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入学式
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「そう今日は中学の入学式。私の青春が始まる日‼︎ 足を弾ませながら校門へと向かう。」
いや、こんな感じで始めたいよ⁉︎でも絶対こんな『普通』の小説の始まりみたいにはできない。なぜならうちにはあのちょっと変な母親がいるのだからー・
---------
うちには二つの人種がいる。「普通人」と「変人」だ。普通人は私と弟と父親、変人は母親のみって感じだけど弟と父親が言うには私も変人らしい。まあ自分が思うに私は普通人だからこのように振り分けてもいいだろう。なんで二人は私を変人というのか到底理解できない。
母親はちょっとどころかガチの変人だ。いつも訳の分からないことを言ってくる。未来が見えただの自分は異世界から来ただの言ってくるが、そんな訳ないだろう。こんな事を言ってきた時はスルーするか「はいはいわかったから」などと言っておけば大体黙る。まあこれで分かっただろう。こんな母親が私の入学式でやらかさない訳が無いと。
---------
校門前に着いた。家からここまでは約15分。この15分の間何も起きない。変だ。いつもなら既に母親がやらかしている。なのに何も起きない。これを変と呼ばずになんと言おう。まあ何も起きない以上とやかく言うつもりはないし逆に嬉しい事だと思う。そんな事を思いながら私は足を踏み入れた。
「さーちゃんっ!なんで一人で先に進んでしまうの⁈まずは写真撮らなきゃ♡」
いや今写真撮る必要ある?貴方が準備遅いから来ようと思ってた時間よりちょっと遅れてるんだよ?こんな事を言おうとしたが言えば母親が傷ついてしまうと思い喉ら辺で止めることに成功した。そのかわり超絶嫌な顔をしてやろうーこんな事を3秒前は思っていた。そして今私は一体何を見ているんだ?そこには在校生に絡んでいる母親がいた。
「あら!これからさーちゃんの先輩になる方々?さーちゃんの事よろしくお願いしますね!あの子ちょっとおっちょこちょいで心配なんですっ!見守ってあげてください。あとよかったら勉強の方でもよろしくお願いしますね♡」
いやまて。全く話したことがない人達に超絶嫌な顔を晒した私も恥ずかしいが、自分の母親が20人くらいいる在校生全員に同じ内容を話している母親の方が恥ずかしい。先輩方、私の母親がすみません。そんな憐みの目を向けないでください。もっと恥ずかしくなります。そんな目を向けられながら私は母親を置いて校舎へと向かった。
着いて来ていない事を確認して教室に入る。既に先生が立っていた。完全なる遅刻だ。初っ端から遅刻なんて不良じゃないか。まずは先生に謝ろう。
「先生。遅くなってすみません。」
「あら橘さん。まだ指定の時間じゃないので大丈夫よ。そこの席に座って。」
良かった。遅刻では無いみたいだ。母親のせいで遅刻しただのと思ったが違かった。心の中で謝っておこう。そしてもちろん教室には親は入ってこないので気が楽だ。だがそれも束の間。30分後には講堂で入学式。何も起きないといいがー・
---------
なんで私はフラグを立ててしまうんだろう。何が「何も起きないといいが」だ。かんっぺきなフラグじゃないか。
事の発端は入学式での点呼。自分の名前が呼ばれたら返事をして起立するシことになっている。さあ私の名前が呼ばれた。返事をしよう。なのになんで母親の声が聞こえる?絶対この声は母親。なんで止めないんだよお父さん。そうかそうだった、お父さんは母さんに弱いんだった。はぁ、弟も連れてくればよかったな。弟なら止められたのに。後悔してももう遅い。全校生徒に私の母が知れ渡ってしまった。こうなるともう止められない。母が今後変な事をすればすぐに学校中に広まってしまうだろう。それは阻止しなければ…そう心に刻んだ。
---------
ようやく家だ。あのあとから母がやらかさなくて良かった。あれ以上されたら流石の私でも起こっていただろう。うん。さて昼ごはんはなんだろう。聞いてみよう。
「ねぇ今日の昼ごはんなーに?」
「そうねぇ。きょうはさーちゃんの入学式だったし…さーちゃんの好物のレッドボアの焼豚にしましょ!♡」
焼豚最高!でも今変な事言ってたような…レッドなんとか…レッドボ…レッドボア!は⁉︎
