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5 スローライフへの胸の高まり

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 綺麗に片付いたマリンソフィアのお部屋には、青を基調とした家具が並べられている。青薔薇をモチーフにしたバッド際のランプやカーテン、真っ白な机にも薔薇の彫りが施されている。
 これも母親からのプレゼントだ。ちなみに、母親は今は実家にて、のんびりスローライフを満喫しているらしい。1家の当主たる弟がシスコンで、何もしなくても文句を言われないし、何かしたら弟嫁が面倒臭そうな顔をすると言うのが1番の原因のようだ。

「うふふっ、わたくしもお母さま同様、楽しいスローライフへの突入ね」

 スローライフの意味がいまいち分かっていなさそうなマリンソフィアは、これからのわくわくが詰まりに詰まった未来にルンルンと胸をときめかせて、勘当された生家から持ち出した旅行鞄を床にほっぽり出したままベッドにダイブした。
 そしてまもなく、綺麗な青薔薇のような部屋に、マリンソフィアの調子外れな寝息が溶け込み始めた。

▫︎◇▫︎

 マリンソフィアが寝静まった頃、1階では、『青薔薇服飾店ロサ アスール』に勤め始めて早10年、25歳と仕事一筋なあまり婚期を逃してしまったクラリッサが、妹のように可愛がっている店長が勘当されて意気揚々と店にやってきたことに、とても酷い頭痛を覚えていた。

「ん?クラリッサ、どないしたの?顔色が悪いよ?」

 1階の掃除当番に一緒についていたクラリッサの愛らしい後輩が、クラリッサの顔を覗き込む。

「なんでもないわ。ほら、早く寝るわよ。おチビちゃんの成長に関わっちゃう」
「えぇー、うち、愛らしいけん、大きゅうならんくてもええと思うんやけど………」
「だーめ。ほら、寝るよ」

 可愛い後輩の手を引っ張りながら、クラリッサはお店の中で唯一マリンソフィアの生家について知る者として、店長に心の底からお仕えし、お店をなおのこと繁盛させるために決意を新たにするのだった。

「抜けてる店長をしっかり支えなくちゃ」
「にゃははっ、お料理下手なクラリッサには無理やろ」

 ーーーがこっ、

 そこそこいい音が鳴った後輩の額をじっと眺めながら、クラリッサは痛がる後輩を引きずって寝室のある6階へと向かうのだった。

「暴力反対!!」

 うるさい後輩の声は、お客さまの帰ったお店の中にこだました。

▫︎◇▫︎

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

新作
『仲良しな天然双子は、王族に転生しても仲良しで最強です♪』
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紹介文は、

 愛良と晶は仲良しで有名な双子だった。
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 相変わらずそっくりで仲良しなハイエルフと人間族とのハーフの双子は異世界知識を使って楽しくチートする!!


「わたしたち、」「ぼくたち、」
「「転生しても~超仲良し!!」」


 最強な天然双子は今日もとっても仲良しです!!

です。
是非読んでみてください!!

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