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変わり姫は変わる
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▫︎◇▫︎
爽やかな風が吹き抜ける初夏の執務室、そこで私は、でっぷりと太った白豚相手に、冷めた目を向けていました。ぷるぷると震える白豚は、可哀想を通り越して、生理的な拒絶を催すほどに醜く、私は無表情を貫いたまま白豚に話しかけます。
「ひぃっ!しゃ、シャルロッテ殿下!どうかご慈悲を!!」
「………あるわけないでしょう。お前はそんなことも分からず、こんな馬鹿げたことをなさろうとしていたのですか?もっとおバカじゃないと思っていたのですが、飛んだ計算違いですわね。衛兵、さっさとこの者を牢獄へ。」
「はっ!!」
5年後、15歳となった私はお父様に王女としての才覚を認められ、執務の1部を引き受けていました。そして、今現在、最後の異種族との友好に反対していた最後の貴族のお片付けを済ませることに成功したのです。
あんな白豚でも、中々ブラックな部分の尻尾を出してくれず、唯一10年近くもの間泳がせることとなってしまいました。おかげさまで、7年後には友好関係が築けるとお父様が断言なさった時から8年、2年後に蹴りをつけると断言した時から5年経ってしまいました。本当に、迷惑な豚ったらありゃしません。
あ、でも、こんな言い方をしたら、美味しい美味しい豚さんには失礼ですね。もっと言い方を考えねば………!!
「あははっ、何を無表情でぶつぶつ呟いているの?シャルもそろそろ疲れで頭がイカれてきた?」
「………頭がイカれてしまったのは、アインスお兄様の方ではなくって?」
私はここ数年で全く動かなくなってしまった無表情のまま、相変わらず大人気ない、ノックもせずに私の執務室に入ってきたアインスお兄様を一瞥しました。
********************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
布石が終わったため、またタイムトリップです!!
ここから一気に回収するぞ………!!
爽やかな風が吹き抜ける初夏の執務室、そこで私は、でっぷりと太った白豚相手に、冷めた目を向けていました。ぷるぷると震える白豚は、可哀想を通り越して、生理的な拒絶を催すほどに醜く、私は無表情を貫いたまま白豚に話しかけます。
「ひぃっ!しゃ、シャルロッテ殿下!どうかご慈悲を!!」
「………あるわけないでしょう。お前はそんなことも分からず、こんな馬鹿げたことをなさろうとしていたのですか?もっとおバカじゃないと思っていたのですが、飛んだ計算違いですわね。衛兵、さっさとこの者を牢獄へ。」
「はっ!!」
5年後、15歳となった私はお父様に王女としての才覚を認められ、執務の1部を引き受けていました。そして、今現在、最後の異種族との友好に反対していた最後の貴族のお片付けを済ませることに成功したのです。
あんな白豚でも、中々ブラックな部分の尻尾を出してくれず、唯一10年近くもの間泳がせることとなってしまいました。おかげさまで、7年後には友好関係が築けるとお父様が断言なさった時から8年、2年後に蹴りをつけると断言した時から5年経ってしまいました。本当に、迷惑な豚ったらありゃしません。
あ、でも、こんな言い方をしたら、美味しい美味しい豚さんには失礼ですね。もっと言い方を考えねば………!!
「あははっ、何を無表情でぶつぶつ呟いているの?シャルもそろそろ疲れで頭がイカれてきた?」
「………頭がイカれてしまったのは、アインスお兄様の方ではなくって?」
私はここ数年で全く動かなくなってしまった無表情のまま、相変わらず大人気ない、ノックもせずに私の執務室に入ってきたアインスお兄様を一瞥しました。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
布石が終わったため、またタイムトリップです!!
ここから一気に回収するぞ………!!
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