もふもふ好きのお姫様

桐生桜月姫

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裏切り

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「はぁー、はぁー、」

 さすがはエルフの混血。ある程度の呪いならば、多少苦しむだけで済むのですね。彼女からする強く美しい呪いの気配を見つめて、私は感嘆のため息をこぼしました。

 ーーーズキっ、

 頭に鋭い痛みが走って、私はすっと額を抑えます。

「………何か、大切なことを見落としている………?」

「あうぅっ、」

 レムの呻き声にハッと視線を上げた私は、レムのそばに警戒心を持ちながら接近していきます。本当は、近づくこともよろしくないのですが、そうこう言っていると、このよく分からない彼女にかけられている呪いがもっと厄介な方向に発動してしまうかもしれないので、私は急いで彼女の元に行きます。

「レム、聞こえますか。聞こえているのならば、1つ頷きなさい。」

 ーーーこくんっ、

 真っ赤にメイド服を汚し、苦しげな吐息をついてなお、彼女は真っ直ぐとした瞳で私を見上げて頷きました。本当に、気高すぎるぐらいに気高く高潔な子です。

「………にがし、まし、た………。」

「? ………何を逃したのですか?」

「のろ、い。」

 そう言った途端に、ぷつっと意識を手放したレムの前のめりに倒れてくる身体を支えながら、私はごくんと唾を飲み込みました。
 彼女は、『呪い』を逃したと言いました。
 つまり、呪いの主を逃したということになります。そこで、私の頭にもっと鋭い痛みが走りました。

 どうして、レナが呪いに倒れた時、レムとレナの身体は綺麗だったのですか?
 どうして、レムやレナの身体に、抵抗した後がなかったのですか?
 どうして、レナが呪いに倒れた時、レムの言葉に、行動に、違和感を持ったのですか?

 どうして、レムは今まで1度として呪いにかからなかったのですか?

****************************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

繁忙期で死にかけなのに、小説が書きたくて仕方がない作者であります。

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