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4th フェーズ 奪

No.100 決着に向けて備えよ

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「私達を鍛えるって?」
「2人共最後までやりきるんだろ?そういう約束をしたよね、ユキチカを頼むってね」

 ユキチカ以上の巨躯であるストレングスは2人の顔がよくみえるように姿勢を低くした。

「これからウルティメイトと戦いになる、その勝率をあげるためにあんたらを鍛えるんだ」
 ストレングスはジーナとシャーロットを指差す。

「ジーナちゃんは私ともう一人で、シャーロットちゃんはブルズアイだ」

「人に教えるのは久しくやってないけど、まあ仕事ですし」
 ブルズアイがシャーロットの背後から現れる。

「あの私は」
「ウルルちゃんはアンドロイドだからね。強化するなら装備だな……だがここにあるものであんたの強化に使えそうなものは限られているからね」

 ストレングスが顎に手を当てて考える。

「暇なら私の手伝いをしてもらおうか」

「マチェット様、手伝いとは?」
「あんたのご主人様から依頼された品を準備するのに人手が欲しくてね」
 ウルルはマチェットに一礼する。

「あと3人はキビはジーナちゃんのトレーニングに、シドーさんはシャーロットちゃんのトレーニングに付き合ってもらえるかね。それとチザキさんは……」

「シャーロット」
 チザキはシャーロットの手をつかんで話さない。

「じゃあシャーロットちゃんと一緒にいてもらおうかね」
 ストレングスがそう言うとキビが両拳を鳴らす。

「豪華メンバーだな、徹底的にしごいてやる」

「さて、私は情報を集めるために外にいる部下に連絡してくるよ。また後でね」
 ストレングスはその場を去っていく。

「まずは皆の部屋に案内するから、荷物を置くなりして食堂に集合だな」
 ヤスシは皆を寝泊まりするための部屋に案内する。

「先に言っておくがうちはホテルじゃないから、あまり期待しないでくれよ」

 そんなヤスシの発言とは裏腹に案内された部屋は内装が揃っており、ベッド、大きめなソファにテーブル、そして冷蔵庫にテレビまでついている部屋だ。壁がコンクリートの打ちっぱなしなのもそういうデザインに見えてくる。

「こんな良い所にいんのかよ」

「思えば1番危険人物のストレングスさんも部屋に料理用のオーブンあったり結構自由ですよね……」



 各自、部屋を確認した後に食堂に集まった。
 
「元気そうだな、カラ・ジーナ」
「ショットシェルさん」
 ジーナを待っていたのはショットシェルだ。

「シャーロットちゃんはこっち」

「なんか前来たときと同じだね、ジーナ」
「それじゃあまた後でねシャロ」
 2人はそういって互いのトレーニングに向う。


 ジーナが案内されたのは以前も来た闘技場だった。

「なにするの?また的つけて闘う?」
「いや、今回はゲームじゃなくガチだ」
 リングにあがるジーナとショットシェル。

「じゃあ早速始めようよ」
「そうだな!」
 ショットシェルは砂を蹴り上げる。

「っ!目が!……がっ!この!」
 砂で目潰しをされるもジーナは拳を突き出す。

 彼女の一撃はショットシェルの顔面に命中する。

「目を閉じても当ててくるとは流石だね、だが!」
 ショットシェルはジーナの背後に周り、その両腕で首を絞めた。

「あ……!ぐ!」
「言ったろ?今回はガチだってな」


「さて、シャーロットちゃんは銃の扱い方を覚えてもらう。基本的な撃ち方は忘れてないよね」
 銃を渡されて構えるシャーロット。

「う、うん。こうだよね」
「そうそう、ちゃんと覚えてるね」
 2人のやりとりを黙ってみているシドー。

「……」

「あー始める前に1つ確認しておくよ」
「?」
 ブルズアイはシャーロットが構える銃をゆっくりと掴む。

「この前のはただの的を狙うだけだった、でもウルティメイトとやりあう時に狙うのは……人だよ」

 ブルズアイはシャーロットが持つ銃を動かし、銃口を自分の胸に押し当てた。
 
「ッ!」
「君は大事な人の為に人を殺せるかい?」


「さて、ウルルだっけか」
「どうぞよろしくお願いしますマチェット様」
 
 ウルルはマチェットの後について施設の中を歩いていた。

「あんたのご主人には色々と頼まれてね。まったく揃えるのに時間がかかったよ。だからまだ整備が完了してないんだ。あんた器用なんだろ?」

 いくつかの扉を通ると彼女の部下達が大勢集まっている場所にいた。彼女らはせっせと仕事している。

「あんな大量の銃火器……あれは戦闘機?」
「これらは全部ユキチカからの依頼だ。まとめ買いしてくれたから少しばかり特典をつけているがな」

「ユキチカ様が?どうしてこんな」
「そんなので驚くんじゃねぇよ」
 マチェットは更に奥に進む。

「あんたにはこいつらの整備を手伝って貰うよ」
「なんですか……これ?」
 その先で現れたものを見て固まるウルル。



「んー、おはよ!」
 ベッドしかない部屋でユキチカが起き上がる。

「おはようさん」
「あれ、モチさんだ!おはよ!」
 ベッドの隣にはオニツノが座っていた。

「あんなに色々とあったちゅーのに、ようあんなグースカ寝れるもんやな」
 ユキチカは周囲を見渡している。

「ここはどこか私らも知らん。あの施設を爆破した後に迎えに来た車に乗って気づいたらここにおったんや」

「モチさん迷子なの?」
「ちゃうわ!強いていうなら誘拐や」
 そう言ってオニツノはため息をつく。
 

「鬼丸ユキチカが目を覚ました」

「ああ、分かるよ。いや全くしてやられた、だがまだ終わってない」
 アルファの報告を受けて、カプセルから一人の男が現れた。

「お体の調子は如何ですか、ヴァ―リ様」
「ああ、同期が終わってないからな最悪の気分だよ。だがいつもの事だ慣れた」
 頭を抑えてそういうヴァ―リ。

「この身体の開発が間に合った、これもまた私が使命を全うすることを求められているからに違いない」

「感謝するぞイヴ、お前のお陰でこの最高の身体を手に入れることができた」
「彼らの件ですが、警察は彼らを捕える事ができず。今はインファマス刑務所に」
 アルファはシドーたちの動向を報告した。

「ならば備えるぞ、奴らは必ず島にやってくる。そこで決着をつけてやろう」

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