いや、こんな感じで始めたいよ⁉︎でも絶対こんな『普通』の小説の始まりみたいにはできない。なぜならうちにはあのちょっと変な母親がいるのだからー・
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うちには二つの人種がいる。「普通人」と「変人」だ。普通人は私と弟と父親、変人は母親のみって感じだけど弟と父親が言うには私も変人らしい。まあ自分が思うに私は普通人だからこのように振り分けてもいいだろう。なんで二人は私を変人というのか到底理解できない。
母親はちょっとどころかガチの変人だ。いつも訳の分からないことを言ってくる。未来が見えただの自分は異世界から来ただの言ってくるが、そんな訳ないだろう。こんな事を言ってきた時はスルーするか「はいはいわかったから」などと言っておけば大体黙る。まあこれで分かっただろう。こんな母親が私の入学式でやらかさない訳が無いと。
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校門前に着いた。家からここまでは約15分。この15分の間何も起きない。変だ。いつもなら既に母親がやらかしている。なのに何も起きない。これを変と呼ばずになんと言おう。まあ何も起きない以上とやかく言うつもりはないし逆に嬉しい事だと思う。そんな事を思いながら私は足を踏み入れた。
「さーちゃんっ!なんで一人で先に進んでしまうの⁈まずは写真撮らなきゃ♡」
いや今写真撮る必要ある?貴方が準備遅いから来ようと思ってた時間よりちょっと遅れてるんだよ?こんな事を言おうとしたが言えば母親が傷ついてしまうと思い喉ら辺で止めることに成功した。そのかわり超絶嫌な顔をしてやろうーこんな事を3秒前は思っていた。そして今私は一体何を見ているんだ?そこには在校生に絡んでいる母親がいた。
「あら!これからさーちゃんの先輩になる方々?さーちゃんの事よろしくお願いしますね!あの子ちょっとおっちょこちょいで心配なんですっ!見守ってあげてください。あとよかったら勉強の方でもよろしくお願いしますね♡」
いやまて。全く話したことがない人達に超絶嫌な顔を晒した私も恥ずかしいが、自分の母親が20人くらいいる在校生全員に同じ内容を話している母親の方が恥ずかしい。先輩方、私の母親がすみません。そんな憐みの目を向けないでください。もっと恥ずかしくなります。そんな目を向けられながら私は母親を置いて校舎へと向かった。
着いて来ていない事を確認して教室に入る。既に先生が立っていた。完全なる遅刻だ。初っ端から遅刻なんて不良じゃないか。まずは先生に謝ろう。
「先生。遅くなってすみません。」
「あら橘さん。まだ指定の時間じゃないので大丈夫よ。そこの席に座って。」
良かった。遅刻では無いみたいだ。母親のせいで遅刻しただのと思ったが違かった。心の中で謝っておこう。そしてもちろん教室には親は入ってこないので気が楽だ。だがそれも束の間。30分後には講堂で入学式。何も起きないといいがー・
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なんで私はフラグを立ててしまうんだろう。何が「何も起きないといいが」だ。かんっぺきなフラグじゃないか。
事の発端は入学式での点呼。自分の名前が呼ばれたら返事をして起立するシことになっている。さあ私の名前が呼ばれた。返事をしよう。なのになんで母親の声が聞こえる?絶対この声は母親。なんで止めないんだよお父さん。そうかそうだった、お父さんは母さんに弱いんだった。はぁ、弟も連れてくればよかったな。弟なら止められたのに。後悔してももう遅い。全校生徒に私の母が知れ渡ってしまった。こうなるともう止められない。母が今後変な事をすればすぐに学校中に広まってしまうだろう。それは阻止しなければ…そう心に刻んだ。
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ようやく家だ。あのあとから母がやらかさなくて良かった。あれ以上されたら流石の私でも起こっていただろう。うん。さて昼ごはんはなんだろう。聞いてみよう。
「ねぇ今日の昼ごはんなーに?」
「そうねぇ。きょうはさーちゃんの入学式だったし…さーちゃんの好物のレッドボアの焼豚にしましょ!♡」
焼豚最高!でも今変な事言ってたような…レッドなんとか…レッドボ…レッドボア!は⁉︎
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