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知らない方が幸せ

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「頼もしい限りだ。僕はね、どうしても手に入れたいんだ。だからもう取られないように、今度は先手を指しておかないとね。」

 にっこりと微笑んだ綺麗な笑顔のニックに、私は柄にもなく見事に見惚れてしまいました。うぅ、最近ニックも変ですが、十分私も挙動不審です。気づかれていませんように。

「そろそろローゼンベルクが焦れてきたようなので、金書庫に向かいましょう。」

「そうだね。つまらない話をして悪かったね、シャーリー。」

「そうよ!!私が分かんないことばっかりお話しするし、1人だけ蚊帳の外で仲間はずれなんて酷いわ!!」

 そう言ってほっぺを膨らませたまま横を向くと、2人は苦笑して困ったような表情をしました。私、こういうのは苦手なのですが………。

「うん、僕は徹底して君の敵を排除しすぎたようだね。」

「?」

 敵?私に敵がいたのでしょうか?さっきの虫といい敵といい、何のことを喩えているのでしょうか?

「ローゼンベルク、世の中知らない方が幸せなことも沢山ある。さっきの会話は忘れろ。」

「?」

 やっぱり私は蚊帳の外というわけですか。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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