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第二章 神苑の瑠璃 前編
第九話 瑠璃にまつわる様々な噂 Ⅱ
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突然何を言うのかと疑問に思ってレイだが思わず自分の背後にある扉の方に目を向けた、その扉は音もなく自然に開いた。そしてドアの向こうからアリスの姿が見えた。ゆっくりとドアを開けて二人の部屋へと入ってくる。バツが悪そうに頭をかきながら舌をちろりとだして入ってきた。
「あはは、ばれちゃった?」
「ばれちゃったじゃねぇよ。盗み聴きなんて性質が悪いぜ。でも話す手間が省けたわけだな、そう言う事だから宜しく頼むぞ?」
「いやぁ~、その事なんだけど」
アリスはまたバツが悪そうに右手で後ろ頭を掻く。
「実はアリスって名前、偽名なんだ」
「はぁ!?」
急に窓が勢いよく開いた、レイとアデルはとっさに後ろを振り向くとガズルが窓から顔を出していた。ここ三階なんだけど。あんぐりと口を開けて魚みたいにパクパクと開閉している、とても気持ちが悪い。
「いやだって! 見知らぬ人だよ? 私から付いていくとは言ったけど見知らぬ男だよ!? とっさに偽名使っちゃったんだもん仕方ないじゃない!」
そんな事を叫びながら偽名が怒る、それを見てレイが笑う。
「ははは、確かにこの二人と一緒に行動するってなるとわからないでもないね」
「レイ、お前なぁ」
顔を真っ赤にしてアデルが睨みつける。ガズルは未だに口をパクパクさせていた。気持ち悪い。
「で、本当の名前はなんていうんだよ偽名さん」
「ぎ、偽名さんって言うな! プリムラよ『プリムラ・キリエンタ』!」
「プリムラか、わかったなるべく間違えないように呼ぶよ偽名さん」
調子に乗ったアデルはまたもプリムラの事を偽名さんと呼ぶ、だが言われた張本人はプルプルと震え近くにあった花瓶をアデルに力任せに投げた。
「あた!」
額にぶつかり花瓶が割れる、中に入っていた水はアデルの顔を濡らした。ガズルは~……まだやっていた。気持ち悪い。
「それじゃ行ってきます、しばらくの間留守を頼みます」
「任せな、お前達は楽しみながら行ってくると良い。出来たての軍隊だ、最初の内はこっちから依頼を探しに行かないと見つからないさ」
レイを率いるFOS軍は一路中央大陸にあるカルナック家を目指す事にした、メンバーはレイ、アデル、プリムラ、メル、ガズル、ギズー、シトラの七人だ。留守を頼まれたのはあの医者だ。彼はFOS軍専属の医者として雇われる事になった、そして最初の仕事がただの留守番だから笑い物である。
彼曰く仕事を探してくると言うがレイはそれを拒んだ、なぜなら拠点は中央大陸に置きたいからである。
そして医者に
「暫くしたらこちらから何らかの手段で連絡を入れます、そうしたら中央大陸に渡ってきて下さい。少しながら拠点を持ちたいと思っていますから、勿論貴方専用の医務室も付けて」
「ほう、そりゃ楽しみだ。了解、首を長くして待ってるよ」
レイ達は医者に手を振って別れた、医者も手を振って彼等の旅路が無事に行く事を祈りつつ宿に戻る事にした。
「所でレイ、どうやって中央大陸に渡るつもりだ?」
「そこなんだよ、船だってこの時期徴収出来るとも思えないし。どうするかな……」
アデルはどうやって中央大陸に渡るかをレイに訪ねた、だが返ってきた答えは頼りがいのない答えだった。だが実際問題この時期船を出してくれる親切な人は多分居ないだろう。そのことだけがレイの頭をよぎる。
「うふふ、あなた達。私の存在を忘れてないかしら?」
「シトラさん、急に何を言い出すかと思えば。何か良い策でもあるんですか?」
「何って、これから向かうグリーンズグリーンは私が働いていたケルヴィン領主様の敷地だよ? 私の船に乗ると良いわ」
シトラが楽しそうに笑顔で言うと他のメンバーは一斉に足を止めてシトラの方を見た。驚いた表情で全員から目線を送られると流石のシトラも後ろへとたじたじ、少し驚いた様子で下がった。
「え、何?」
「シトラさんって、そんなに偉かったんですか?」
「そう言えば、シトラはケルヴィン領主部隊第三番隊長だったな。忘れてた」
ギズーがポンと手を叩いた、そしてガズルも初対面の事を思い出して顔が青ざめた、直ぐさま恐怖が脳裏をよぎりアデルの後ろへと隠れた。
「隊長って、実はもの凄く強いんじゃないですか!?」
レイが驚いた様子でシトラに言った、シトラは少し呆気に取られてギズーの方を見た、ギズーは首を横に振って諦めていた。
「あのねレイ君、少なくとも君達よりは強いわよ? ガズルちゃんの怯えた様子を見れば一目瞭然でしょう?」
