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第2章 悪魔の国

第1話 夢魔回廊

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もう何度目か分からない。
ファンはそう思った。

ファンは目覚めた時と同じベッドの上にいた。
メイドが部屋に入ってきて、ファンを起こす。
そして着替えを手に取り、ファンの着替えの補助をする。
そして共に家族と食事を食べるホールへ行く。

ただし、いつもと違うのはそのメイドがアンデッドであったり、人形であったり、ゴーストであったり、スケルトンやミイラ等であることだ。
また、その全てが会話することができないが、ファンに襲いかかってくることがないことだ。

この状況から脱出するため、緊急脱出路も含めて、ファンは領主邸からの脱出を試みるも結果は何度も同じで、ベッドの上に戻される。
しかも、全て時間は朝に巻き戻る。

ファンはこれが幻術なのか、それとも全く別の何かなのか判断がつかなかった。

そして何度目か、いや何十度目か分からなくなった時、ファンが正門から外に出ようとした時、それは起こった。

微かな、本当に聞き逃しそうな声の大きさの歌が聞こえたのだ。

しかし、回りには誰もいない。
しばらく待ってみるも誰も現れない。

そして、何とかして、門(正門)に触れた途端、ベッドに戻っていた。


ただ、この時から屋敷内で何度も繰り返しされてきたメイドが起こしに来ることがなくなり、また誰もいなくなった。

そしてファンの部屋の扉がひとりでに開いた。

普通の3歳児なら泣きじゃくっているだろうな
とファンは思った。

そして促されるままに、導かれるように部屋を出ると、また歌が聞こえた。

そしてその歌が聞こえる方向に歩くと、領主邸地下にある一つの部屋に着いた。

歌は聞こえる。
部屋の中は得体が知れない。
ただ、思うところがあって、部屋の扉を開けた。
すると、部屋中には誰もおらず、部屋のタンス上に置かれたオルゴールが鳴っていた。

バレリーナが踊っているようなモチーフを上に乗せたオルゴールだった。

そしてそれを手に取り、底を見たりして観察していると、指先に痛みが走った。
指を確認すると、指先が少し切れていた。

そして、その血がオルゴールの台座まで垂れると、オルゴールのモチーフがみるみる変わり始め、頭巾を被った少女のモチーフに変わった。

そして、さっきまで部屋に誰もいなかったのに、執事服身を包んだ一人の妙齢な男が立っていた。
そしてファンに

「お迎えに上がりました」

と告げると、ファンは意識を失った。

そして、ファンは意識がない中、夢の中で、先ほどの執事服の男と出会った。
そして

「どうぞ」

と促されるままに後ろをついて行くと、一つの村に着いた。

しかし、そこにいる村人が全て人ではなかった。
それに村のいたるところに、魔物がいた。


その村の中を執事の案内のもとに歩いていると、昨日、領主邸の裏門で会ったあの大きな角を生やした男を発見した。

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