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続編
80 わたくしは笑い合う
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▫︎◇▫︎
「んっ、」
寝返りが打てずに狭くて重い感覚に苛まれたわたくしは、不服ながらも眠たい身体を叱咤して、ゆっくりと寝台から起き上がった。
「………?」
目の前には上半身の男。
わたくしは一瞬だけぼーっとしながらも、目をぱちぱちとさせた瞬間にこの状況にあんぐりと口を開ける。
「~~~~~ーーーー………、はああああぁぁぁぁぁぁああああ!?」
「………ぅん、………うるさい………………」
「う、うるさいじゃなくってよ!?」
ーーーパチンっ!!
わたくしの平手打ちが見事なまでにクリティカルヒットしたライアンは、その後渋々寝台から起き上がって、6つに割れた腹筋をと眠たそうな氷の瞳を晒し、少しだけ長くなった寝癖つきの夜空を溶かしたかのような藍色の髪を後ろにかきあげた。
「………もうちょっと寝かせろよ………………」
久方ぶりに聞いた粗雑な言い分にキュンとなりかけたわたくしは、慌てて首を横に振って彼を怒鳴りつける。
「ちゃんと、ーーーちゃんと服をきなさあああぁぁぁあああい!!」
「………うるさい………………」
文句を言いながらもシャツを羽織ったライアンは、わたくしのことをぎゅっと抱きしめた。
「………ディアの匂いだ………………」
「お前は犬なの?」
「う~ん、………ディアに甘えられるなら、犬でもいいかも?」
へにゃっと笑ったライアンの額にコツンとデコピンをしたわたくしは、ぷいっとそっぽを向いて、ぼそぼそと言葉を紡ぐ。
「………犬じゃなくても、少しだけ、少しだけなら甘えさせてあげるわ」
「?」
「あぁーもう!!聞こえなかったのならば、そのまま知らなくてもいいわ!!ほら、さっさと帰るわよ!!」
わたくしがぐいっと彼の腕を引っ張って笑いかけると、彼は少しだけ赤く染まった頬で穏やかに微笑んだ。初めて見たに近い、彼の花の綻ぶような微笑みにドギマギしながらも、わたくしは彼に満面の笑みを向ける。
「じゃあ、わたくしたちのお家に帰りましょう」
「あぁ、そうだな。
………お許しも出たことだし、帰ってから甘えるとしよう」
ライアンの言葉を聞く前に走り出したわたくしは、彼の言葉を聞き取ることができなかったけれど、なんだか嬉しそうな彼の雰囲気に、わたくしも嬉しくなってしまうのだった。
惚れた弱みというのは、とてつもなく厄介なようだ。
********************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「んっ、」
寝返りが打てずに狭くて重い感覚に苛まれたわたくしは、不服ながらも眠たい身体を叱咤して、ゆっくりと寝台から起き上がった。
「………?」
目の前には上半身の男。
わたくしは一瞬だけぼーっとしながらも、目をぱちぱちとさせた瞬間にこの状況にあんぐりと口を開ける。
「~~~~~ーーーー………、はああああぁぁぁぁぁぁああああ!?」
「………ぅん、………うるさい………………」
「う、うるさいじゃなくってよ!?」
ーーーパチンっ!!
わたくしの平手打ちが見事なまでにクリティカルヒットしたライアンは、その後渋々寝台から起き上がって、6つに割れた腹筋をと眠たそうな氷の瞳を晒し、少しだけ長くなった寝癖つきの夜空を溶かしたかのような藍色の髪を後ろにかきあげた。
「………もうちょっと寝かせろよ………………」
久方ぶりに聞いた粗雑な言い分にキュンとなりかけたわたくしは、慌てて首を横に振って彼を怒鳴りつける。
「ちゃんと、ーーーちゃんと服をきなさあああぁぁぁあああい!!」
「………うるさい………………」
文句を言いながらもシャツを羽織ったライアンは、わたくしのことをぎゅっと抱きしめた。
「………ディアの匂いだ………………」
「お前は犬なの?」
「う~ん、………ディアに甘えられるなら、犬でもいいかも?」
へにゃっと笑ったライアンの額にコツンとデコピンをしたわたくしは、ぷいっとそっぽを向いて、ぼそぼそと言葉を紡ぐ。
「………犬じゃなくても、少しだけ、少しだけなら甘えさせてあげるわ」
「?」
「あぁーもう!!聞こえなかったのならば、そのまま知らなくてもいいわ!!ほら、さっさと帰るわよ!!」
わたくしがぐいっと彼の腕を引っ張って笑いかけると、彼は少しだけ赤く染まった頬で穏やかに微笑んだ。初めて見たに近い、彼の花の綻ぶような微笑みにドギマギしながらも、わたくしは彼に満面の笑みを向ける。
「じゃあ、わたくしたちのお家に帰りましょう」
「あぁ、そうだな。
………お許しも出たことだし、帰ってから甘えるとしよう」
ライアンの言葉を聞く前に走り出したわたくしは、彼の言葉を聞き取ることができなかったけれど、なんだか嬉しそうな彼の雰囲気に、わたくしも嬉しくなってしまうのだった。
惚れた弱みというのは、とてつもなく厄介なようだ。
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