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どうして?

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▫︎◇▫︎

「ニコラス王太子殿下、何に対してお怒りなのでしょうか?」

「………………………………。」

 怒りを感じるにもかかわらず王子様スマイルを振りまいているニコラス王太子殿下とこの個室に入室して早5分、無言な状況に我慢できなくなった私はニコラス王太子殿下にお声をかけました。私は人の感情の機敏を読み取るのがあまり得意ではないので、こういう笑顔という隠し方をされてしまえば、直球で尋ねるという以外に道はありません。

「分からないの?」

「………分かりません。申し訳ございません。」

「そっか。」

 怒りの気配と笑みをさらに深くしたニコラス王太子殿下に、私は震える唇を必死に結ぶのがやっとでした。

「ねぇ、彼のこと好きなの?」

「彼?………先輩のことですか?」

「あぁ、そうだよ。さっき君と一緒にいたやつのこと。」

「好きか嫌いかで聞かれたら好きですよ?悪い人ではありませんし、お仕事にまつわる知識の教授の仕方も丁寧ですし。」

 真実を言った次の瞬間、ニックの顔から笑みが消えました。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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