《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?

桐生桜月姫

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24 第7の作戦決行!

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「これもダメ、あれもダメ、もっと品のあるものを持ってきて。あと、このデザインは気に入ったわ。薔薇の刺繍が多いようにしてあとは、あれとこれと、………」

 わたくしは震え上がってしまっているお義母さまとライアンを無視して、仕立て屋にどんどん指示を出していく。
 お義母さまはガリガリに痩せてしまっているけれど、ライアン同様に元はとても良い。だから、その身体のラインを隠すようなふりふりぶりぶりのデザインではなく、細さを生かすようなデザインで少しだけ大きめに作っておくべきなのだ。
 ライアンは、………なんでも似合ってしまうのが問題ね。この際もう面倒くさくなってきて、女装をさせても良いのではないかと思ってきている。そう、やけくそだ。彼はわたくしには似合わないきつい色彩も着こなすことができる。深い紫、深い緑、鮮やかな緑に黄色、なんなら濃いめのピンクも似合ってしまうだろう。羨ましいことこの上ない。

「にしても、お坊っちゃまは迷いものですね。髪や瞳の色彩的に何を着ても可も不可もございません」
「そうね。………………もうどうせなら女装でもさせてみようかしら。わたくしに似合わないようなピンクのぶりぶりとか」
「確かその系統もお持ちしておりますよ。サイズも大丈夫そうですから、着せてみますか?」
「そうね。着せてみましょうか」

 わたくしは今思いついた第7の作戦、『ふりふり女の子大作戦!!』を実施することにした。だって男の子が女の子の格好をさせられてそれが似合うって褒められるのって結構屈辱的でしょう?

「ライアン、これを着てみてください」
「!? はい!?」
「いいから、早く!!」

 わたくし、ちっとも楽しんではおりませんのよ?
 わたくしでも着られないような真っピンクのプリンセスラインの可愛いドレスを着せて、きゃははうふふ、って楽しもうとは決して思っておりませんわよ?だって絶対に似合うもの。似合うものを着せるのが今回のわたくしのお仕事。決して逸脱はしていないわ。

「あ、あと、男の子物で少し華美めなものはある?ライアンは顔が良いから、煌びやかなものを着ても服に着られないと思うのよ」
「そうですね~、これなんていかがでしょう?」
「う~ん、ここら辺にもうちょっと装飾を足せないかしら?あと、元々の布は静かめで、裏地が派手なものがいいわ。派手なのも品がいいギリギリのラインを攻めた感じ」
「じゃあ、これなんて、ーーー………………」
「あら、いいわね」

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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