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マゼンタ男爵令嬢のこれから 7

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「ほぉう……。」

陛下が興味深そうな視線を私に向けてきました。ですが、彼女のためにもここで引き下がるわけには参りません。

「北の修道院はとても厳しいところであると伺っております。……ですが、それはあくまで箱入りに大事に大事に育てられた貴族令嬢にとってであると、そうわたくしは考えております。」

暗に彼女ならば大丈夫だと私は胸を張って言い切りました。

「そうだな。たしかにあそこは問題を起こした貴族子女の溜まり場と言っても過言ではないであろう。ならば何故彼女をそんな魔窟に放り込もうとしている?そなたは令嬢を気に入っているだろう?」

「えぇ、聖属性の魔力の持ち主ですし、何より頭の回転も早い。わたくしが気に入らない要素がどこに存在しているのでしょうか?」

「……どこにも存在しておらぬな。ならばもう1度聞こう。ならば何故北の修道院に行こうとする令嬢を止めるのでなく、助けようとする?」

陛下はふっと笑みを溢したあと、私の思考を読もうと探る視線をよこしました。全てを見透かされそうな不思議な強い意志のある視線です。

ですが、やっぱり私はここで陛下と対立することになっても引けません、引くことができません。

*******************

読んでいただきありがとうございます♪♪♪

前話でも書かせていただいていたのですが、予約更新をミスしてしまっていて、先の方の話が間違って更新されていました。
これからは確認するようにします。お気づきの際には、感想欄からお知らせください。

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感想 20

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