強制ハーレムな世界で元囚人の彼は今日もマイペースです。

きゅりおす

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2nd フェーズ 集

No36 メイドのお仕事

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突如ブルジョの屋敷に襲撃してきた者達。

「何者だッ!」
ブルジョに襲い掛かった者を押し返すヴィクトリア。

「ここで死んでもらう」
「そんな事させる訳ないでしょうに」

相手は複数人でヴィクトリアに攻撃をしかける。

「ッ!!」
しかし、全ての攻撃は避けられ、代わりに強烈なカウンターを貰った。

「な、なんだコイツ!」

「メイドとは時にして主を守る盾に、ある時は主に降り注ぐ災いを振り払う剣に。鍛えておくのは当然です」
構えるヴィクトリア。

「邪魔をするな!」
相手は再度攻撃をしかける、しかしヴィクトリアにはこれは当たらず、再び手痛い反撃を食らう。

「身一つで乗り込んだ割には随分と動きが緩慢ですね」

「く、クソッ!だったら」
相手の1人がそう言うと何やら彼女たちの身体から機械音が鳴り響く。

「一体何をして!!」

ブルジョの部屋にある大きな机。
一本の木から切り出した貴重なものである、この部屋に運び込むのに窓を外して重機を用いた記憶がある。

それを相手は片手で持ち上げたのだ

「なっ……!!」
「おいおい、ヤバイくないかい?それは!」

「ご自慢の机か?ほら!」
相手は机を投げ飛ばす。

「うわああ!!」
間一髪で部屋から飛び出したブルジョとヴィクトリア。

「どうなってるんだアイツらは!」
「ブルジョ様!早くこちらへ!」
二人はとにかく外に出る為に廊下を走る。

すると同じように身体から機械音を上げる襲撃犯が待ち構えていた。

「ブルジョ・ジー、逃さんぞ反逆者め!」

「反逆?!なんのことだ!」
「あなた達こんな事をしたらどんな罪に問われるか分かっているのでしょうね!」

「ふん、即死刑か?そんなのに怯える我々ではない。人類のためならば一人の命など些細な事」
部屋から追いかけてきた者に背後も塞がれてしまう。

「ッ!」
ヴィクトリアは壁際にブルジョを連れて行き、彼を背にして守ろうとする。

「時代遅れな貴様に我々が止められるものか」
じりじりと距離を詰めてくる相手。

「覚悟!」
相手が攻撃を仕掛けようとしたその時。

「ごーしゅじんさまー!!」

外から声が。
「ッ!この声は!」

「とう!」
窓ガラスを割り、現れたのはユキチカだった。

彼はそのままの勢いで相手の一人にドロップキックをかます。

「二人共大丈夫ですか?それとユキチカ!当たり前のように窓割ってんの?!」
「はぁはぁ、良かった、間に合った」
ジーナとシャーロットも駆けつけた。

「皆様!こちらへ!」
彼女たちに続いてウルルもやってきた。

「シャロとヴィクトリアさんはブルジョ様と一緒に!ウルル外までお願い!」

「貴様ら!」
相手の前にユキチカとジーナが立ちふさがる。

「メイドさんの働きっぷりみせちゃるぜ!」
「今度は何に影響されたの?」
ジーナは構える。

「さあ、行ってください!この二人は私達に任せてください」

「行きましょう!」
シャーロットが二人の手を引いてウルルと共に外へと向かった。


「あの二人だけで?!相手は……」
「はい、特殊な装備をしてるんですよね。外の監視カメラとかで確認しました。強化外骨格フレームで身体能力を向上させているんです。だからこそ素手で戦えるあの二人が適任なんです」

シャーロット達が外にでるとそこには気絶した警備員達が倒れていた。

「不意をつかれたみたいで、もう救急車は呼んでいるので私達はここから逃げましょう!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!君はあの会社の人間なのか?」

ブルジョが指をさす、ウルルのエプロンについたウルティメイト社のロゴに。

「安心してください、彼女は大事な友達です。私もあの会社には色々と思う所がありますが彼女は他のアンドロイドとは違います、大丈夫です」
シャーロットは力強くそういった。

「そうか、君たちがそういうなら」
ブルジョはそう言って運転席の後ろに座る。


「というか君はアンドロイドなのかい?随分と、その今まで見たアンドロイドに比べて人間っぽいというか」
「はい、アンドロイドのウルルです。よろしくお願いします、それでは参りますよ!全力で飛ばして行きます!」
挨拶を済ますと、ウルルはアクセル全開で車を飛ばした。



