[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜

桐生桜月姫

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帰り道

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▫︎◇▫︎

 馬車に揺られながら帰宅している私は、ぼーっとしながら外の風景を眺めていました。

 今日のパーティーは本当に心の底から楽しかったです。
 だからこそ、このような時間が長く続けばいい、そう願ってしまいます。
 ですが、物事はそんなに上手くは進まない、進んではくれない、それは誰よりも深く理解しています。

 今日のドレス、皆様に言われてもしかしたらニックが贈ってくれたのではないか、と思いました。いつも堂々と贈ってくれていたので特に気にしたことはありませんでしたが、本当はあれはいけないことだったのです。今頃になって気がついたことに、少し眩暈を覚えながらも、私は何故ニックがあんな強行に走ったのか考えました。

 何故?どうして?

 考えれば考えるほど沼にハマっていき、思考が見当違いの方向に飛んでいきます。

「いくら考えても、仕方がありませんわね。圧倒的にピースが足りません。」

 ならば、今日の皆様の装いを思い出すことにいたしましょう。皆様煌びやかで華やかで、自信満々に各々のガーデンパーティー用のちょっと気楽なワンピースドレスを着ていました。

「本当に、楽しそう、だった、な、……………。」

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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