もふもふ好きのお姫様

桐生桜月姫

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報告

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 それから2人で一緒にいられなかった期間について報告し合いました。ケイは皇子としてたくさんのことを学んだそうです。たくさんの加護を持って生まれたが故に国王に推されてしまい、大変な思いをしたそうですが、ライト殿下を支え、私と結婚するために皇子としての地位を盤石なものとしたそうです。
 なんともまあ先に一言言っていて欲しかった事案です。
 ケイにエスコートされながら城の中に戻っていると、たくさんの衛兵たちがケイに話しかけにきました。昔は魔法で耳や尻尾を隠していたとしても、やっぱり顔立ちで皆黒猫獣人の皇子がケイであるとちゃんとわかるようです。
 さまざまな人に説明を求められるたびに先取り留学だったと、丁寧な仕草や口調で説明して回る姿は貴公子らしくて、目を奪われます。控えめに言って、ケイは顔がいいですからね。見惚れてしまって当然です。

「「ただいま戻りました」」

 お父様達が談笑している応接間に戻ると、皆が出た時よりも近い距離で一緒にいる私とケイににやにやした視線を向けてきます。

「国王陛下、シャルロッテ嬢を僕にください!!」
「………大事にするんだよ」
「はい!!」

 大きな声で返事をしたケイはぎゅうぅっと私を抱きしめて、すりすりとしてきます。先程からまた尻尾が変なところに侵入してきている気がするのですが、気のせいでしょうか。

「これで目下の問題は全部解決だね」

 穏やかな顔で腹黒く言ったアインスお兄様は、1番の問題が解決していないことには一切触れず、そもまま集まりはお開きとなりました。アルノルトお兄様、アインスお兄様、ライト殿下、と去って、次は私とケイが部屋を出る番になりました。

「シャル、その髪飾りまだつけてくれてたの?」
「………………」

 触れないで欲しい点をズバズバと触れてくるケイを半分無視しながら、私は部屋を退出しようと扉に手を伸ばしました。

「チッ、」

 ………?
 舌打ちの音が聞こえて少しだけ振り返りますが、視線の先にあったのは少しだけお疲れの様子のお父様とにこにこと笑っているお義母様のお姿だけでした。

*************************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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