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78 アイーシャは母親似
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アイーシャの母たるエミリアは、見事なプラチナブウロンドの巻き毛にアイーシャと同じサファイアのような瞳を持った傾国の美女だった。そして、アイーシャの父はそんなエミリアに一目惚れし、何度も何度もアプローチし、やっと手に入れたのだ。
「アイーシャお嬢様のお髪はウィルフレッド様譲りですか?」
「えぇ、お父さま譲りよ。そして、わたしの唯一の父譲りなところでもあるわ」
「あら、私は頭脳もお父君譲りかと思いますよ?」
アイーシャはちょっと、いや、大分ぽややんとした母親を思い出し、苦笑した。気が強いところや礼儀作法は母親そっくりと言われていたが、確かに頭脳は似ていないかもしれない。策略をぐらせたり、相手を試したりすることが苦手な無垢な母親と、意地の悪い自分は大違いだ。今も元婚約者と従姉妹に仕返ししようとしている人間が母親と似ているなど烏滸がましいとアイーシャは思った。
「そうね。わたしの頭脳はお父さま譲りかもしれないわ。今もわたしは元婚約者に仕返ししようとしているのよ?」
「いえ、そこはエミリア様似かと」
「え?」
アイーシャは目をぱちくりとした。だってあの母親だ。穏やかで虫をも殺せぬようなあの母親なだ。アイーシャは眉を寄せて首を傾げた。
「どうしてわたしの過激で意地悪なところがお母さま似なの?」
「あぁー、お嬢様はもしかしなくともエミリア様の起こした断罪騒動をご存じない?」
ベラは引き攣った笑みを浮かべて、断罪騒動の話をねだるアイーシャに当時のことを話し始めた。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「アイーシャお嬢様のお髪はウィルフレッド様譲りですか?」
「えぇ、お父さま譲りよ。そして、わたしの唯一の父譲りなところでもあるわ」
「あら、私は頭脳もお父君譲りかと思いますよ?」
アイーシャはちょっと、いや、大分ぽややんとした母親を思い出し、苦笑した。気が強いところや礼儀作法は母親そっくりと言われていたが、確かに頭脳は似ていないかもしれない。策略をぐらせたり、相手を試したりすることが苦手な無垢な母親と、意地の悪い自分は大違いだ。今も元婚約者と従姉妹に仕返ししようとしている人間が母親と似ているなど烏滸がましいとアイーシャは思った。
「そうね。わたしの頭脳はお父さま譲りかもしれないわ。今もわたしは元婚約者に仕返ししようとしているのよ?」
「いえ、そこはエミリア様似かと」
「え?」
アイーシャは目をぱちくりとした。だってあの母親だ。穏やかで虫をも殺せぬようなあの母親なだ。アイーシャは眉を寄せて首を傾げた。
「どうしてわたしの過激で意地悪なところがお母さま似なの?」
「あぁー、お嬢様はもしかしなくともエミリア様の起こした断罪騒動をご存じない?」
ベラは引き攣った笑みを浮かべて、断罪騒動の話をねだるアイーシャに当時のことを話し始めた。
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