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第1章 アルテ
探索
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アルテ達が近くの村に着くと、村の出入口扉の近くに先ほどまでアルテ達が乗っていた乗り合い馬車があった。
その馬車は2頭立てで引かれていたが、馬の1頭は既に死んでいた。
また生き残っている馬も、かろうじて息をしている状態で、馬車の幌の中や御者台には誰もいなかった。
アルテは嫌な予感がしていた。
この村に着けば何とかなると思っていたが、この村か村の近くで何かがあって、馬車に乗っていた人はそれに巻き込まれたのではないかと思った。
村の出入口には大きな木の杭で作られた扉があり、その周りを村全体を囲むように大きくて太い木の柵が囲んでいた。
そして扉のすぐ近くには左右に分かれた見張台が2つ設置されていた。
しかしその見張り台には誰も見当たらなかった。
それに今の時間帯(夕方ぐらい)だったら、普通はこの規模の村であれば、門兵の村人が出入口に一人はいるはずだし、村の出入口を今、わざわざ閉める必要がないのだ。
アルテが村内の探索をすべきか考えていると、ミカサが出入口扉に近付き、扉の隙間がないか村内をを覗けるような隙間がないか探し始めた。
しかし、そんな隙間が見つからなかったのか、ミカサは急に魔法を詠唱し始めた。
アルテがいきなりのことで止めようとしたが、ミカサはアルテの話しを聞かず、魔法の詠唱を終えた。
詠唱が終わると同時にミカサの頭上に楕円形の形をした畳1枚位の大きさ暗闇が現れた。
そして時折その暗闇からは稲光が迸っていた。
ミカサは
「私は疲れたんだ。閉まってる扉のほうが悪い。私は悪くない。」
と言って、そのままその暗闇を村の出入口扉に近付けたところ、暗闇に触れたところから、音もなく扉は崩れていった。
そして暗闇の中で迸っていた稲光が近くの見張り台を駆け抜け、轟音と共に破壊した。
出入口扉があったところには、今は大きな亀裂があるだけだった。
アルテが村の中に足を踏み入れて村人を探そうと村の中に入ったにも関わらず、また先ほどの轟音にも関わらず、村内からは音や話し声、気配が一切すなかった。
アルテが村の家々を周るが、やはり人の気配は無かった。
そのまま、村の中央を抜けて、村の反対側まで来たところでこの静けさの原因が分かった。
村の反対側にある村の出入口扉の前におそらくこの村の村人達と思われる死体がうず高く積まれていた。
そしてその死体の山の上に黒い、栗のような形をしたものが浮遊していた。
何かの儀式に村人が使われたのか、浮かんでいる黒い栗が原因なのかはアルテにはわからなかった。
また、死体の山に近づいてもその黒い栗はアルテ達には何の反応もしなかった。
ただ、アルテ達の後をついて来ていた灰色狼だけがその栗に低く静かに唸っていた。
その馬車は2頭立てで引かれていたが、馬の1頭は既に死んでいた。
また生き残っている馬も、かろうじて息をしている状態で、馬車の幌の中や御者台には誰もいなかった。
アルテは嫌な予感がしていた。
この村に着けば何とかなると思っていたが、この村か村の近くで何かがあって、馬車に乗っていた人はそれに巻き込まれたのではないかと思った。
村の出入口には大きな木の杭で作られた扉があり、その周りを村全体を囲むように大きくて太い木の柵が囲んでいた。
そして扉のすぐ近くには左右に分かれた見張台が2つ設置されていた。
しかしその見張り台には誰も見当たらなかった。
それに今の時間帯(夕方ぐらい)だったら、普通はこの規模の村であれば、門兵の村人が出入口に一人はいるはずだし、村の出入口を今、わざわざ閉める必要がないのだ。
アルテが村内の探索をすべきか考えていると、ミカサが出入口扉に近付き、扉の隙間がないか村内をを覗けるような隙間がないか探し始めた。
しかし、そんな隙間が見つからなかったのか、ミカサは急に魔法を詠唱し始めた。
アルテがいきなりのことで止めようとしたが、ミカサはアルテの話しを聞かず、魔法の詠唱を終えた。
詠唱が終わると同時にミカサの頭上に楕円形の形をした畳1枚位の大きさ暗闇が現れた。
そして時折その暗闇からは稲光が迸っていた。
ミカサは
「私は疲れたんだ。閉まってる扉のほうが悪い。私は悪くない。」
と言って、そのままその暗闇を村の出入口扉に近付けたところ、暗闇に触れたところから、音もなく扉は崩れていった。
そして暗闇の中で迸っていた稲光が近くの見張り台を駆け抜け、轟音と共に破壊した。
出入口扉があったところには、今は大きな亀裂があるだけだった。
アルテが村の中に足を踏み入れて村人を探そうと村の中に入ったにも関わらず、また先ほどの轟音にも関わらず、村内からは音や話し声、気配が一切すなかった。
アルテが村の家々を周るが、やはり人の気配は無かった。
そのまま、村の中央を抜けて、村の反対側まで来たところでこの静けさの原因が分かった。
村の反対側にある村の出入口扉の前におそらくこの村の村人達と思われる死体がうず高く積まれていた。
そしてその死体の山の上に黒い、栗のような形をしたものが浮遊していた。
何かの儀式に村人が使われたのか、浮かんでいる黒い栗が原因なのかはアルテにはわからなかった。
また、死体の山に近づいてもその黒い栗はアルテ達には何の反応もしなかった。
ただ、アルテ達の後をついて来ていた灰色狼だけがその栗に低く静かに唸っていた。
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