仲良しな天然双子は、王族に転生しても仲良しで最強です♪

桐生桜月姫

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39 双子の大暴走

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「………………すまなかった」

 国王はアイリスの言葉に瞠目し、視線を下げた後に軽く頭を下げた。アイリスはアキレスの手を握って一瞬呆然としてしまう。

「………………」
「言い訳だが、お前たちがそうなっていることにすら気が付かなかった」
「………いいわけはけっこうよ」
「賢く大人びているお前ならば、そう言うだろうな」

 自重めいた言葉には反省の色が滲んでいる気がして、アイリスはアキレスにちょっとだけ困った声音の心の声を漏らした。

(ねえ、国王さまなんだかものすっごくしょぼけてない?)
(だねー、あと、国王さまじゃなくて国王陛下ね)
(うっ、面倒くさいなー。国王陛下、ものすっごくなんだか残念さんレベルで沈み込んでない?)
(沈んでるねー。よしっ!ここは追い討ちをかけて徹底的に痛めつけよー!!)
(おー!!)

 アキレスの『いっちょ締めとくか!!』みたいな感じのノリで、可哀想な国王はこれからももうちょっと娘と息子に、精神的に痛めつけられることが決定してしまった。

「へー僕らは国王陛下のめにはおとなびて見えるんだね。僕らは、けなげでとーってもあいらしい、ふつーの子供なのに」
「………?
 ………普通の子供は、自分のことを健気で愛らしいとは表さないと思うぞ?」

 絶賛頭の中にはてなマークが飛び回っている国王に、アイリスはすっと冷たい目を向けた。

「じゃあ、どうしてわたしたちはふつーの子供じゃないのかしら?」

 エルフ特有の美しい容姿は、時には残酷にも写ることを、国王は今この瞬間に知った気がした。

「そうだよねー。僕らにとってはだ。まわりには僕らを傷つけるやつらしかいなくて、じえいのために賢くならざるをえなかった。だから、僕らにとってはだ」
「そうそう。だれかさんが助けてくれなかったから、わたしたちは森の中にある食べものを毒のあるないをしらべながら食べなくちゃいけなかったんだよ?」
「っ、」
「まいにちまいにち、僕らはずーっと必死だった」
「生きることに、ずーっと必死だった」

 双子は揃ってそっくりな顔で冷たい氷のような鋭利で残酷な表情を作った。

「「今さらあんたのしんぱいとか、ひごとか、必要ないよ」」

 居た堪れなくなった国王の顔は傑作で、双子はしばし勝利の優越感に浸った。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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