「こいつら、どうなっているんだ?!」
「なぜ我々を相手にここまで!?」

相手の衣服は破け、その下にある金属製のフレームが露出していた。
フレームには様々な機械が取り付けられていた。

「へん、ちょっと機械を体に取り付けただけで何を自慢げにしてるんだか!ねぇ」
「ぼくも前あれ作ったよー、12年前ぐらいに」

相手している二人はだいぶと余裕そうだ。

「くっ!馬鹿にして!」
「これならどうだ!」
相手はそういうと何やら自身の腕に取り付けられた装置を操作する。

すると二人は姿を消した。

「あれ?いなくなった」
「え、ユキチカにも見えないの?」

ユキチカはきょろきょろと周囲を見渡すがどこにもいないようだ。

「なんかセンサーが変かも、うまく見えない」
そう言っていると彼は突然何かに衝突したように吹き飛ぶ。

「うーん、殴られたみたい。でも見えない」

「なに?!全力で殴ったのに、なんて頑丈な」
どこからか声がする。

「そこだ!」
ジーナが突きを放つとしっかりと手応えがあった、しかし相手はいまだ見えない。

「ぐっ!!」
どこからか聞こえる相手の苦しそうな声。

「本当に見えない、これのせいで警備の人たちもやられたのかな」
何か方法は無いかと周囲に目を配るジーナ。

「ユキチカあれって使える?」
何か見つけたジーナが上を指さす。
「おお!ナイスアイディア!」
ユキチカは天井に向かって手を向ける。

「ショット!」
彼の手から放たれた復数の空気の弾は天井に設置されたスプリンクラーを壊した。

これにより水が周囲に飛び散る。

「よーしこれで!ってあれ?」
しかしそれでも相手は見なかった。
透明になっていたとしても、水が降り注げばその姿は分かる筈なのに。

「ジーナ、音!」
ユキチカがジーナにそういうと彼女は気づいた。

どういうわけか分からないが、姿は見えないのに音はちゃんと聞こえていた。

「もう隠れられないよ!」
ジーナがその音の内一人を捉えた。
「ぼくもー!」
ユキチカももう一人にパンチを放った。

壁に叩きつけられた相手は姿を表す。

「ぐ!全然ダメじゃない!はぁはぁ、なんだ気分が……!とても悪い」
「一旦退避だ!」
襲撃犯がその場から逃げ出そうと、ユキチカ達がいない方である廊下を走りはじめた。

「この脚には追いつけまい!」
二人共、脚につけたフレームで常人離れした走りを見せる。

「走るのはやいね!」

「「え?」」
襲撃犯の隣にはユキチカが走っていた。

「よっ」
彼はジャンプして二人の前に飛び出した。

そして右掌を相手に向け、腕を展開。
大量の空気を取り込む。

「いっくよー!べろ噛まないでね」
圧縮された空気が放たれて強烈な突風が吹く。

「うわあああ!!」
「な?なんだぁぁぁ!?」
相手は重なった状態で飛ばされる。
向かう先は先程までいた場所。

その先にはジーナが待ち構えていた。

「覚悟してね!黒鉄!」
ジーナは吹き飛んできた二人に右拳を叩き込む。

襲撃犯の外骨格フレームが砕けちる。
二人は地面に倒れた。


「よーし!」
「お仕事かんりよー!」
ジーナとユキチカがハイタッチをする。

するとうめき声を上げる襲撃犯。

「ゴホッ!何を喜んでいる?我々の仲間はまだいるぞ?」
「そ、そうだ、きっと貴様らは一番戦闘に長けているから残ったんだろう?つまり残りのは戦闘に向いていない者達。あのメイドさえ何とかすればあとは容易い」

相手は地面から起き上がれないまま話す。
その話をきいて鼻で笑うジーナ。

「随分と低いところから見下してくれるね」

「低みの見物!」
ユキチカは相手と同じ視線になるよう地面に突っ伏した。

「あなた達の人数も確認済みでここに来てるの。なのでご心配なくちゃーんと私達の友達が対処してくれていますから」


その時シャーロットは

「うわうわうわ!!」
「シャロ様!頑張って!」
「あああ!もうだめだ!!」
「お願いですから運転変わってください!!チャールズさん!」

何故かハンドルを握り、夜の街を爆走していた。
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