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54 双子は目覚める
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次の日の朝、同じタイミング目覚めた双子は一瞬何が起こったのか分からずに首を傾げた。目の前に広がるのは元々済んでいた地獄のお城でなく、可愛らしい子供部屋双子仕様になっているお部屋だった。そして、そのお部屋は、男の子らしさと女の子らしさをいい感じにミックスした、子供サイズのものへと全てが交換されていた。
「ねえアキレス、わたしの記憶ちがいじゃなかったら、昨日はこのおへやもっとその………、もうちょっとというぁ、けっこうおとなっぽくなかった?」
「………そーだな。いつのまにか家具というか、ないそーぜんぶがこーかんされてる」
じっと部屋を見つめて首を傾げた双子は、自らのお洋服がいつのまにか寝る時用の着替えさせられていることにも気がついた。良すぎる待遇に舌を巻いていると、ベッドサイドのチェストの上に、2つの青いお花でできた冠が飾られていることに気がついた。
「ねーアイリス、ぼくの記憶ちがいじゃなかったら、きのう庭園にいったのは、おひるまえだったよな………?」
「………ねすごしたわね」
「だな」
陽が高く登り始めたばかりの空を窓越しに見つめながら、驚愕に双子は目を見開いた。
「こんなにぐっすりいっぱい寝たのってはじめて」
「だなー。にしても、誰がぼくたちをはこんだんだろ?」
「知らなーい」
「………アイリスに聞いたぼくがばかだった」
アキレスの呆れたような声にむっとくちびるを尖らせたアイリスは、それからばふっとアキレスの分の上かけを奪って、ぐるぐると自分の身体に巻きつけた。そしてふっふっふー!!と前世ではそこそこあった胸を張ってにこっと笑った。ちなみに、今世は当たり前のことだがぺっちゃんこのつるぺただ。
「ふんっ、そんなわるーい子なアキレスの上かけなんて、わたしのものにしちゃうんだからねっ!!」
「………のぞむところだ」
にいっと意地悪く笑ったアキレスは、次の瞬間アイリスがぐるぐると身体に巻きつけている上かけに手をかけて、ぎゅっと上かけを取り戻さんと引っ張った。そして、アイリスはアキレスに取られまいと必死になって抵抗する。アキレスはそんなアイリスに対してむうっとくちびるを尖らせた。だが次の瞬間、何か良いことを思いついたのかアキレスはにんまりと笑い、アイリスの脇腹に手を伸ばして思いっきりこしょばした。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「ねえアキレス、わたしの記憶ちがいじゃなかったら、昨日はこのおへやもっとその………、もうちょっとというぁ、けっこうおとなっぽくなかった?」
「………そーだな。いつのまにか家具というか、ないそーぜんぶがこーかんされてる」
じっと部屋を見つめて首を傾げた双子は、自らのお洋服がいつのまにか寝る時用の着替えさせられていることにも気がついた。良すぎる待遇に舌を巻いていると、ベッドサイドのチェストの上に、2つの青いお花でできた冠が飾られていることに気がついた。
「ねーアイリス、ぼくの記憶ちがいじゃなかったら、きのう庭園にいったのは、おひるまえだったよな………?」
「………ねすごしたわね」
「だな」
陽が高く登り始めたばかりの空を窓越しに見つめながら、驚愕に双子は目を見開いた。
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アキレスの呆れたような声にむっとくちびるを尖らせたアイリスは、それからばふっとアキレスの分の上かけを奪って、ぐるぐると自分の身体に巻きつけた。そしてふっふっふー!!と前世ではそこそこあった胸を張ってにこっと笑った。ちなみに、今世は当たり前のことだがぺっちゃんこのつるぺただ。
「ふんっ、そんなわるーい子なアキレスの上かけなんて、わたしのものにしちゃうんだからねっ!!」
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にいっと意地悪く笑ったアキレスは、次の瞬間アイリスがぐるぐると身体に巻きつけている上かけに手をかけて、ぎゅっと上かけを取り戻さんと引っ張った。そして、アイリスはアキレスに取られまいと必死になって抵抗する。アキレスはそんなアイリスに対してむうっとくちびるを尖らせた。だが次の瞬間、何か良いことを思いついたのかアキレスはにんまりと笑い、アイリスの脇腹に手を伸ばして思いっきりこしょばした。
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