《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?

桐生桜月姫

文字の大きさ
上 下
83 / 160
続編

15 デスゲームとは

しおりを挟む
「………ティアラローズさまはこのデスゲームをどう思っているのかしら?」

 王女然としている彼女に、わたくしは意見を求めてみる。お守り役の中には成長を見守るという役目もあるため、コレは必要な問いかけだ。

「分かりません」

 ………正直なのは良いことよね。えぇ、そう。とーっても良いこと。

「じゃあもう1つ。デスゲームについて詳しく教えてくれないかしら?」
「詳しく、ですか………」
「えぇ、そうよ。詳しく教えなさい」

 わたくしは震えて真っ青な彼女の肩を抱いて、安心させるように微笑んだ。

「うーん、たしか………、………なんらかの理由によって集められた登場人物たちが特定の場所に隔離もしくは幽閉され、指定された目的のために主催者から提示されたゲームに参加して、ゲームは1人または1チームといったごく少数の勝者と、残り大多数の敗者ができる仕組みとなっていて、勝利すると生存が保証され、巨大な報酬が得られることもある一方で、敗北すると死亡するか、もしくは重篤な後遺症や莫大な債務などを負うことになるっていうゲームのことだったと思います」
「分かったわ。ありがとう」

 わたくしはティアラローズさまに微笑みかけてから、戦闘の繰り広げられている教室の中にパッと飛び出して、ライアンに向けて全力で走っていった。ライアンへ情報を渡すという大事な任務を持っているわたくしは、情報を頭の中で反芻しながら軽やかなステップを踏んで走るの。わたくしは始めて、学園指定の靴が編み上げ革ブーツであることに感謝した。ハイヒールで走れと言われるような状況に陥っていたら、わたくしは自分の靴を宙に思いっきり投げる自信がある。

「ライアン!!手短に話すわ。耳をかっぽじってよーくお聞きなさい!!」
「あぁ、分かった。リリーバード公爵令嬢!!1分稼げ!!」
「言われなくとも任されるわよっ!!」

 ライアンが1度引いてわたくしの元に走ってきた。

「デスゲームというのは、簡単に言えば、死を伴う危険なゲームに巻き込まれること。そして、このゲームの終わりというのはゲームで勝つこと。敗北すれば、死亡するか、もしくは、重篤な後遺症などを負うことになるわ。つまり、この部屋の王侯貴族共の命運はわたくしたち3人にかかっているっていうわけよ。ライアン、行けるかしら?」

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢は破滅フラグをへし折り愛されルートに入ります?

うちはとはつん
恋愛
乙女ゲーム内で、極悪な令嬢として転生した霧島ゆり。 ゆりは自身の転生した、悪役令嬢ユリエラ・ソルナインの数々の悪行を知り、罪悪感に圧し潰されそうになっていた。 そんな追い詰められる霧島ゆりを助けてくれたのは、街のモブキャラたちの優しさ。 そして従者である彼の眼差しだった。 悪役令嬢ユリエラの事を知らない一般のモブキャラたちは、ゆりに普通に接してくれて、その輪の中に入れてくれた。 霧島ゆりは悪役令嬢として生きながらも、みんなの優しさに心を震わせて、凶悪な生活習慣を少しずつ改善してく。 けれど悪役の生活改善を、「ゲーム世界」は快く思わないようで~。 これは悪役キャラとしての破滅のストーリーを何とか回避して、霧島ゆりがハッピーエンドに、たどり着くまでのお話です。

【完結】氷の王太子に嫁いだら、毎晩甘やかされすぎて困っています

21時完結
恋愛
王国一の冷血漢と噂される王太子レオナード殿下。 誰に対しても冷たく、感情を見せることがないことから、「氷の王太子」と恐れられている。 そんな彼との政略結婚が決まったのは、公爵家の地味な令嬢リリア。 (殿下は私に興味なんてないはず……) 結婚前はそう思っていたのに―― 「リリア、寒くないか?」 「……え?」 「もっとこっちに寄れ。俺の腕の中なら、温かいだろう?」 冷酷なはずの殿下が、新婚初夜から優しすぎる!? それどころか、毎晩のように甘やかされ、気づけば離してもらえなくなっていた。 「お前の笑顔は俺だけのものだ。他の男に見せるな」 「こんなに可愛いお前を、冷たく扱うわけがないだろう?」 (ちょ、待ってください! 殿下、本当に氷のように冷たい人なんですよね!?) 結婚してみたら、噂とは真逆で、私にだけ甘すぎる旦那様だったようです――!?

