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45 サンは気に入られる
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「アイーシャよ。よろしくお願いね、サン」
「《よろしゅう、よろしゅう。それにしても、ほんまに穏やかな人やな~、アイーシャはんの契約精霊はん1人でいいけん挨拶させてくれへん?》」
アイーシャは微笑みを浮かべた後、契約精霊になってから1番年長なエステルを呼び出した。
「この子がわたしの契約精霊よ」
「《見ての通り光の精霊のエステルよ。よろしくね、サン》」
エステルはわざとくらいを明かさずに挨拶をしたようだったが、サンは気を悪くした様子もなくニコニコと笑った。
「《アイーシャはんは精霊王と契約しとるなんてすごいね~。よろしゅうお願いします、エステルはん》」
「《え、えぇ、よろしく》」
出鼻をくじかれたエステルは目をパチパチとさせた後、嬉しそうに微笑んだ。
「《精霊王だって分かっても態度を変えない精霊は始めてよ》」
「《エステルはんは敬われたいん?》」
「《いいえ、普通に接して欲しかったからわざわざ名乗らなかったのよ》」
エステルはころころと楽しそうに笑った。アイーシャはエステルが普通の精霊として扱われてみたいと思っていたことが初耳でとても驚いた。いつも堂々としているエステルは、王であることに誇りを持っていたように見えたからだ。
「《あなた気に入ったわ。ちょっと来なさい》」
アイーシャの肩から飛んでいきサイラスとの間の空中で動きを止めたエステルは、サンのことを呼んだ。
「《ん?ええよ~》」
サンは素直にエステルの言うことを聞いてエステルの前に行った。
「《我、太陽を掌りし光の精霊王エステルは、光の高位精霊のサンに力を与える》」
エステルが呪文らしきものを唱えた瞬間、サンは光に包まれた。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「《よろしゅう、よろしゅう。それにしても、ほんまに穏やかな人やな~、アイーシャはんの契約精霊はん1人でいいけん挨拶させてくれへん?》」
アイーシャは微笑みを浮かべた後、契約精霊になってから1番年長なエステルを呼び出した。
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エステルはわざとくらいを明かさずに挨拶をしたようだったが、サンは気を悪くした様子もなくニコニコと笑った。
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サンは素直にエステルの言うことを聞いてエステルの前に行った。
「《我、太陽を掌りし光の精霊王エステルは、光の高位精霊のサンに力を与える》」
エステルが呪文らしきものを唱えた瞬間、サンは光に包まれた。
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