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外交問題
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アインスお兄様が顎に手を当てて悩み込んでいるのを横目に、私は頭の中の整理も兼ねて、現状を口に出していきます。
「この上なく難しいですね。私は見ての通り、婚姻には向きませんし、アインお兄様は私のメイドのレムを落としたくてヤキモキしていますし、アルお兄様はすでにクロエーラ嬢と婚約済みで、結婚まで秒読みですからねー。」
「………獣人族国家はどうにかなりそうだな。」
「? 何かおっしゃりましたか?」
ポツリとアインスお兄様がつぶやいた言葉は、ちゃんとした音になることなく消えてしまい、私は首をかしげることとなりました。
私が首を傾げても、疲れ切ってげっそりとした印象を抱かせる雰囲気を背負っているアインスお兄様は私に何も教えてはくださいません。それどころか、意地悪そうに笑うばかりです。本当に、アインスお兄様にはいつも不機嫌にさせられてしまいます。
「そうそう。妖精族、エルフについては公爵家の坊ちゃんに嫁いできてもらったらいいよ。女嫌いのあの魔法馬鹿も、魔法が優秀なエルフの女性ならば、なんの文句もなく嫁に迎え入れることができるだろう。………まあそれでも、君が第1希望になっているという状況が変わることはないだろうけれど。」
「アインお兄様、先程からよく聞こえないお言葉が多いのですが。」
私が不服そうに尋ねると、アインスお兄様はすっと肩をすくめました。
「いや?血が近すぎる人間は結婚してはいけないとか、色々不便だよねー。」
朗らかにからからと笑うアインスお兄様に、私は胡乱げな瞳を向けました。
********************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「この上なく難しいですね。私は見ての通り、婚姻には向きませんし、アインお兄様は私のメイドのレムを落としたくてヤキモキしていますし、アルお兄様はすでにクロエーラ嬢と婚約済みで、結婚まで秒読みですからねー。」
「………獣人族国家はどうにかなりそうだな。」
「? 何かおっしゃりましたか?」
ポツリとアインスお兄様がつぶやいた言葉は、ちゃんとした音になることなく消えてしまい、私は首をかしげることとなりました。
私が首を傾げても、疲れ切ってげっそりとした印象を抱かせる雰囲気を背負っているアインスお兄様は私に何も教えてはくださいません。それどころか、意地悪そうに笑うばかりです。本当に、アインスお兄様にはいつも不機嫌にさせられてしまいます。
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私が不服そうに尋ねると、アインスお兄様はすっと肩をすくめました。
「いや?血が近すぎる人間は結婚してはいけないとか、色々不便だよねー。」
朗らかにからからと笑うアインスお兄様に、私は胡乱げな瞳を向けました。
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