仲良しな天然双子は、王族に転生しても仲良しで最強です♪

桐生桜月姫

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18 逃げられない

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「よかった………」

 アキレスはほっとしたように息を深く吐き出した。
 すると、視界の先が少しだけ明るくなった。どうやら出口に近づいてきたようだ。双子はぎゅっと手に力を込めた。

 ーーーつるん、

 ーーーどしん

 着地に失敗した双子は、見事に2人揃ってお尻で着地した。お尻がじんじんする。アイリスがアキレスに対して痛いと文句を言おうとしたが、次の瞬間、アキレスがアイリスを木の影に隠して口を塞いだ。

「双子は見つかったか」

 低く深みのある麗しい声に、アイリスがぽーっと頬を染めた。アキレスがイライラしてアイリスの頬を口元を押さえるついでにつねった。

「い、いえ、全力で捜索しているのですが………、」
「努力は無用だ。結果で示せ」
「はっ、」

 軍人が側を通っていくのを肌で感じて、アイリスが息を飲んだ。

(………ここにも追手が………………)
(………みたいだな。これはまずいな。逃げられない)
(そんな………)
(………機会を待とう。いずれ風はこちらに向く)

 アキレスはうわずった声で、自分自身に言い聞かせるようにアイリスに心の中で話した。今自分達の近くで命令を下している人間は、先程まで自分達が隠れ逃げていた相手たるディルクよりも、圧倒的に格上だった。木の影にいることもあって容姿や動きは分からないが、並みの人間ではない。下手をすれば、今この気配を消している状態ですらも見つかってしまう可能性がある。
 アキレスは自分は判断を誤ってしまったとくちびるを噛み締めた。アイリスは今までの動きでもうくたくたで、顔色が月光の下と視界が心元なくても青白くなってしまっているのが分かる。

 ーーーガサリっ

 双子の視界の向こう側に1匹の大きな獣が見えた。肉食獣感満載で、ギラギラと輝く瞳が殺意に満ち溢れている。逃げられない、双子は早々にそのことを悟ってぽろりと涙をこぼした。

「ごめん、アイリス。ごめん………」
「ううん、アキレスはずっと頑張ってくれてるんだから、気にすることないよ」

 アイリスはぎゅっとアキレスのことを抱きしめた。
 そして、双子だけの大事な秘密の関わるお話を、双子だけの特別な力、念話テレパシーでお話しした。

(それに、わたし、今世じゃお姉ちゃんなのに、ちゃんとできなくてごめんね)
(いいよ、ずっと僕がお兄ちゃんでいるから)

 アキレスは涙を流しながらも笑っていた。

「ありがとう、アキレス。大好きだよ」
「僕も、アイリスが大好きだ!!」

 ーーーガオっ!!

 獣が咆哮を上げ、双子に向かって走り始めた。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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