継母の品格 〜 行き遅れ令嬢は、辺境伯と愛娘に溺愛される 〜

出口もぐら
恋愛
【短編】巷で流行りの婚約破棄。  令嬢リリーも例外ではなかった。家柄、剣と共に生きる彼女は「女性らしさ」に欠けるという理由から、婚約破棄を突き付けられる。  彼女の手は研鑽の証でもある、肉刺や擦り傷がある。それを隠すため、いつもレースの手袋をしている。別にそれを恥じたこともなければ、婚約破棄を悲しむほど脆弱ではない。 「行き遅れた令嬢」こればかりはどうしようもない、と諦めていた。  しかし、そこへ辺境伯から婚約の申し出が――。その辺境伯には娘がいた。 「分かりましたわ!これは契約結婚!この小さなお姫様を私にお守りするようにと仰せですのね」  少しばかり天然、快活令嬢の継母ライフ。 ▼連載版、準備中です。 2025年内には続きから投稿開始します。 ■この作品は「小説家になろう」にも投稿しています。

ゲーム序盤に殺されるモブに転生したのに、黒幕と契約結婚することになりました〜ここまで愛が重いのは聞いていない〜

白鳥ましろ@キャラ文芸大賞・奨励賞
恋愛
激甘、重すぎる溺愛ストーリー! 主人公は推理ゲームの序盤に殺される悪徳令嬢シータに転生してしまうが――。 「黒幕の侯爵は悪徳貴族しか狙わないじゃない。つまり、清く正しく生きていれば殺されないでしょ!」  本人は全く気にしていなかった。  そのままシータは、前世知識を駆使しながら令嬢ライフをエンジョイすることを決意。  しかし、主人公を待っていたのは、シータを政略結婚の道具としか考えていない両親と暮らす地獄と呼ぶべき生活だった。  ある日シータは舞踏会にて、黒幕であるセシル侯爵と遭遇。 「一つゲームをしましょう。もし、貴方が勝てばご褒美をあげます」  さらに、その『ご褒美』とは彼と『契約結婚』をすることで――。

多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】 23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも! そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。 お願いですから、私に構わないで下さい! ※ 他サイトでも投稿中

【完結】地味令嬢を捨てた婚約者、なぜか国王陛下に執着されて困ります

21時完結
恋愛
「お前とは釣り合わない。婚約は破棄させてもらう」 長年の婚約者であった伯爵令息に、社交界の華と称される美しい令嬢の前でそう告げられたリディア。 控えめで地味な自分と比べれば、そちらのほうがふさわしいのかもしれない。 ――いいわ、だったら私は自由になるだけよ。 そうして婚約破棄を受け入れ、ひっそりと過ごそうと決めたのに……なぜか冷酷と名高い国王陛下が執着してきて!? 「やっと自由になったんだろう? ならば、俺の隣を選べ」 「えっ、陛下!? いえ、あの、私はそんな大それた立場には——」 「俺のものになればいい。お前以外に興味はない」 国の頂点に立つ冷酷な王が、なぜか地味なはずの私にだけ甘すぎる……!? 逃げようとしても、強引に腕を引かれ、離してくれない。 「お前を手に入れるためなら、何だってしよう」 これは、婚約破棄をきっかけに、なぜか国王陛下に異常なほど執着されてしまった令嬢の、予想外の溺愛ラブストーリー。

転生先は男女比50:1の世界!?

4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。 「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」 デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・ どうなる!?学園生活!!

【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜

鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。 誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。 幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。 ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。 一人の客人をもてなしたのだ。 その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。 【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。 彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。 そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。 そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。 やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。 ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、 「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。 学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。 ☆第2部完結しました☆

処理中です...