[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜

桐生桜月姫

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シャーリー2号

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「ま、事情はあらかた分かりました。では、禁書庫に行きましょうか。」

「君の中でも今日は金書庫決定なんだね………。」

 ニックの疲れたような言葉に、先輩はカラッとした清々しい笑みを浮かべました。見事なまでの罪悪感のなさです。

「先輩もそう言ってることだし、早く行きましょう、ニック。」

「あぁ、そうだな。もう僕は色々と諦めるよ。」

 ニックは立ち止まった状態で、肩をすくめて溜め息をつきました。今もなお手を繋いでいることもあり、ぐいぐいと引っ張ってみますが、一向に動こうとするような気配が見られません。

「俺、ローゼンベルクにまんまと踊らされてる殿下がなんか不憫に思えてきましたよ。」

「…………なら、君は僕のことをこき使わないでくれるかな?」

「それは無理なお願いですね。俺、本のためならなんでもするタチの人間なんで!!」

「うわぁー………、シャーリー2号発見……………。」

 ニックは失礼なことを言った後、私の手を握る力を強めました。殴られるの防止でしょうか?それなら関節技の方が良さそうですわね。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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