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続編

15 デスゲームとは

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「………ティアラローズさまはこのデスゲームをどう思っているのかしら?」

 王女然としている彼女に、わたくしは意見を求めてみる。お守り役の中には成長を見守るという役目もあるため、コレは必要な問いかけだ。

「分かりません」

 ………正直なのは良いことよね。えぇ、そう。とーっても良いこと。

「じゃあもう1つ。デスゲームについて詳しく教えてくれないかしら?」
「詳しく、ですか………」
「えぇ、そうよ。詳しく教えなさい」

 わたくしは震えて真っ青な彼女の肩を抱いて、安心させるように微笑んだ。

「うーん、たしか………、………なんらかの理由によって集められた登場人物たちが特定の場所に隔離もしくは幽閉され、指定された目的のために主催者から提示されたゲームに参加して、ゲームは1人または1チームといったごく少数の勝者と、残り大多数の敗者ができる仕組みとなっていて、勝利すると生存が保証され、巨大な報酬が得られることもある一方で、敗北すると死亡するか、もしくは重篤な後遺症や莫大な債務などを負うことになるっていうゲームのことだったと思います」
「分かったわ。ありがとう」

 わたくしはティアラローズさまに微笑みかけてから、戦闘の繰り広げられている教室の中にパッと飛び出して、ライアンに向けて全力で走っていった。ライアンへ情報を渡すという大事な任務を持っているわたくしは、情報を頭の中で反芻しながら軽やかなステップを踏んで走るの。わたくしは始めて、学園指定の靴が編み上げ革ブーツであることに感謝した。ハイヒールで走れと言われるような状況に陥っていたら、わたくしは自分の靴を宙に思いっきり投げる自信がある。

「ライアン!!手短に話すわ。耳をかっぽじってよーくお聞きなさい!!」
「あぁ、分かった。リリーバード公爵令嬢!!1分稼げ!!」
「言われなくとも任されるわよっ!!」

 ライアンが1度引いてわたくしの元に走ってきた。

「デスゲームというのは、簡単に言えば、死を伴う危険なゲームに巻き込まれること。そして、このゲームの終わりというのはゲームで勝つこと。敗北すれば、死亡するか、もしくは、重篤な後遺症などを負うことになるわ。つまり、この部屋の王侯貴族共の命運はわたくしたち3人にかかっているっていうわけよ。ライアン、行けるかしら?」

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読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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