突然名前を呼ばれたガズルはすかさず後ろへと下がった、シトラは以前の鬼神の如き目でガズルを見つめたからでもある。その様子を見たレイは少し笑いながらそうですねと答えた。
「さて、こんな所でぐずぐずしてると今日中にたどり着けないわよ? 臨機応変に前進!」
シトラは口笛を吹きながら軽快なステップを踏んだ、その年にしてはとても身のこなしが軽い。その行動に思わずメルが吹き出す、だが静かにだ。
「ほら、ガズル君も何時までも怯えてないで行きましょう?」
メルが怯えるガズルの後方に回り背中を押す、嫌々に歩くガズルは何処か子供が駄々をこねているようにも見える。その様子に他のメンバーは笑いながらシトラの後に続いて歩いた。
「三番隊隊長か、頼りになりそうだね」
レイはガズルの背中を押していたメルにそう言った、ようやく背中を押すのを止めてレイの隣を歩くようにしてそばに付いた。
「そうだね、とてもそんな風には見えないのにね」
「全くだ、人は見かけによらないって奴だね」
「あれ、それはレイ君だって同じじゃない」
二人は笑った、笑いながらシトラの前、つまり先頭を歩く二人が居た。
「結局出来てるって話か」
「みたいだな、羨ましい限りだ」
ぼそぼそと話し声が聞こえた、正体はアデルとガズルだった。二人は自分たちの後ろを歩くプリムラに聞こえないように小さな声で話した。思えばこの二人も今は恋する少年、それを知ってしらずかレイとメルは二人仲良く並んで歩いている。
「めんどくさい、本当なら俺とレイの二人だけの旅だったのにこんなに付属品が居るなんて馬鹿馬鹿しい。いっそ此奴ら殺しちまおうかな?」
これもまた本当に小さな声で喋った、ギズーはイライラを募らせながらてくてくと歩いていく。一番後ろを歩いている為に少しながら大きな声で喋っても誰にも気付かれないだろう。
「まぁ、いいか」
半分あきらめ顔でそう言うと重い足取りをがまんしてすたすたと歩き出した。
「はぁ、あの二人の馬鹿は結局どうすればいいのかな?」
今度はプリムラだった、つい最近アデルとガズルに告白された事を思い出しながら真ん中より少し後ろを歩いていた。
「でも、あの二人に限ってお互い殺し合いなんて……するわけ無いか」
考えていた事を少し口に出しながらとことこと歩いているアリスが居た。
それぞれの思いを胸にスタートしたFOS軍、不気味な笑顔を浮かべながら彼等を倒さんと微笑むレイヴン。カルナックに秘められた謎とシトラの本当の正体。そして……レイが見た夢の本当の意味を探す旅になる事を。
そしてその日の夜、彼等はグリーンズグリーンに到着した。
「あはは、ばれちゃった?」
「ばれちゃったじゃねぇよ。盗み聴きなんて性質が悪いぜ。でも話す手間が省けたわけだな、そう言う事だから宜しく頼むぞ?」
「いやぁ~、その事なんだけど」
アリスはまたバツが悪そうに右手で後ろ頭を掻く。
「実はアリスって名前、偽名なんだ」
「はぁ!?」
急に窓が勢いよく開いた、レイとアデルはとっさに後ろを振り向くとガズルが窓から顔を出していた。ここ三階なんだけど。あんぐりと口を開けて魚みたいにパクパクと開閉している、とても気持ちが悪い。
「いやだって! 見知らぬ人だよ? 私から付いていくとは言ったけど見知らぬ男だよ!? とっさに偽名使っちゃったんだもん仕方ないじゃない!」
そんな事を叫びながら偽名が怒る、それを見てレイが笑う。
「ははは、確かにこの二人と一緒に行動するってなるとわからないでもないね」
「レイ、お前なぁ」
顔を真っ赤にしてアデルが睨みつける。ガズルは未だに口をパクパクさせていた。気持ち悪い。
「で、本当の名前はなんていうんだよ偽名さん」
「ぎ、偽名さんって言うな! プリムラよ『プリムラ・キリエンタ』!」
「プリムラか、わかったなるべく間違えないように呼ぶよ偽名さん」
調子に乗ったアデルはまたもプリムラの事を偽名さんと呼ぶ、だが言われた張本人はプルプルと震え近くにあった花瓶をアデルに力任せに投げた。
「あた!」
額にぶつかり花瓶が割れる、中に入っていた水はアデルの顔を濡らした。ガズルは~……まだやっていた。気持ち悪い。
「それじゃ行ってきます、しばらくの間留守を頼みます」
「任せな、お前達は楽しみながら行ってくると良い。出来たての軍隊だ、最初の内はこっちから依頼を探しに行かないと見つからないさ」
レイを率いるFOS軍は一路中央大陸にあるカルナック家を目指す事にした、メンバーはレイ、アデル、プリムラ、メル、ガズル、ギズー、シトラの七人だ。留守を頼まれたのはあの医者だ。彼はFOS軍専属の医者として雇われる事になった、そして最初の仕事がただの留守番だから笑い物である。
