丸が通過し壁にめり込む。

「おっと、なんだあんた?」

「我が名はガンマ、神により選ばれし兵である。それにしても我が神の加護を受けた弾丸を躱すとは、犯罪者にしておくには惜しいな」

 強化外骨格フレームを装着したガンマが何も無い場所から現れる。

「へえ、神様の加護ね。ならもっとねだった方が良いんじゃない?当たりますようにってさ。にしてもすごいねその装備。光化学迷彩?姿消せるんだ」
 ブルズアイは銃を構える。

「ちなみに私は神に祈らない、そんな資格は持ち合わせてないからね」

(こいつはヤバイな、みんなの援護は後回しにするしかない)
 彼女は一目でガンマの危険度を把握し、彼の排除を最優先に設定した。

「安心しろ、神は平等だ。全ての者に祈る資格はある。この弾丸もそう、全ての者を平等に撃ち抜く」
 
 ガンマはライフルを構える。


「対空砲は全部で8箇所!手分けしていく?」
「確かにそっちのほうが早いが、ここは敵地だ、これ以上は分裂せずに行動した方が良い。消耗を避けるのが最優先だ」
 シドーはジーナの提案にそう答えると、彼女は納得し頷く。

「分かりました!」
「何かくるよ」
 施設内の壁を破壊し、大型獣のような機械が現れた。浜辺でストレングス達と交戦しているものと同機体だ。

「でかい!」
「数もいるな、逃げ切るのは難しそうだ。みんな、ここは押し切っちまうぞ!」
「了解!」
 三人は構えて迎撃姿勢をとる。


 同時刻、ウルティメイトのネットワークを奪うために動いているウルル達。

 彼女たちもある者達に足止めを食らっていた。

「随分とまあ悪趣味なことしてくれるな」
「どれこれもイヴさんそっくり」
 彼女たちの目の前にいるのはイヴを思わせる外見のアンドロイド達だった。

「気をつけてください、見た目だけではありません、エネルギー反応が他のものよりも高いです!」

 ウルルが計測したデータを皆に共有する。

「相手も本格的に迎撃に来たか」
 キビ達もまたここを突破するために応戦態勢に入る。

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