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夢の世界
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▫︎◇▫︎
私は夢を見ていました。
ふわふわと漂う雲の上に乗っているみたいな、感触がなくて、感情のない空間にいる夢。
紫の神、
夢や未来を司る神様が作り出した、不可思議で、けれど、紫の神様の加護を持つものからすれば、最も居心地の良くて、過ごしやすい空間。
「………また、ですか………………。」
ここにくるのは早10度目。
私ももう数えるのには飽きてきてしまいました。次からはもう数えないことにいたしましょう。なんというか、数えれば数えるほど虚しくなってしまいますからね。
遠い昔は憧れていたこの神に愛されし空間も、今の私にとっては無意味で行きたくない場所になってしまいました。大人になるにつれて失っていくもの。その失うものを減らすために、私はここにきたいと思っていました。けれど、私は1番失いたくないと願っていたものと道を違えました。
だから、ここは私には必要のない場所なのです。
『………シャルロッテ、あなたの望みは必ず手に入ります。ですが、それは許されないことです。さあ、選びなさい。正しい道を。』
もうこの言葉を聞くのも10回目となりました。
私の望みはケイと一緒にいること。そして、それは許されないこと。
神様は私に、私がケイと一緒にいることを反対しているのでしょうか。否、それは違いますね。だってそうならば、私の願いが必ず叶うなんて言い方しませんもの。決定的な何かはありません。けれど、私は必死になって考えます。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
私は夢を見ていました。
ふわふわと漂う雲の上に乗っているみたいな、感触がなくて、感情のない空間にいる夢。
紫の神、
夢や未来を司る神様が作り出した、不可思議で、けれど、紫の神様の加護を持つものからすれば、最も居心地の良くて、過ごしやすい空間。
「………また、ですか………………。」
ここにくるのは早10度目。
私ももう数えるのには飽きてきてしまいました。次からはもう数えないことにいたしましょう。なんというか、数えれば数えるほど虚しくなってしまいますからね。
遠い昔は憧れていたこの神に愛されし空間も、今の私にとっては無意味で行きたくない場所になってしまいました。大人になるにつれて失っていくもの。その失うものを減らすために、私はここにきたいと思っていました。けれど、私は1番失いたくないと願っていたものと道を違えました。
だから、ここは私には必要のない場所なのです。
『………シャルロッテ、あなたの望みは必ず手に入ります。ですが、それは許されないことです。さあ、選びなさい。正しい道を。』
もうこの言葉を聞くのも10回目となりました。
私の望みはケイと一緒にいること。そして、それは許されないこと。
神様は私に、私がケイと一緒にいることを反対しているのでしょうか。否、それは違いますね。だってそうならば、私の願いが必ず叶うなんて言い方しませんもの。決定的な何かはありません。けれど、私は必死になって考えます。
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