彼曰く仕事を探してくると言うがレイはそれを拒んだ、なぜなら拠点は中央大陸に置きたいからである。
そして医者に
「暫くしたらこちらから何らかの手段で連絡を入れます、そうしたら中央大陸に渡ってきて下さい。少しながら拠点を持ちたいと思っていますから、勿論貴方専用の医務室も付けて」
「ほう、そりゃ楽しみだ。了解、首を長くして待ってるよ」
レイ達は医者に手を振って別れた、医者も手を振って彼等の旅路が無事に行く事を祈りつつ宿に戻る事にした。
「所でレイ、どうやって中央大陸に渡るつもりだ?」
「そこなんだよ、船だってこの時期徴収出来るとも思えないし。どうするかな……」
アデルはどうやって中央大陸に渡るかをレイに訪ねた、だが返ってきた答えは頼りがいのない答えだった。だが実際問題この時期船を出してくれる親切な人は多分居ないだろう。そのことだけがレイの頭をよぎる。
「うふふ、あなた達。私の存在を忘れてないかしら?」
「シトラさん、急に何を言い出すかと思えば。何か良い策でもあるんですか?」
「何って、これから向かうグリーンズグリーンは私が働いていたケルヴィン領主様の敷地だよ? 私の船に乗ると良いわ」
シトラが楽しそうに笑顔で言うと他のメンバーは一斉に足を止めてシトラの方を見た。驚いた表情で全員から目線を送られると流石のシトラも後ろへとたじたじ、少し驚いた様子で下がった。
「え、何?」
「シトラさんって、そんなに偉かったんですか?」
「そう言えば、シトラはケルヴィン領主部隊第三番隊長だったな。忘れてた」
ギズーがポンと手を叩いた、そしてガズルも初対面の事を思い出して顔が青ざめた、直ぐさま恐怖が脳裏をよぎりアデルの後ろへと隠れた。
「隊長って、実はもの凄く強いんじゃないですか!?」
レイが驚いた様子でシトラに言った、シトラは少し呆気に取られてギズーの方を見た、ギズーは首を横に振って諦めていた。
「あのねレイ君、少なくとも君達よりは強いわよ? ガズルちゃんの怯えた様子を見れば一目瞭然でしょう?」
突然名前を呼ばれたガズルはすかさず後ろへと下がった、シトラは以前の鬼神の如き目でガズルを見つめたからでもある。その様子を見たレイは少し笑いながらそうですねと答えた。
「さて、こんな所でぐずぐずしてると今日中にたどり着けないわよ? 臨機応変に前進!」
シトラは口笛を吹きながら軽快なステップを踏んだ、その年にしてはとても身のこなしが軽い。その行動に思わずメルが吹き出す、だが静かにだ。
「ほら、ガズル君も何時までも怯えてないで行きましょう?」
メルが怯えるガズルの後方に回り背中を押す、嫌々に歩くガズルは何処か子供が駄々をこねているようにも見える。その様子に他のメンバーは笑いながらシトラの後に続いて歩いた。
「三番隊隊長か、頼りになりそうだね」
レイはガズルの背中を押していたメルにそう言った、ようやく背中を押すのを止めてレイの隣を歩くようにしてそばに付いた。
「そうだね、とてもそんな風には見えないのにね」
「全くだ、人は見かけによらないって奴だね」
「あれ、それはレイ君だって同じじゃない」
二人は笑った、笑いながらシトラの前、つまり先頭を歩く二人が居た。
「結局出来てるって話か」
「みたいだな、羨ましい限りだ」
ぼそぼそと話し声が聞こえた、正体はアデルとガズルだった。二人は自分たちの後ろを歩くプリムラに聞こえないように小さな声で話した。思えばこの二人も今は恋する少年、それを知ってしらずかレイとメルは二人仲良く並んで歩いている。
「めんどくさい、本当なら俺とレイの二人だけの旅だったのにこんなに付属品が居るなんて馬鹿馬鹿しい。いっそ此奴ら殺しちまおうかな?」
これもまた本当に小さな声で喋った、ギズーはイライラを募らせながらてくてくと歩いていく。一番後ろを歩いている為に少しながら大きな声で喋っても誰にも気付かれないだろう。
「まぁ、いいか」
半分あきらめ顔でそう言うと重い足取りをがまんしてすたすたと歩き出した。
「はぁ、あの二人の馬鹿は結局どうすればいいのかな?」
今度はプリムラだった、つい最近アデルとガズルに告白された事を思い出しながら真ん中より少し後ろを歩いていた。
「でも、あの二人に限ってお互い殺し合いなんて……するわけ無いか」
考えていた事を少し口に出しながらとことこと歩いているアリスが居た。
それぞれの思いを胸にスタートしたFOS軍、不気味な笑顔を浮かべながら彼等を倒さんと微笑むレイヴン。カルナックに秘められた謎とシトラの本当の正体。そして……レイが見た夢の本当の意味を探す旅になる事を。
そしてその日の夜、彼等はグリーンズグリーンに到着した。
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