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33. 作戦変更

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「シャーロット、いい加減にしなさい。
 マイグレックヒェン公爵令嬢、突飛で破天荒な妻が申し訳ございません。」

 子爵は深々と申し訳なさそうに頭を下げた。
 今頃頭を下げるのではなく、できれば先生夫人が暴走する前に止めて欲しかったのだけれど……。
 ま、まぁ、ジェフリーのやりたかったことができるのだから大目に見て差し上げるけれど!!

「……気にする必要はありません。
 こちらこそ、勝手に教え子になってしまい、申し訳ありません、ブラウン子爵。」
「あの、あ、謝られても困ってしまいます。ど、どうか頭をお上げください!あ、あと、言葉遣いを元に戻してください!!」
「……わたしは公爵令嬢ですが、同時に今からは子爵の奥さまの教え子です。先生の旦那さまに丁寧に接するのは当然のことかと思いますが……、ねぇ、ジェフリー?」
「そうですね。当然の礼儀です。」

 困ったような優雅な微笑みを顔に貼りつけてわたしは小首を傾げた。
 嫌われ作戦は失敗したのだから、これからできることと言えば、ブラウン子爵家をマイグレックヒェンに従う派閥に連れ込むことだけだ。好感度はあまり高いとは言えないのだから、ここは好感度を上げるが先決。

 ……使えるものはでも使う。

 幸い夫人はわたしの容姿と医学知識と医学能力がお好みみたいだから、愛想を振っておけば問題ないだろう。子爵は愛妻家で有名だから、夫人をデレデレに落とせばある程度は問題ないはずだ。

「う~ん、レティシア様とジェフリー様はわたくし教え子ですが、その前にわたくし達マイグレックヒェンの派閥のリーダーなのですから、敬語を使って恭しくされてしまっても困ってしまいますわ。素のままで、思うままにご発言なさってくださいまし。」

 夫に叱られて落ち着きを取り戻した?先生が朗らかに言った。教え子というのは、先生に教えを乞い願う側の人間なのだから、教え子としては先生にそのような失礼な態度を取ることはできないのだけれど……。

「…お嬢様、お嬢様が異常なまでにとても真面目であられるのは存じておりますが、ここは先生のご好意に甘えるべきです。」
「……そう、分かったわ。
 先生、不愉快に思ったらすぐに言ってちょうだい。敬語に戻すから。」

 わたしはどうにもチグハグにしか聞こえない言葉を言った。
 うん、違和感しかないわね。

「えぇ!分かりましたわ。まぁ、そうなることはないかと思いますよ。
 あ!あと、敬語についてはジェフリー様も同様ですからね。」
「え!?」

 ふふふ、侯爵家の三男なのだから、当然だろうに。そこまで思考が行っていなかって残念ね、ジェフリー。
 わたしの巻き添えをとっとと喰らいなさいな!

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読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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