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吸血鬼
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「………………」
私が差し出した紙をじっと見つめているのは、フリソスだけではありませんでした。みんながじっと見つめて、そして分からないなりにも何か意見を出そうとしてくださいます。けれど、みんな分からないのか、首を振って終了でした。
最後まで紙を見つめていたのはフリソスとアスィミだけ。流石は魔人族の王家の血筋を持つ人間です。
「………吸血鬼、だよね?フリソス」
「あぁ。おそらくな。そういう魔法陣の組み立て方の癖が、そんな気がする」
首を傾げながら質問をしたアスィミに、フリソスは極めて慎重に頷きます。けれど、確証は持てないのか苦しげなようにも見受けられて、私の不安は大きくなります。彼女たちに分からなかったら、妖精族のシルフィさんにも確認してもらって分からなかった故に、もうこの件は本当にお手上げなのです。
「………少し魔法を使ってみても構わぬか?」
「えぇ。それはただの写しだから。構わないわ」
「………………“ただの写し”って………、ロッテよ、妾でもこのレベルの魔法は簡単に操れぬぞ」
呆れたようにフリソスに言われますが、こればかりは得意な分野の差です。私は細かな魔力も問題なく操れるように訓練をしていますが、フリソスは大きな魔力を操ることを求められるが故に、写しのような細かい魔力の訓練は受けていません。よって、これは当然の差です。
「………私には、その人ーーーが必要なの」
少しだけ言葉を省いて、不自然にならないように取り繕った私は、フリソスに曖昧に無表情ながらに意志のある表情を向けました。
*************************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
私が差し出した紙をじっと見つめているのは、フリソスだけではありませんでした。みんながじっと見つめて、そして分からないなりにも何か意見を出そうとしてくださいます。けれど、みんな分からないのか、首を振って終了でした。
最後まで紙を見つめていたのはフリソスとアスィミだけ。流石は魔人族の王家の血筋を持つ人間です。
「………吸血鬼、だよね?フリソス」
「あぁ。おそらくな。そういう魔法陣の組み立て方の癖が、そんな気がする」
首を傾げながら質問をしたアスィミに、フリソスは極めて慎重に頷きます。けれど、確証は持てないのか苦しげなようにも見受けられて、私の不安は大きくなります。彼女たちに分からなかったら、妖精族のシルフィさんにも確認してもらって分からなかった故に、もうこの件は本当にお手上げなのです。
「………少し魔法を使ってみても構わぬか?」
「えぇ。それはただの写しだから。構わないわ」
「………………“ただの写し”って………、ロッテよ、妾でもこのレベルの魔法は簡単に操れぬぞ」
呆れたようにフリソスに言われますが、こればかりは得意な分野の差です。私は細かな魔力も問題なく操れるように訓練をしていますが、フリソスは大きな魔力を操ることを求められるが故に、写しのような細かい魔力の訓練は受けていません。よって、これは当然の差です。
「………私には、その人ーーーが必要なの」
少しだけ言葉を省いて、不自然にならないように取り繕った私は、フリソスに曖昧に無表情ながらに意志のある表情を向けました。
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みんなの感想(2件)
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この国の反獣人派にとって一番邪魔(ラスボス)なのはシャルロッテの筈なので、彼女が狙われる展開もありそうですね。
書記長様ご感想くださりありがとうございます😊
感想とても励みになります!!
確かにシャルロッテは反獣人派&反異種族派(人間族至上主義者達)にとって邪魔者ですね。ですが、シャルロッテは王族なので普段から命を狙われていて自分の身は自分で守っていますし、本人も魔法がとっても得意なので余程の事がない限り大丈夫な筈です!!たぶん……。まぁ、作中本人も言っていますが、シャルロッテは運動神経が皆無なので、接近戦が物凄く強い人と戦ったらやばいかもです。
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スパークノークス様ありがとうございます😭
これからも不束者ながら更新頑張ろうと思います(๑>◡<๑)