もふもふ好きのお姫様

疲れたロッテ

　そして、お外に出る直前に王女の方を振り返ります。

「それでは、わたくしはこれにて。ご機嫌よう。色良いお返事をお待ちしておりますわ。」

　外に出てしばらく歩くと、ケイがお姉さんの旦那さんと穏やかに談笑しました。心のなしか結構難しいお話をして駆け引きをしているようですが、喧嘩をふっかけるのは私だけでいいとお思いますよ………。

「ケイト、行くわよ。えっと、王女殿下の旦那さま、ケイトを見ていてくださり、ありがとう存じます。はじめまして、ルグニカ王国からの使節として参りました、ロッテです。」

「ご丁寧にありがとうございます。宰相のガロドです。此度はご連絡をくださりありがとうございます。唐突に使節の到着が早まったことには驚ましたが、たくさんの品々をお持ちいただけ、我が国のものの発展にも大いに活用できそうです。」

　………狐ですわね。
　私がガロド様に抱いた第1印象は猫さんではなく狐さんでした。なんというか、片眼鏡にほっそりとした印象の顔立ちが、そういう感想を抱かせるのですよね………。それに、結構食えなさそうですし。頭の回転も速そうです。正直お相手したくないですわね。こういう時は、早々に立ち去るに限ります。こういう手合いのお相手は、アインスお兄様のお仕事ですもの。

「そうですか。それは良かったです。こちらとしましても、こんなに早く到着してしまうとは夢にも思っていませんでしたから………。グルータス殿下のおかげですわね。わたくしたちは、これにて失礼させていただこうと思います。それでは、ご機嫌よう。」

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