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続編

73 誰のために

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 ーーーからんっ、

 わたくしのナイフは、次の瞬間には遠くに飛ばされていて、そのナイフに気を取られた次の瞬間には。わたくしの身体も遠くに飛ばされてしまった。ぎゅっとくちびるを噛み締めて、お義母さまの不意を突くために、全力で走るが、それすらも元々分かっていたかのように簡単にいなされてしまう。わたくしは泣きたいのを必死に我慢して、それでもどうしても我慢しきれなくて、ぽろぽろと涙を流しながら戦う羽目になってしまった。本当に、情けのないことだ。

 ーーーかんっ、
 ーーーシャンっ、
 ーーーキンっ、

 刃物がぶつかり合う音が遠くに聞こえるようになってきた頃、お義母さまがふっといきなり戦闘態勢を解いた。わたくしは驚愕に目を見開いて、それでも、お義母さまに一矢報いるために勢い任せに動かしていた身体を止めることができず、そのまま突進してしまう。
 ぎゅっと目を瞑ると、ふわっと優しい感触に抱きしめられた。それがお義母さまであることはすぐに分かったが、何がどうしてこうなったのかはよくわからなかった。

「………おかあさま?」
「よく頑張ったわね。でも、これ以上はだあめ」
「え………?」
「いい子にはご褒美をあげなくちゃいけないわね」

 ルンルンとしたお義母さまは、特にわたくしの疑問に答えることもなくわたくしを引きずってお屋敷に戻っていく。わたくしは首を傾げながらも、お義母さまについて歩き、あれよあれよという間に、メアリーにすっぽんぽんにされてお風呂でごしごし洗われていた。なんともまあすごい早業だ。
 わたくしはほうっとため息をつきながらお風呂にぶくぶくと浸かる。

「お行儀が悪いですよ、クラウディアお嬢さま」
「………しーらない」

 困ったものを見る目をしたメアリーは、次の瞬間には、わたくしの身体を浴槽から上げて綺麗に水滴を拭って、真っ白なワンピースというよりも、厚めの生地でできたネグリジェを着せていた。
 お風呂上がりが肌寒くなってきたこの時期にはぴったりの格好だと思うのだが、可愛らしいネグリジェを着ても、わたくしの心は全く踊らない。それどころか、なぜか虚しくなってくる。

 わたくしは誰のために着飾っているのかしら………。

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読んでいただきありがとうございます😊😊😊

桜咲、ストックゼロの危機にてんてこまいです!!
いずれ毎日更新できなくなるかもです………(>_<)
しばらく頑張ってみるのですが、もし毎日更新が厳しくなるようでしたら、日付を決めて週1更新に変えるかもです。本当に、申し訳ございません。・゜・(ノД`)・゜・。

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