《完》わたしの刺繍が必要?無能は要らないって追い出したのは貴方達でしょう?

桐生桜月姫

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番外編

精霊たちの大運動会 6

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▫︎◇▫︎

 仲良しの精霊3匹、ユージオに懐いている名無しの水の上位精霊、シャロンの契約精霊であり土の上位精霊ランド、同じくシャロンの契約精霊であり光の低位精霊ライトは、みんなの喧嘩を遠くから見守りがてら、ユージオに懐いている名無しの水の上位精霊の愚痴を聞いていた。

「《もう!!ユージオったら、またお名前をくれなかったのよ!?信じられる!?私、このままじゃこれからも絶対、ぜぇーったいに名無しのまんまだよ!!》」

 地団駄を踏みながら叫ぶのは、名無しの水の上位精霊だ。どうやら今日もユージオに名付けをねだって、失敗してしまったらしい。毎日毎日よくやるものだと感心しながら、ライトは悩むように首を傾げる。

「《うぅーん、ユージオは名付けに抵抗があるみたいだからねー。そう思わない?ランド》」
「《そうかも?そうじゃない、………かも?う~ん、分かんないかも?》」

 どっちつかずの回答をするランドに苦笑しながら、ライトはランドに寄り添うように穏やかに微笑む。

「《ランドはもっとはっきりなさい!!ねー、ライト》」
「《それも含めて、僕はランドの良いところだって思っているから。ランドは優しいから、断定できないだけだしね》」
「《………それって結局、私がいつまで経っても名無しのままって証拠じゃない》」

 げんなりとした様子の水の上位精霊に、2匹の双子のようにそっくりなライトとランドは困ったような表情を浮かべる。

「《分かんないよ?ねー、ランド》」
「《そうかもね?ライト》」

 その日は空がオレンジ色に染まるまで、永遠と水の上位精霊の愚痴と、双子のようにそっくりな精霊2匹の励ます声が聞こえ続けるのだった。

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読んでいただきありがとうございます😊😊😊


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