仲良しな天然双子は、王族に転生しても仲良しで最強です♪

桐生桜月姫

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60 お友達作りは嫌味から

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(うげー、面倒臭すぎる)
(それはわかるけど………)

 苦笑したアイリスは、ほんわかした風に見える微笑みを一切崩さないまま大人の余裕?というやつで、身分を笠に着ることしかできない、自分達よりも少しだけ年上であろうおバカたちを、これでもかというほどに冷たい目で見つめた。ちなみにお馬鹿たちは、アイリスのそんな視線に気がつきすらしていない。甘やかされて育った感万歳の子供たちに、アイリスがとてつもない妬みと憎しみを抱いたのは言うまでもなく、それでいて正義感の強い彼女が生まれは選べないのだからと、荒ぶる感情を抑えていることもまた分かりきったことだ。
 これならばまだ、アイリスとまったく同じように寸分の違いもなく笑いながら怒りのこもった目を向けているアキレスの方が、落ち着いて対応できていると考える方が正解かもしれない。どっちかというと、怒りに染まっているアキレスよりも、他の子供たちをゴミ以下にしか認識できなくなっているアイリスの方が、絶賛爆発寸前だ。

「やーい!やーい!!お前らクソッタレな側妃の子供なんだろー!!なのに、俺らに頭を下げろだなんてこと言わねーよなー?ほーら俺らに頭下げろや!卑しい庶子が!!」
「そーだ!そーだ!!ぼくお父さまも、庶子なんかに頭を下げるものかって言ってたぞー!!」
「ふふふっ、お子ちゃまだこと。庶子なんかと口を聞こうだなんて、わたくし気持ち悪くてできないわー。男の子ってすごいわねー」

 嫌味を言ってくるのは、年齢層の高い子供の方が顕著なようだ。どちらかと言うと双子の事情が把握できて、それでいて上下関係というものを目の当たりにしてきた年代なのだろうと簡単に予測がつく。アキレスはそんな貴族社会に引っ張られて、普通の思考の持てていない子供たちのことを哀れな目で見つめる。

(こんなのは絶対上の役職につけないのにねー。こいつらは親から何を学んでいるんだか。もっとまともな親を持てば、庶子だから王族でも見下すなんて思考は持たないだろうに)
(そうね、お馬鹿すぎるわ。にしても、事前にメアリーを通して彼らの情報を入手しておいて正解だったわね。弱みを掴んでおけば、懐柔が簡単だわ)

 双子は自分を見下ろしてきている貴族たちを見つめながら、1時間前に起こった出来事を丁寧に思い返した。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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