[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜

桐生桜月姫

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足掻く

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「あら、ちゃんと分かってるじゃない。」

「………………。」

 私は彼のことが『好き』、なのでしょうか。

「それは、あ、あくまで、………そ、そう、ゆ、友愛ですわ!!」

「あら、まだ足掻くの?」

 足掻かずにはいられないのです。だってずっとそんなふうには思っていなかったのです。見ていなかったのです。いきなり気がついてもどうしたらいいのか分からないのです。

「これはニック次第ね。」

「………………。」

「あぁーあ、情けない!シャーリー、しゃんとなさい!!きっちりとカタをつけるのよ!!」

 私は横を向きました。彼のことが好きというのはなんとなく気はつきました。でも、まだ気持ちの整理がつかないのです。それに、分かると、分かってしまうと今までの行動が全部恥ずかしくなってしまうのです。

「ニック、ずっとアプローチしてたでしょう?」

「………………最近は顕著だったと思います。」

 昨日の発作の原因である悩みが解けて、私は俯きました。こんなに単純なことだったのか………、と思うと同時に、今まで気が付かなかった自分が恥ずかしくなりました。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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感想 20

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