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さくらの朝
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▫︎◇▫︎
ぱちっと目を覚ましたさくらは、目元に流れている涙を拭って、悲しい1年前の出来事にくちびるを噛み締める。けれど、そんなふうにずっと落ち込んでいるわけにもいかなくて、晴れて今日から小学校3年生になる天宮さくらは、ベッドからぽんと起き上がる。
「………おはよう、もか」
親友がいなくなってしまってから、さくらのベッドの隣にある水色のカラフルな犬用のベッドからお返事が返ってくることはない。けれど、さくらは毎日挨拶をする。いつか、もかが帰ってきて、『わんっ!!』と元気に吠えてくれるのではないかと期待して、挨拶をする。
ベッドから起き上がって、挨拶をして、そうしたら今度はお着替えをする。
可愛い桜色のネグリジェを脱いで、白いお花柄の入った長袖Tシャツとふわっと広がっているスカートに着替えると、心が少しだけ明るくなる。パジャマを手にしてリビングに向かうと、そこにはお父さんとお母さんがいて、それぞれがやらなければいけないことと大格闘中。
「おはよう」
「あっ、おはよう、さくら。朝ご飯、もうちょっと待ってね」
「うん、今日は目玉焼き?」
「えぇ、そうよ」
お母さんは忙しそうに朝食作りをしながら、さくらに笑顔を返してくれる。
「お父さんも、おはよう」
「おっ、おはよう。いつこっちに来たんだい?」
「ついさっき。というか、さっきも挨拶したよ?」
「マジかー」
髭剃りともじゃもじゃヘアとに大格闘中のお父さんは、どうやらさくらの起床に気がついていなかったらしい。さくらはついついちょっとだけ膨れながらも、洗面台をお父さんに代わってもらって顔を丁寧に洗う。
こざっぱりして鏡の自分ににこっと笑いかけて、さくらはぎゅっと背伸びをする。
「さあ、今日も1日頑張りますかな」
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
ぱちっと目を覚ましたさくらは、目元に流れている涙を拭って、悲しい1年前の出来事にくちびるを噛み締める。けれど、そんなふうにずっと落ち込んでいるわけにもいかなくて、晴れて今日から小学校3年生になる天宮さくらは、ベッドからぽんと起き上がる。
「………おはよう、もか」
親友がいなくなってしまってから、さくらのベッドの隣にある水色のカラフルな犬用のベッドからお返事が返ってくることはない。けれど、さくらは毎日挨拶をする。いつか、もかが帰ってきて、『わんっ!!』と元気に吠えてくれるのではないかと期待して、挨拶をする。
ベッドから起き上がって、挨拶をして、そうしたら今度はお着替えをする。
可愛い桜色のネグリジェを脱いで、白いお花柄の入った長袖Tシャツとふわっと広がっているスカートに着替えると、心が少しだけ明るくなる。パジャマを手にしてリビングに向かうと、そこにはお父さんとお母さんがいて、それぞれがやらなければいけないことと大格闘中。
「おはよう」
「あっ、おはよう、さくら。朝ご飯、もうちょっと待ってね」
「うん、今日は目玉焼き?」
「えぇ、そうよ」
お母さんは忙しそうに朝食作りをしながら、さくらに笑顔を返してくれる。
「お父さんも、おはよう」
「おっ、おはよう。いつこっちに来たんだい?」
「ついさっき。というか、さっきも挨拶したよ?」
「マジかー」
髭剃りともじゃもじゃヘアとに大格闘中のお父さんは、どうやらさくらの起床に気がついていなかったらしい。さくらはついついちょっとだけ膨れながらも、洗面台をお父さんに代わってもらって顔を丁寧に洗う。
こざっぱりして鏡の自分ににこっと笑いかけて、さくらはぎゅっと背伸びをする。
「さあ、今日も1日頑張りますかな」
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