《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?

桐生桜月姫

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続編

13 教師からの嫌がらせ

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 にやりと笑った教師に、わたくしの背中に悪寒が走る。
 ………もしかしなくとも、わたくしはまた面倒ごとを引き起こしてしまったらしい。

「じゃあ、このクラスの学級委員はローズバード姉弟で決定な。俺、静かで従順な真面目ちゃんよりも、教師に向かって真っ向から勝負を仕掛けてくる真面目ちゃんの方が好みなんだー。つーことで、お前ら2人学級委員な!!」
「は?」

 わたくしの口から令嬢らしからぬ声が漏れる。いや、当たり前だろう。誰が王女を差し置いて学園での女性の最高位地位に就くことに反対しないというのだ。
 しかも、男性の中での最高位地位にライアンを就けると言っている。頭痛がする。激しい頭痛がする。しかし、何故何も言っていないライアンが先生に好かれているのだ。わたくしへの当てつけか?それとも………、

「何故俺にそのような役職を与えるのか分かりかねますね」

 わたくしが質問をする前に、ライアンが先生に問いかけた。さすがは我が義弟だ。頭の回転が速い。ま、………わたくしが遅いだけかもしれないが。

「そう!その目だよ!!お前、お姉さんが俺に話しかけてきていた間中、ずーっと俺のこと睨みつけてんじゃん!!俺、そういう反抗的な睨みつける目、大ー好きなんだよねー」
「チッ、」
「おっ、先生に向けて堂々と舌打ちか?良いね良いねー、叩きのめすのが楽しそうだ。しかも、お姉さんとは違うタイプで仕事中に多いにぶつかってくれそうだし。双子でこれだけ似てねーとか、ある意味すごいよねー」

 ………この教師、本当に大丈夫だろうか。わたくしたちが義理の姉弟であるというのは周知の事実なはずだけれど………。

「俺とディアは義理の姉弟です。それに、俺はディアの言うことには全て従うのでぶつかることは決してありません」
「え、なにそれシスコン?気持ち悪っ、」
「お好きに」

 ひらりと冷たく言うライアンに、教室にいた女子生徒の声にならぬ黄色い悲鳴が聞こえた気がした。………わたくしの婚約者なのに。

「はあー、まー、いっか。じゃあ、自己紹介始めんぞー」

 ぱんぱんと手を叩きながら『席につけー』とでも言うかのような軽やかさだったのにも関わらず、先生の身体から殺気が放たれた気がした。ゾクリと背中が泡立って、つい魔法式を展開しようとしてしまう。

「俺の名前はスバル。孤児だ。さあ!貴族のぼんぼんの苦労知らずども!!楽しい楽しいデスゲームを始めようか!!」

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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