もふもふ好きのお姫様

桐生桜月姫

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踏んだり蹴ったり

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 疲れ切っている私は、さっさとこの場を去ろうとケイのエスコートを受けて歩き出そうとガロド様に背を向けて歩きはじめました。

「ーーー教育国家と名高いルグニカ王国の使節のお嬢様だとはいえ、ここまでの逸材がいるのですね。異種族との関わりを円滑に運びために、特有の文化の統合を前もって始めておく。とてもいい案かと思いますよ。………殿。」

「!?」

 ばっとガロド様の方を振り向きますが、そこには、はじめから誰もいなかったかのようにただ道があるだけの静寂が流れていました。私は息を飲み、ふるりと身体を震わせた後、ケイのエスコートで今度こそ本当にあの気味の悪い男がいた場所から離れて行きました。
 収穫がゼロとは言いませんが、苦労に対して収穫が少なかった会談に、私はうんざりとため息をつくことを止められませんでした。本当に、あの2人は、いいえ、この国の王族は厄介そうです。面倒くさいことにならないことばかりを願って歩いていた私は、そのあと何もないところですっ転びかけ、ケイにお姫様抱っこをされて与えられている間へといく羽目になったのでした。

 本当に、今日は踏んだり蹴ったりで、泣きたくなってしまいます。

▫︎◇▫︎

「あぁーもう!あの王子強すぎんだろ!!次こそ勝ってやる!!」

 ………その日の夜、もう1つの悩みだねたるアルノルトお兄様の叫びに、お願いだから静かにしていてくれと切実に願ってしまったのは、私だけの秘密です。まあ、ケイも匂いで感じ取っているでしょうが。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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