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76 双子は戦う
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「………なあ、後輩くんよー。俺、そろそろ限界だわ~」
「はははっ、先輩。俺もっす」
「「じゃあ、やっちまおうか」」
妙に息ぴったりな2人を面倒臭そうに眺めつつ、アイリスとアキレスは心の中で会話を交わす。
(あーあ、脱走は進行形で絶望的だったのに、これじゃあもう不可能じゃん)
(だね。アキレスくんは王家にまさかの2連敗~!!なんてね)
(………………否定できないところが辛い)
(はははっ、で?どうする?わたし退いといた方がいい?)
(そうだね。………ぼくが叩きのめす)
アキレスはにこっと笑って、剣を振り翳してきた先輩の男の方に潜り込んだ。男の視界から急にアキレスが消えたことによって、男は混乱。その隙に、アキレスは男の鳩尾に強烈で残酷なまでに的確な拳を叩き入れる。ゴフッといい音がなったのを聴きながら、アイリスはプラプラと遠目にその様子を眺めていたが、不意にすっとしゃがみ込んだ。
ーーーシャンっ、
アイリスの頭上を銀色の輝きが通り過ぎるのを見つめながら、アイリスはすっと、後輩と呼ばれた男の足を払う。
「ふうー。つまらないものをけってしまったわ」
「はははっ!じゃあぼくは、つまらないものをなぐっちゃったね」
床に崩れ落ちてうめいている男たちの頭上に、ピカピカに磨かれたチョコレート色の革ブーツを乗っけた双子は、にこっと笑った。
「「ねえ、そこに隠れてるひきょーものさん。用事はなあに?」
双子の笑いかけた視線の先には、1人の高身長の男が立っている。月光の影になっていてよく見えないが、身なりはとてもいい。立ち姿の美しさ故に警戒を強めながら、双子は床に転がっている男たちに1撃を与えて伸びさせて、すっと手と手を取り合う。
「「答えてくれなきゃ、いたずらするよ?」」
残虐にも妖艶にも見える、年齢にそぐわぬ微笑みを浮かべた双子に向けて、高身長の男は1歩踏み出す。
「………誘拐された弟と妹を探しに来たのだが、必要なかったようだ」
踏み出してきた男は、月光に輝く真っ直ぐな金髪を揺らしながら、新緑にもエメラルドにも見える瞳をすうっと細めた。
((あ、………終わった))
アキレスとアイリスは王家の象徴を持っている国王そっくりの男に顔色を青くしたのだった。
******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
先の方までストックが溜まったため、毎日更新をします!!
長らくお待たせいたしました!!
最後までお楽しみください♪
「はははっ、先輩。俺もっす」
「「じゃあ、やっちまおうか」」
妙に息ぴったりな2人を面倒臭そうに眺めつつ、アイリスとアキレスは心の中で会話を交わす。
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(だね。アキレスくんは王家にまさかの2連敗~!!なんてね)
(………………否定できないところが辛い)
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(そうだね。………ぼくが叩きのめす)
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ーーーシャンっ、
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「ふうー。つまらないものをけってしまったわ」
「はははっ!じゃあぼくは、つまらないものをなぐっちゃったね」
床に崩れ落ちてうめいている男たちの頭上に、ピカピカに磨かれたチョコレート色の革ブーツを乗っけた双子は、にこっと笑った。
「「ねえ、そこに隠れてるひきょーものさん。用事はなあに?」
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「「答えてくれなきゃ、いたずらするよ?」」
残虐にも妖艶にも見える、年齢にそぐわぬ微笑みを浮かべた双子に向けて、高身長の男は1歩踏み出す。
「………誘拐された弟と妹を探しに来たのだが、必要なかったようだ」
踏み出してきた男は、月光に輝く真っ直ぐな金髪を揺らしながら、新緑にもエメラルドにも見える瞳をすうっと細めた。
((あ、………終わった))
アキレスとアイリスは王家の象徴を持っている国王そっくりの男に顔色を青くしたのだった。
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長らくお待たせいたしました!!
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