[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜

桐生桜月姫

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ニックが気づいた理由

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「ねぇニック、ディルク先輩のこと、なんで気がついたの?」

「え、う~ん、全部?」

 私の質問に、ニックは首を傾げながら、抽象的で曖昧な答えを出しました。
 ………悩みに悩んだ答えがそれですか。

「全部って?」

 とりあえず、詳しく聞き出すことにしてみることといたしました。

「まず1つ目で、歩き方。」

「うん。」

 ニックがピンと人差し指を立てました。
 これは全ての理由に1本ずつ指を立てていくパターンですかね?

「次に2つ目で、呼吸法。」

「うんうん。」

 中指も立てました。
 やっぱり、予想通りです。
 となれば、次は薬指ですかね?

「またまた次に3つ目で、気配。」

「うんうんうん。………?」

 次は何故か親指を立てました。
 ………次はどうするのでしょうか?

「最後に4つ目で、殺気っていうか威圧への耐性。」

「なるほどー。」

 薬指を立てようとしてたたないことに気がついたニックは慌てて親指を除く全ての指を立てました。………なんだかおっちょこちょいで可愛らしいですね。

「………ローゼンベルク侯爵令嬢同様、王太子殿下も化け物かよ………」

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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