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9 謎の少年
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焦茶色のチョコレートのような髪に、淡いエメラルドのような宝石の瞳。年齢は、見た目的には中学生くらいだろうか。双子はじっと少年のことを観察した。
(誰かな?)
(分からない。でも、………これは多分かなり危険だ)
(だよね。よく見えないけれど、あのお洋服、只者じゃないよ)
念話を駆使して、お互い以外の何も信じていない双子は状況を補い合って整理した。双子は双子だからこそ、できることがあるのだ。
「えっと、あの、聞こえてるかな?こんばんは」
「「………こんばんは」」
「よかった、ごめんね。怖がらせちゃったよね?」
((そうだそうだー!!))
気さくな少年の態度に、双子は戸惑いながらも手を繋ぎ合って少年の目をしっかりと見据えていた。
「いえ、お気になさることではございません」
「僕たちになにかごよーでしょうか」
心の中では文句を言いながらも、下手に出て相手のご機嫌を伺うことにしたアイリスとアキレスは大嫌いな母親の連れている、無駄に気位の高いメイドたちの動作を思い出しながら深々と頭を下げた。
「………………いいや、何も。それより、子供たちはそろそろお家で寝る時間なんじゃないかな?」
「そう、ですね。それでは僕たちはこれにて失礼させていただきます」
(行くよ、アイリス)
(うん)
アキレスの挨拶に合わせて頭を下げたアイリスは、逃げるように立ち去ろうとしたが、降り口に少年が立っているので、木から降りることができない。
「あ、僕がここに立ってたら降りられないね。待ってね。今降りるから」
「「!?」」
ふわっと黄金の魔力を纏った少年が木からなんの躊躇いもなくぴょんと飛び降りた。双子から声にならない悲鳴が上がる。
「君たちも降りておいで」
(どうする?)
(………降りるしかないだろ)
(うげー、)
双子は諦めの境地に至り、少年の言う通りにすることにした。するすると木から滑るようにして降りると、少年がとても優しい目をして双子を見つめた。双子は不思議に思っても首を傾げることしかできない。
「じゃあ、僕もそろそろ帰るよ」
そう言いながら、少年が自分の着ているコートを脱いで、双子の上にふわりと乗せた。
「風邪をひかないようにあったかくするんだよ」
頭から双子が被ったコートからは、微かに優しげな石鹸の匂いがした。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
(誰かな?)
(分からない。でも、………これは多分かなり危険だ)
(だよね。よく見えないけれど、あのお洋服、只者じゃないよ)
念話を駆使して、お互い以外の何も信じていない双子は状況を補い合って整理した。双子は双子だからこそ、できることがあるのだ。
「えっと、あの、聞こえてるかな?こんばんは」
「「………こんばんは」」
「よかった、ごめんね。怖がらせちゃったよね?」
((そうだそうだー!!))
気さくな少年の態度に、双子は戸惑いながらも手を繋ぎ合って少年の目をしっかりと見据えていた。
「いえ、お気になさることではございません」
「僕たちになにかごよーでしょうか」
心の中では文句を言いながらも、下手に出て相手のご機嫌を伺うことにしたアイリスとアキレスは大嫌いな母親の連れている、無駄に気位の高いメイドたちの動作を思い出しながら深々と頭を下げた。
「………………いいや、何も。それより、子供たちはそろそろお家で寝る時間なんじゃないかな?」
「そう、ですね。それでは僕たちはこれにて失礼させていただきます」
(行くよ、アイリス)
(うん)
アキレスの挨拶に合わせて頭を下げたアイリスは、逃げるように立ち去ろうとしたが、降り口に少年が立っているので、木から降りることができない。
「あ、僕がここに立ってたら降りられないね。待ってね。今降りるから」
「「!?」」
ふわっと黄金の魔力を纏った少年が木からなんの躊躇いもなくぴょんと飛び降りた。双子から声にならない悲鳴が上がる。
「君たちも降りておいで」
(どうする?)
(………降りるしかないだろ)
(うげー、)
双子は諦めの境地に至り、少年の言う通りにすることにした。するすると木から滑るようにして降りると、少年がとても優しい目をして双子を見つめた。双子は不思議に思っても首を傾げることしかできない。
「じゃあ、僕もそろそろ帰るよ」
そう言いながら、少年が自分の着ているコートを脱いで、双子の上にふわりと乗せた。
「風邪をひかないようにあったかくするんだよ」
頭から双子が被ったコートからは、微かに優しげな石鹸の匂いがした。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
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